表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼女勇者チーちゃんの異世界奮闘記 ~限界ロリコンアラサー女がオリキャラ幼女に転生した結果 ><~  作者: オフィ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/206

Lo45.サクサクっとダンジョン探索! サクサクすぎてサクちゃんと出会う!(激寒ギャグ

 ダンジョンの中に入ったと思ったら、周りは見渡す限りの草原です。おかしいですね、さっきまで洞窟の中だったはずなんですが。

 後ろを見ると、草原の中にせりあがるような不自然な洞窟があります。私達が通ってきたところですね。めっちゃ不自然です。


 外に出てしまったのかと思いましたけど……


「あれ? 外に出たよ? なんで?」

「ユーくん。たぶんここ、ダンジョンの『中』です」

「え? そうなの?」

「ほら、その証拠に外壁がどこにも無いです」

「あ! ホントだ! 壁ない!」


 そうです。このダンジョンの入り口は二重の外壁に覆われてました。それがたかだか10mほど歩いた程度で景色が変わるでしょうか?


 おそらくこの草原がダンジョンの中なのです。

 ゲームとかでは割と良くありますね。ダンジョンの中が別世界というのは。はい、またゲーム知識です。


「あ、見て! 石に文字が書いたやつがあるよ!」

「ホントですね! これは遺跡とかによくある『石碑せきひ』ってやつです!」


 入り口すぐのところに石碑がありました。一体だれが置いたんでしょうか? まぁ、ダンジョンの中ですし細かいツッコミは無しとしましょう。

 さて、石碑にはこう書いてあります。


『大樹を目指せ。さすれば次への扉が開かれん』


「ほうほう、これは親切な。しかし大樹ですか」

「あっちになんか樹があるね」


 ユーくんの指差す方向を見ると、草原の中にぽつんと1本の樹が立っていました。遠くにありますが、大きな樹です。

 あの樹は……どこかで見たことあるような……!!

 日本人なら思わず口ずさみたくなるようなフレーズが浮かぶあの樹は……!!?


「あの樹、何の樹ですかね?」

「気になる樹だね!」

「見たことも~ない樹ですから~♪」

「え、なんで急に歌ったの?」


 はい、上手いことユーくんも乗ってくれました。

 とっても気になる樹ですよね! 見たこともない花が咲きそうです!!


 ……このCM、最近やってるんですかね?


「とりあえず、あの日●の樹を目指して進みましょう!」

「うん、いこう! ……ヒ●チの樹ってなに?」


 日●の樹は日●の樹ですよ?

 正式名称『日●の樹』です。樹の種類自体は知りません!


 大樹に行くまでの道は草原がハゲており、土で出来た道が続きます。

 周りを見ると、冒険者らしき人が道からちょっと外れた草原で武器を振り回していました。


「冒険者さんですね」

「あっちにも冒険者さんいるね。あっちは2人組だ」


 ソロと二人組、三人組。冒険者さん達は割と少数です。

 対峙している魔物はちょっと大きな兎さんでした。


「冒険者さんも魔物もあんまり強くなさそうだね」


 ユーくんの言う通り、冒険者さん達の攻撃はあんまりサマになっていません。素人がぶんぶん野球バットを振り回してるみたいな武器の使い方をしてます。武器は剣やこんぼうが多いですね。

