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幼女勇者チーちゃんの異世界奮闘記 ~限界ロリコンアラサー女がオリキャラ幼女に転生した結果 ><~  作者: オフィ


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Lo94.黒髪童顔巨乳少女は武士口調のあんころもち

 サクちゃんに連れられて神帝様のお屋敷を歩きます。

 しかしまぁ、大きいお屋敷です。国で一番偉いんですから当然といえば当然ですか。そう考えるとむしろ小さいくらいですね。ちょっと大きな武家屋敷くらいの大きさですし。

 屋敷には使用人もいて、ときおり見かけるのですれ違うときに軽く会釈して通ります。メイドという雰囲気でもないですし、お掃除とかお庭の手入れとかの保全をメイン業務にしてるんですかね? なんか挨拶するとクッキーを貰いました。


 あとは警備員っぽい強そうなおじさんを何人か見かけました。お揃いの装飾のついた黒い服とマントを羽織り、サーベルを持っててとてもカッコいいですね。なんか挨拶するとみかんを貰いました。


 このお屋敷にいるのはたぶん30人ほど。

 よく分からないんですけど、割と少ない印象です。

 この人数で警備大丈夫なんですかね? まぁこういうお屋敷にはお約束として、『御庭番衆(おにわばんしゅう)』(徳川家子飼いのエリート忍者隊。つまり四乃森蒼紫)みたいな忍者の集団もいそうな気もしますし、私が心配することじゃないですが。


 あ、ココッテちゃんがなんか天井をジッと見てます。あれですね。たぶんあそこに忍者がいますよ。よく分かんないですけど。

 なんとなく挨拶すると飴ちゃんが降ってきました。やっぱいるんじゃないですか忍者。


 サクちゃんが呆れたように言います。


「なんか甘やかして貰っとるのぅ」

「お屋敷のみなさん優しいです!」

「幼女に甘いだけじゃろこれ」


 そうかもしれません。でも仕方ないのです。幼女趣味の無い人間でもみんなうっすらロリコンなんです。これは世の中の法則なので。


「しかし優しいは優しいんですけど、皆さん紳士ですね。全然触ってきません」

「チーちゃん結構触られるもんね」


 そうです。この身体になってからやたらと耳とか尻尾とか触られます。可愛いから仕方ないんですけど、普通にセクハラじゃないですかね?

 特に触ってきたのはトゥルカさんですね。ケモナーですからねあの人。まさぐるように触ってくるんですよね。


 その点、このお屋敷の人はイエスロリータノータッチの心得が出来ていますね。


「ちぃ子のことをよその国の姫とかと勘違いしとんじゃないか? 触ったら外交問題になるとかのぅ」

「えー、まさかぁ。どう見てもただの一般人で冒険者の幼女ですよ?」

「いや、仕立ての良いドレス着とるしのぅ。むしろどこからどう見たら冒険者に見えるんじゃ?」


 ……はっ! たしかに!?

 なんでいまだに初期装備のドレスなんですかね?

 ……いや、このドレス謎に丈夫なんですよ。転んでも破けないし、洗っても縮まないし。神様製だからですかね?

 便利だし可愛いから装備から外せないんですよね。呪われた固定装備ですかこれ?


「それにチーちゃん結構行儀いいからね」

「えっ、そうですかねぇ?」

「ご飯綺麗に食べるし、ちゃんと挨拶するし、寝てるときも寝返りあんまり打たなくて寝息も静かだし」

「他はともかく、寝返りはあんまり行儀と関係なくないですか!? そこまで意識してコントロールしてないですよ!?」


 それにご飯を綺麗に食べるとか挨拶とかは普通のことな気がしますが。


「ちぃ子は育ちがええのぅ」

「最初はお姫様だと思ったもん」

「そう言われると照れますね。そう育ててくれた両親に感謝ですよ」

「そういう素直に感謝できるところがちぃ子の良いところなんじゃよな」


 なんですか!? さっきから私を褒め殺しにするつもりですかこの子達!?


