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幼女勇者チーちゃんの異世界奮闘記 ~限界ロリコンアラサー女がオリキャラ幼女に転生した結果 ><~  作者: オフィ


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78/218

Lo78.闘気とは一体? よくわかりませんが、筋肉ってことですね?

 ユーくんが戦っていました。相手はハンドチョッパーズの戦士、ドレンさん。これはユーくんが「Bランク冒険者と戦ってみたい」とか言い始めたからやってる訓練です。

 ドレンさんは槍をぶんぶん振り回し、大剣使いのユーくんをリーチで圧倒しています。


「むー、近寄れない」

「ふっ、見たか! 俺の疾風怒涛の槍捌きを!!」

「防御寄りの戦法だけどな」


 牽制でとにかく近寄れないし、迂闊に突っ込むと叩かれます。かなり隙の少ない戦法でした。

 全く歯が立たないユーくんに対し、ドレンさんは得意気に言います。


「ふっ、しょせん10歳のガキンチョの実力なんてこんなものだ! 俺の槍にはかなわなかったな!」

「魔法使っていい?」

「それはやめてくれよな!」


 ドレンさんはユーくんが魔法を使うところを見ています。馬車旅の途中で襲いかかってきた魔物をユーくんは炎で燃やしつくしました。


 Bランク冒険者でも呆然としていたので、威力は相当高いんでしょう。だからドレンさんも恐れています。

 しかしユーくん、ハンドチョッパーズの皆さんとすぐ仲良くなりましたね。あの人、元々敵対的だった気もするんですけど。まぁ、悪い人たちじゃないんでしょう。


「なぁ、完全にユー坊は魔法使い寄りだろってツッこんでいいか?」

「あ、やっぱりそうなんですね」


 ハンドチョッパーズのリーダー、スドーさんが突っ込みます。どうやらユーくんは物理だとBランク冒険者に劣るようですが、魔法に秀でているようです。

 ちなみにユーくんのことを『ユー坊』と呼んでるあたり、まだユーくんが男だと思ってます。女湯に堂々と入っているのになんで気付かないんでしょうかね……?


「というか何で剣で戦ってるんだ?魔法使えるなら杖だろ」

「ユーくん、最近まで魔法使えなかったんですよね。だから剣だけでした」

「嘘だろ!? もったいないなー」

「というか杖だと何か変わるんですか?」

「魔法がコントロールしやすくなるとか、魔法の威力が上がるとかの効果がある。杖の芯にいれる材料とか魔石で色々変わるんだわ」

「ほえー、そうなんですか。武器屋には置いてなかったんですけど」

「そりゃ鍛冶とは製法が違うからな。武器屋にないこともないんだが、杖屋とか魔道具屋に置いてあることの方が多いんだわ」


 勉強になりますねぇ。私もひのきのぼうじゃなくて杖の方が良いのかもしれません。

 でも使い勝手いいんですよねひのきのぼう。お遍路巡礼用の杖なので、歩くときに便利です。


「そもそも戦士なら【闘気】による強化があるんだが……ユー坊はあんまりやってるように見えねぇな」


 ……とうき? なんか新しい概念が出てきましたよ


「……えーと、【とうき】ってなんですか?」

「え、冗談だよな。まじで知らねぇのか?」

「はい!」

「まじかぁ……」


 はー、とため息をつきながらスドーさんが言います。むむ、どうやら常識レベルのことっぽいですね。


「一般的に戦士は魔法が使えないが、代わりに自分の身体を強化することが出来るんだわ。そのときのオーラが闘う気、すなわち【闘気】って呼ばれるもんだ。それが使いこなせてこそ、一流の戦士ってわけだ」

「ほう……たたかう気で闘気ってことですか。かっこいいですね! 私にもありますか?」

「嬢ちゃんは全然なさそうだな」

「あ、やっぱり無いんですね」


 なんか分かんないんですけど、無いっぽいので仕方ないです。気は気でも、【神気】とは違うんでしょうか? そっちならあるんですけど。


「闘気ってどうやって身につけるんですか?」

「ひたすら身体を動かして鍛えるんだよ。全力でな」

「ほうほう、身体を動かすと」

「そうしたら、だんだん身体の動かし方が分かってくる。身体を十全に使えるようになってくる。んで、力の込め方や抜き方を分かるようになってようやく気付く。『俺、もしかして闘気使えるようになったんじゃね?』と」

「え、意外とあいまいですね?」

「だろ? だが、それに気付くと本当に使えるようになってきてるんだ。だいたい、Cランク冒険者くらいになると使えるかな。闘気は肉体に宿るパワーを自在に操る力なんだわ。それが使えるか、使えないかで戦士としての世界がガラッと変わるぜぇ?」