 防具は布装備みたいな軽装が多いです。革装備って意外と高いですからね。初心者のうちは買えないのかもしれません。


 そんな風景を眺めながらテクテク道なりを歩いていくと、ちょっとでっかい兎が草むらから飛び出てきました。魔物図鑑で見たことあります。


「Gランク魔物の【噛みつきウサギ】ですね」

「うん、倒すよ!」


 ユーくんが前に出て剣を一閃すると、ウサギは声を上げる暇もなく首を斬られました。


「この程度じゃユーくんの相手になりませんか」

「うん、魔物のウサギより動物のウサギの方が手ごわいくらいだね」

「そうなんですか?」

「動物のウサギは警戒心強くてすぐ逃げるのに、魔物のウサギはわざわざこっちに向かってくるからね。脚も遅いし」

「へー、魔物の方が動物より弱いってこともあるんですかぁ」


 なるほど。確かに普通のウサギより数倍重そうな身体、ジャンボラビットサイズのウサギだと動作も遅いのかもしれません。

 でも、周りの冒険者さん達はこの程度の魔物でもなかなか苦戦してる様子です。

 まぁ、それなりにでかいですからね。初心者さんはこのレベルでもそこそこ大変みたいです。


「さて、魔石を取り出して……って、ウサギが消えた?」

「うわ、消えました!」


 目の前でユーくんが倒したウサギが、シュインシュインと光に包まれて消えました。

 コトン、と魔石だけが地面に転がります。


「えーと、どういうことこれ?」

「はい! よく分かりませんが、ダンジョン特有の現象でしょう!」

「すごいね!」


 なんかダンジョン内だと不思議なことがあるようです。はい、不思議不思議。

 ゲームだとよくあることなので、そういうものだと思っておきましょう。

 なんせダンジョンは神様が作った不思議空間らしいですからね。


「とりあえず魔石はドロップ品ってことでいいんでしょうか? 他の素材は取れないですけど、剥ぎ取りの手間が無くていいですね」

「うん。簡単だね!」


 私もユーくんも深いことは考えずに、そういうものだと思って進んでいきました。

 何度か魔物とエンカウントしましたが、どれもGランクとFランクの弱い魔物ばかりでした。

 しかも徒党を組むことなく、何故か1体ずつ現れます。不思議ですね。


「なるほど、ここだと一人か二人で来てる冒険者さんも多いわけですね」

「うん、そんなに強い敵いないよね」


 難易度★1なだけあります。初心者向けのようですね。

 そんな感じで歩いていくと、30分くらいで大樹の根本に辿り着きました。

 戦闘回数は9回。全部ワンターンキルでした。


「着いたね! なんか看板あるよ!!」

「ホントですね。人が建てたんでしょうか?」


 そこにはDIY感あふれる木の看板がありました。ホームセンターで売ってそうですね。遺跡っぽかった入口の石碑とは違い、人の作ったものでしょう。

 さてさて、何が書いてあるかというと……


【この先、ハイセイカ・ダンジョン第二層 難易度★2】


 あ、第一層ってここで終わりってことですか?


「すんなりだったね」

「すんなりでした!」


 看板の示す方向にはとっても大きな樹があります。日●の樹です。

 その樹の下の方に、人が通れるくらいの穴がありました。

 この先に進むと第二層ってことですか。親切ですね。


「じゃあ第二層に進む?」

「そうですねぇ。まだ30分しか経ってないですからね」


 周りを見ると草原で戦っている冒険者さん達もいます。おそらく初心者さん達は第二層に進まずに、ここで稼ぐのでしょう。


「とりあえず進んでみますか。難易度が上がりますけど、大丈夫そうですか?」

「うん、全然大丈夫! まだまだいけるよ!」

「じゃあ行きましょう! ただし、強い敵が出てきたら一旦引きますよ! まだ今日は1回目の探索ですからね!」

「うん、わかった!」


 ユーくんが本当に分かったのかは知りませんけど、とりあえず第一層の敵は物足りない感じっぽいですし進んでもいいでしょう。ここはおそらくレベル1~2の初心者冒険者さん達の狩場です。

 尚、私は今の今まで全然戦ってない模様。えっと、サポートキャラですからね? 私。

 まぁろくなサポートも必要なかったので、気分は『勇者様に護送されるNPCキャラ』って感じですけど。


 仕方ないんですよ。私がお父さん棒で魔物を殴ってもほぼダメージゼロですからね。雑魚魔物相手にすらダメージゼロです。不思議ですね? レベル3なのに全然強くなった気がしません。