 私がてれてれしてる間に、目的地についたようです。廊下で繋がってますが、屋敷の離れの部屋のようです。


「ここに儂の末の孫がおる」

「なんでこんな屋敷の離れにいるんですか? はっ!? もしかして忌み子的なやつだったり……」

「いや、単に居心地がいいだけじゃろ。あやつ引きこもりじゃし」


 末のお孫さん、引きこもりなんですか。うーん、シンパシーを感じますね。


「おーい。はいるぞー」


 サクちゃんが呼びましたが、返事が無いようです。


「それじゃ入るかのぅ」

「えっ、返事は!?」

「いらんいらん。家族じゃし」


 いや、サクちゃんとは家族かもしれませんけど私達は赤の他人ですよね!?

 それでも構わずサクちゃんはガラッと引戸を開けました。


 部屋の中はインクと紙の匂いがしました。六畳一間の部屋の中にこたつが配置されており、そこかしこに紙の束や本が積んであります。


 こたつには1人の少女がすやすやと寝ていました。

 癖のある黒髪の少女です。背はおそらく140cmほど。童顔で小柄な彼女ですが、幼女ではありませんでした。何故なら、彼女のお胸がとても大きかったからです!

 童顔巨乳美少女とは、なんとまぁ日本人好みな造形ですね。


「おーい、モチよーい。起きろー」


 サクちゃんがその人物をゆさゆさ揺らすと、少女は眠そうに目を開けました。というかモチってなんですか? 名前?


「なんだ、サクちゃんでござるかぁ……拙者、忙しいので後にするでござるよぉ」

「何が忙しいじゃ。昼間っからぐーすか寝おって」


 ……ござる? 拙者?

 え、この子何故に武士口調でござるか?


 ござる娘は寝惚け眼でこちらをちらりと見ます。もさっとしたオーバーサイズの半纏がずるっと半分脱げていてちょっと色っぽいですね。というか完全に油断してます。


 彼女はぼけーとしたままごしごしと目をぬぐい、もう一度私達を見ました。

 無言です。状況が理解できてないのでしょうか。

 らちがあかないので、こちらから挨拶をすることにします。挨拶は大事って古事記にも書いてありました!!(書いてない)


「お初にお目にかかります。私はチーちゃんです」

「ボクはユージア・フレットです。この子はココッテちゃんです」

「んー」


 三人で挨拶をしました。こころなしかユーくんの挨拶がいつもより丁寧です。割とTPOわきまえてますよねユーくん。ココッテちゃんはいつも通りです。

 すると彼女は次第に覚醒してきたのか、やがて目をぱっちりと開けました。


「う、うひゃあああ!? なんでござるか!? 曲者でござるか!?」

「あ、いえ。サクちゃんの友達です」

「えっ!? サクちゃんに友達なんていたんでござるか!?」

「失礼じゃのうこいつ」


 黒髪童顔巨乳少女は私の方を向いてなにか驚いたような顔をしました。


「……よく見たらめちゃくちゃ神聖なオーラが出ているでござるな。貴方様はもしかして神様では……?」

「いや、違いますよ!?」

「なるほど、そういう『設定』でござるな。姫様」

「姫様でもないですよ!?」


 なにやら私を見て勘違いしていますね、この黒髪童顔巨乳少女。


 彼女は急いで服装の乱れを直して正座します。そして私の方を向いて言いました。


「はしたないところをお見せして申し訳ないでござる、姫。拙者は神帝の末孫(まっそん)の【アンコロモチ】と申す者でござる」


 え、今なんて言いました?


「あの、もう一度お名前をうかがっていいですかね?」

「アンコロモチでござる」

「……あんころもち?」

「本名でござる」

「儂が名付けた。可愛いじゃろ」


 サクちゃんが自慢気に言います。

 えっと、名前がアンコロモチさん……?

 神帝様の末の孫さん、とんでもない珍名ですね!?

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