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幼女勇者チーちゃんの異世界奮闘記 ~限界ロリコンアラサー女がオリキャラ幼女に転生した結果 ><~  作者: オフィ


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Lo5.要介護でごめんなさい

 おお勇者よ。死んでしまうとは情けない。


 RPGではお決まりの台詞が聞こえた気がしました。(幻聴)

 勇者でもなんでもないんですけどね、私。


 ……いや本当に情けなさすぎますね。なんなんでしょう、これ?

 異世界に送られて何もすることなく死亡って。どんな展開ですか?


 この物語にタイトルをつけるとすれば、「限界ロリコンアラサー女がオリキャラ幼女に転生した結果がコレだよ」的な感じですかね?(雑なタイトル回収)

 略すると「限ロリ」。


 こういう略だと「季節限定ロリキャラがガチャで登場!」みたいな勘違いをしちゃうんでしょうね。季節限定キャラはえっちな衣装多くて好きです。

 ……限定商法に弱いオタクですみません。

 限定キャラにありがちなつよつよ性能なんて飾りです。私は女の子のえっちな絵が見たいだけなのです……


 しかしまぁ、二度目の死ですが今度の天国はあたたかいです。

 幼女のえっちな絵を描いて世界に公開している業の深い私が天国にいけるとは思えませんので、地獄行きかもしれないと思いましたけどちゃんと天国に行けて安心しました。


 お礼に後でアワシマ様のえっちな絵を描いて奉納いたします。

 あ、冗談です。私、普通に全年齢の絵も描けますから。Vtuberへの支援絵は表向き全年齢絵(けんぜんなえ)をうpしておいて、裏垢で叡知絵(えっちなえ)をこっそりと上げるのがマナーです。

 表垢のリツイートは多いですが、裏垢の方がいいね数は多いです。みんな欲望に正直でいいですね。


 それにしてもこのお布団あったかくて気持ちいいです。

 このまま永眠したい。


 ……ん? お布団??

 もしかして……生きてる??

 単に寝ていただけですか、私???


 体は……動きます。

 とてつもなくだるいですけど。


 寝ていたい。ですが状況を把握するために起きないと。

 確か、私の妄想でなければ意識を失う前に幼女の声が聞こえたと思うんですが。

 ……いえ、幻聴かもしれません。過度な期待は身を滅ぼします。


 私は身じろぎしながらもゆっくり身体を起こしました。

 目を開けると、そこは森の中じゃなくて部屋の中でした。木で出来た家ですね……なかなか落ち着く雰囲気です。

 どこでしょうか、ここ?


「あ、起きた?」


 幼女です。快活な幼女の声が聞こえます。

 声のした方を向くと、目の前に淡茶色(ベージュ)に黒色の髪の毛がアクセントとして混じったショートカットの快活そうな少年がいました。


 ……少年?

 はて、私の耳には幼女の声に聞こえたのですが、私の願望が聴かせた幻聴でしたか??


「お母ちゃーん! 起きたよーー!!」


 少年は大声を上げて走って部屋から出ていきました。


 ……状況を整理しましょう。


 私は森をさまよいまくった揚げ句、餓死寸前(ハンガーノック)でぶっ倒れました。

 そのまま死んでしまうと思ってましたが、死の間際に幼女の声が聞こえました。


 あれが幻聴でないとするならば、幼女に助けられたのでしょうか、私は。意識が朦朧としてる中、誰かに運ばれたような記憶がなんとなくあります。


 しかし先ほどの子は少年。ボーイです。

 ……少年? 本当にそうなのでしょうか?

 少年に擬態した幼女の可能性は……?


「あら? もう身体は大丈夫なの~?」


 どこか間延びした女の人の声が聞こえてきて、部屋の中に誰か入ってきました。

 女の人です。しかも結構な美人さん。

 年齢は……うむむ、かなり若い。見た目10代後半に見えますが、この落ち着いた雰囲気はもっと大人の印象を感じます。

 薄茶色(ベージュ)の髪の毛をゆるく結んで後ろに垂らし、エプロンをつけています。


 この人……まさか先ほど少年が呼びに行った「お母ちゃん」なのでしょうか?