「なるほど、なんだかよく分かりませんが分かりました!」


 とりあえずユーくんが勝てない理由が分かったので、私はアドバイスを贈ります。


「ユーくーん! 闘気ですよー! たたかうパワー使ってくださーい!」

「うん、よく分かんないけどやってみるー!」


 ユーくんは素直に返事をすると深呼吸をして、むんっと気合いを入れました。

 ぶわっとオーラっぽいのが出てきます。


「なんかオーラでましたよ! あれでいいんですよね?」

「うお、ホントになんか出たな!? ……目に見えるほどのすさまじい闘気……だと……?」

「えーと……そういうものなんでしょう!」


 なんか、闘気じゃなくて神気かもしれません。おや、なんかいつもと色が違いますね? 白いオーラじゃなくてちょっと赤い感じです。

 攻撃的なオーラって感じですね。よくわかんないんですけど。


「よぉし、ユー坊。よく分かんないがそれがお前の闘気だ! 自分の肉体に宿るパワーだ! 使いこなしてみせろ!!」

「うん!」

「それでまず岩とかを攻撃して試すんだ!! 手刀でな!!!」

「分かった!……手刀で?」


 あ、上手く逃げました。確かにちょっとあのオーラが向けられると怖いですもんね。ドレンさんもちょっと引いてましたし。


 ユーくんは言われた通りに右腕にオーラを集中します。

 うーん、ここまで見ても闘気と神気の違いがいまいち分かりません。


「てやー!」


 ユーくんが岩に手刀をかますと、岩が真っ二つにぱっかーんと割れました。ユーくんは自分の手を見て言います。


「これが……闘気……?」

「なるほど。あれが闘気……?」

「おう、間違いない。闘気だな。肉体からあふれるパワーが身体を鉄のごとく強化したんだ」


 スドーさんはそれっぽくそう言ってますけど……うーん、神気との違いがよく分かりません。たぶん、ノリとか気分で変わるんでしょう。


「くっ、俺にはあの量の闘気は出せない……! 修行がまだまだ必要だな」


 ドレンさんが悔しがってます。うーん、よく分かんないんですけど、槍で勝ってるんだからよくないですか?


「なんつーか、ユー坊は基本的なエネルギーの量自体が多いな。魔力も闘気もかなり多い。まるで小さいドラゴンだぜ」

「なんでですかね?」

「まぁ、生まれつき多いんじゃねーか? もしくは【勇者の血筋】だったりしてな……」


 ユーくんの母親はあのユナさんです。そして父親は転生者とか言ってましたね。つまり強い同士の親なので、強いのです。


「ふむぅ、【勇者の血筋】ですか……やはりユーくんは特別……」

「それが結構いるんだよな【勇者の血筋】」

「えっ、多いんですかそういうの?」

「いるぜ。結構いる。大陸の王族とかもそうだったか?」


 あー、結構いるんですね……昔の勇者がハーレム作ったりしてたんでしょうか? 希少性が少なくなりました。

 それを聞いてドレンさんが悔しがりました。


「くっ、俺は勇者の血筋でも何でもない。羨ましいぜ……」

「なーに言ってんだ。言っとくがお前の方が偉いんだぞドレン」

「り、リーダー。でもよ……」

「お前の初心者の頃を思い出してみろ。めちゃくちゃへなちょこで弱かったじゃねーか。その頃と比べて今のお前はどうだ? もう超一流って呼ばれるBランク冒険者になってるんだぜ? そしてこれから悪神討伐のメンバーに入ってるんだ。俺からするとお前も十分に勇者だよ」

「り、リーダー……っ!」


 ドレンさんが泣き始めました。男泣きです。


 そんなドラマが繰り広げられてましたが、まぁ正直あんまり興味をそそられなかったりします。

 私にはユーくんの方が大事ですからね!


「ユーくん! 私達は私達でがんばりましょうね!あのスドーっておじさんも手刀で倒せるくらいにがんばりましょう!」

「うん、がんばる!」

「おいおい、まじで勘弁してくれや……」


 スドーさんがなんか言ってますけど、気にしません。私にとってはユーくんは特別な存在ですので!


「ヌルいな」


 それまで黙って観ていたウェダインさんが立ち上がりました。


「お前らナメてんのか? 言っとくが、そのままじゃ確実に死ぬぜ?」

「なんだとぉ……お前こそ俺らのこと舐めてるんじゃねぇのか?」

「おい、やめとけって……」

「でもよ……!」


 当然ドレンさんの反発を食らいますが、冷静なスドーさんは制止します。ウェダインさんはなおも言います。


「正直アタシはお前らが死のうがどうでもいいし、あんまり口出す気なかったんだが……気が変わったぜ。なんだかんだ縁も出来ちまったしな」


 ウェダインさんは少しだけトゥルクさんを見て、すぐに目線を戻しました。少し赤くなるトゥルクさん。あ、昨日は大人同士の話し合いをしてきたんですね……?


「……相手をしてやる。お前ら、本気の得物ぶき出して来い。魔法も使っていいぜ。殺すつもりでかかってこい。帝都オウカにつくまであと6日間……徹底的にシゴいてやるよ」


 唐突にガチめなトーンで言うウェダインさんに私はビビりました。もうちょっとユルい人だと思ってました。

 でも分かります。ウェダインさんが本気で言ってることを。

 ユーくんが魔剣ユナ・ブレードを抜きはなって構えます。


「……本当にいいの? 全力でやって」

「死んだら自己責任だぜ、お互いにな。ビビってるのか?」

「ぜんぜん!」


 ユーくんは少し嬉しそうに言いました。

 こうしてウェダインさんによる地獄のシゴキが始まりました。

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― 新着の感想 ―
ワンナイトとかじゃなくて一回抱くと情が移るタイプだったんかウェダイン姉さん。
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