 でも30分歩いても割と平気ですし、体力はそこそこついたのかもしれません。生前は10分歩くと疲れてましたからね。運動不足すぎるでしょ……


 さて、私たちは大樹の樹の下の穴をずんずんと進みます。

 樹の穴の中には何故か人工物っぽい階段があり、そこをこつこつと降りていきました。うーん、樹の中に階段があるのは不思議ですけど、今更気にしないでいきましょう。

 樹だけに気にしない! どやぁ!(激寒ギャグ


 階段はそれほど長くありませんでした。20段ほど降りると階段が終わり、樹の外に出ました。

 外に出たとき、今度は森が目の前に広がっていました。


「おお、森ですね」

「森だね!」


 針葉樹林多めでしょうか? まっすぐな樹が多くありますが、紛れもない森です。

 戻ろうと思ったら、また来た道を戻って樹の中の階段を昇れば良さそうです。


「本当に不思議ですね、ダンジョンって。草原があったり森があったり。ここって洞窟の中ですよね?」

「うん、不思議だね。でもなんかワクワクする!」

「はい! なんかすごい冒険してるって気分になってきます!!」


 入口のところに、また第一層で見たような石碑がありました。


『淡く光る花の道を進め。さすれば次への扉が開かれん』


 なるほど、今度は花の道ですか。

 石碑の向こう側に、ぽつぽつと提灯のような形をした花が光っているのが見えました。


「おお、これはまた親切な」

「ここを進めばいいってことだね!」


 なんでしょうね。割と整備されたアトラクションって感じです。ダンジョンさんめっちゃ親切。

 全然迷宮っぽくありませんねこれ。迷いませんし。

 こんなに親切だと、途中で裏切られることを心配してしまいます。

 この光る花を辿っていくと逆に罠だったりしませんか?


「じゃあいこう!」

「あ、はい。行きましょう!」


 とはいえ、ほかに道しるべもありませんし。罠なら罠でなんとかすればいいんです、たぶん。

 ガイナスさん、シャイナスさん。

 もし私達が戻らなかったらレスキューを頼みます……!(懇願


 私達が先を進もうとすると、唐突に上から声が聞こえました。


「おーい! おぬしらー!! ここらでツチノコ見んかったかー!?」


 少女の声です。幼い。ロリ声です! これはロリ!!


 期待に心を震わせて上を見上げると、小柄な少女が木の上から降ってきました。


 すとん。

 結構な高さから落ちたのに、重力を感じさせないような綺麗な着地です。

 地面に足跡すらついてません。


「だれ?」


 ユーくんが警戒して一歩下がります。

 落ちてきた少女は、桜色のロングヘアーで白い角を2本生やしていました。

 瞳は綺麗な桜の花びらのような虹彩をしています。

 服装は陰陽師みたいな平安時代っぽい和装って感じで、ところどころに花柄があるのが可愛らしいですね。

 身長は125cmほど。小さいですね。小学2年生くらいです!


 うん……角!?

 ……角生えてますね。はい。

 鬼の娘、鬼ロリでしょうか?


「あの~、どちら様でしょうか……?」

「おーおー、そんなに警戒せんでも取って食うたりせんわい」


 鬼っぽいロリはそう言いました。ほがらかで、全く攻撃をするそぶりはありません。


「というか儂を知らんのか? この角見てもわからん?」

「角の生えた知り合いはいないよ?」

「なんじゃ。まあ丁度ええわい。儂の名は……『サク』っていうんじゃ」


 ほうほう、サクちゃんですか。角の生えた鬼娘で明らかに人間じゃないっぽいですけど、どうやら敵ではないようです。可愛い和装ロリですね。


「あの、サクちゃんも冒険者なんですか?」

「ん? 儂はここのダンジョンにツチノコ探しに来ただけじゃけど?」


 つちのこですか? あの日本でも幻の生物、ツチノコですか?

 岐阜県ではツチノコ村みたいなところがあって、毎年ツチノコ探しの祭りをやっているんですけど、そういうツチノコですか?


 こうして私たちは、初めてのダンジョンの中でツチノコ探しの鬼っぽい幼女と運命の出会いを果たすのでした!

 ……どんな運命ですかね、これ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