 似たような薄茶色の髪色からして、おそらく血縁関係はありそうですけど。

 ……いや、若すぎるんですが。美人さんと言いましたが、美少女と言ってもいい見た目です。


 そんな美人さんが柔和な笑顔を浮かべてこちらを見ています。ふむ……これは……


 新妻ですね!!!(確信)


 ロリコンの範疇からは外れますが、有りか無しで言えば……


 割とアリかもしれません!!!!(歓喜)


「大丈夫そうね。安心したわ~」


 そう言って彼女はトレイにスープを載せてベッドのそばに来ました。


 きゅるるるる


 腹の虫が鳴きました。お腹って空きすぎると、もう空腹感というよりお腹に痛みが走るんですよね。

 食べ物を入れてない胃に胃液が分泌されて、内臓が悲鳴をあげてます。

 痛いです。消化液で溶けてないですか? 私の内臓?


「お腹空いてるのね。スープ持ってきたんだけど、飲める?」

「……ァ……ゥ」


 うぐぐ、返事したんですけど、死にそうなゾンビみたいな声しか出せません。そういえば空腹どころか水分も取っていませんでした。喉がカラカラです。

 というか身を起こしてるのも辛くなってきました。食べたいですけど、しんどいです……


「あらら、大丈夫? ユーくん。支えてあげて」

「うん、分かった!」


 元気な返事が聞こえたと思ったら、さっきの少年(ユーくん?)がいつの間にか戻ってきてました。

 私の後ろに回ってぐいっと身体を持ち上げられます。

 うお、力つよっ!


 この子、細い腕してるけど見た目よりずっと力がありそうです。これなら安心して体重を預けられます。

 私はしんどいので身体のカを抜きますが、少年は力強く支えてくれました。


 しかしあれです。さっきから私の頭の位置に少年の胸が当たってるのですが、どうも大草原のごとく平坦なので男か女か判別つきません。

 いや、見た目完全に男の子なんですけどね? 声質がどうも中性的というか、ロリ寄りの気がしないでもないんです。

 疑惑のショタです。


 自分の身体がめちゃくちゃしんどいときにこんなことばっかり考えてる私ってやっぱり煩悩がすごそうですね。ごめんなさい。


「口開けれる? ゆっくり飲み込んでね」


 目の前の新妻さん(新妻と決まったわけではない)が、スープをふーふーして木の匙で私の口元に持ってきました。

 前方にスープの美人さん、後方に支えてくれる少年(少女?)の隙の無い介護です。


 涙が出そうです。いや、めちゃくちゃ羨ましいシチュですけどそれ以上に……


 なんでこんなに私に優しくしてくれるんですか、この人たち……?


 純粋にこの人たちの優しさが心に沁みます。そこは煩悩とか関係なしに、あたたかくて、優しくて……とても嬉しいです。


 私はスープに口をつけました。ちゅるちゅるごくんとゆっくり飲み干します。

 お湯は50~60℃程度の温度。熱くないです。じんわりあったかさを感じます。


 というか……めちゃくちゃ美味しいんですけどこれ!?

 空腹は最大のスパイスと言いますが、これは間違いなく純粋に美味しいやつです。

 異世界の飯はマズいってのはテンプレかと思ってましたが、なんということでしょう。

 このスープはちゃんと「コク」がある!


 ちゃんとダシが効いてるスープです。かすかにスパイスの風味もします。コンソメに近いかもしれません。


 私の世界のことですけど……野菜をくたくたになるまで湯がいた挙げ句、旨味成分のたっぷり入ったお湯を捨ててたかつての大英帝国様とは大違いです。


 異世界の飯、レベルがクソ高いです。

 よくテンプレにある現代飯チートが出来ないでしょう。まぁ、私の自炊程度の腕じゃ元々期待は出来ないでしょうが


 具は細かく刻んだ野菜と肉片です。

 私のことを思ってわざわざ細かくしてくれたのですか?

 まるで赤ちゃんの流動食のようです。めちゃくちゃ優しい……


 私が飲んだのを確認した美人さんはにっこりと微笑み、また匙をすくって口に運んでくれました。


 私はそれをこくんこくんと飲みこむと、またスープを運んでくれました。


「慌てないでいいから、ゆっくり食べてねぇ」


 そうやって何度も何度もスープを運んでくれて……やがて器いっぱいだったスープは全て私の胃の中に収まりました。


 本当にありがとうございます……

 この感謝は決して忘れません……

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― 新着の感想 ―
NO幼女でも感謝のできる○リコン。 前世に遺してきたもの(推しとか原稿とか家族)へ言及されるとこんな主人公でもしんみりしちゃう。
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