表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼女勇者チーちゃんの異世界奮闘記 ~限界ロリコンアラサー女がオリキャラ幼女に転生した結果 ><~  作者: オフィ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/206

Lo40.小さな破壊者、リトルブレイカー結成!

 私たちは冒険者ギルドのロビーに戻りました。今更ですけど、まだ冒険者登録が済んでなかったのです!

 ロビーには野次馬の冒険者たちが飲んだくれており、熱に浮かされたように語りかけてきました。


「よう坊主、残念だったなガハハ」

「いい戦いだったぜ」

「坊主も良い線いってたんだがな~」

「かっこよかったわよー」

「お、お前よく見ると可愛い顔してんなぐへへ」

「緑の子は天使!」

「おう、飲め飲め!!」


 おおう、なんか印象が良くなってる? (一部変態発言は置いといて)

 さっきまで結構ヘイト食らってませんでしたか私たち?


「なんかさっきまでと反応違うね?」

「ええ。あんな感じじゃなかったですよね?」


 すると受付にいるギルド長のヨッツさんが小声で言ってきました。


「そら、そっちの坊っちゃんがガイナスはんにコテンパンに負けたからやろな」

「ええっ?そうなの?」

「さっきまでは生意気な新人の印象やったけど、まぁ負けたから同情心でも湧いたんやろ」

「ええ~、なんか微妙だな~」

「まぁ世の中そんなもんやで」


 なるほど。普段あんまり人前で戦わないというガイナスさんがユーくんの挑戦を受けたのもそのへんが理由にありそうですね。


 あのまま子どもに圧勝させておくと冒険者の面子は丸潰れ。だから公衆の面前でへし折っておく必要があったと。


「あえて最後に『無拍子』という『技術(ワザ)』で勝ったのもそこらへんが関係してるのかもしれませんね」

「どういうこと?」

「派手な魔法や必殺技が無くても倒せるんだぞってところを見せたかったんじゃないですか? それで、ユーくんの脅威度を意図的に下げたんです」

「よく分かんないけど、やっぱりガイナスはすごいってこと?」

「はい。略して『やガすご』です!」

「やガすご! だね!」

「変な言葉を作るな」


 なんか変なこと言ってるとガイナスさんに突っ込まれました。はい、この2人は結局ついてきてます。保護者同伴で冒険者登録です。


「でもガイナスさんの技術ワザって騎士団じゃ評判悪かったんですよね? それで勝ってしまったから、もしかしてヘイトがガイナスさんに向いてしまうんじゃ……」

「俺もそう思ってたんだがな……」


 するとガイナスさんにも冒険者さん達が野次を飛ばしてきました。


「ガイナス! お前あんなに強いんなら何故言わねぇんだ!」

「ガロンドさんと似たような名前しやがって!」

「『ガ』しか合ってねーだろうが!」

「よく分かんないけどすごかったぞー!」

「ナイスタンク!!」

「あんなん耐えるとかもはやキショいわ!」

「最後の攻撃も全然見えなくてキモかった!」

「ごめん、応援するシャイナスちゃんが可愛くて試合見てなかったわ」

「おう!飲め飲めーー!!」


 こんな感じで盛り上がってました。


「なんか兄ちゃの好感度も上がったみたいで嬉しいでよー」

「なんか罵倒や変なのも混じってますけど!?」

「冒険者の民度の低さからすると、あれは褒め言葉に値するんだ……」


 冒険者って民度低いんですね!?

 なんかどんどん冒険者に対するあこがれの感情が無くなってくる気がします。

 キラキラの冒険者さんなんていなかったんだ……


「これはユージア少年のおかげでもあるな」

「え? そうなの?」

「お前が派手な必殺技を出してくれたおかげで、随分盛り上がったようだ」

「騎士時代の兄ちゃが本気出すと『塩試合メーカー』って言われてめっちゃ嫌われてたでよ」


 騎士の試合ってプロレスかショーかなんかですか!?

 しかし『塩試合メーカー』ですか……『塩試合』とはその名の通り『しょっぱい試合』を意味します。見ててつまらないってことですね。

 推測すると、それはただ勝負にならなかっただけなんじゃないでしょうか? ガイナスさんがそれほど無慈悲に強いってことの証明になってしまいますね。

 なんかガイナスさん達の話を聞いてるとどんどん騎士団への評価も下がってきますねぇ……異世界の騎士団ってなんなんですか?


 まぁ、色々ありましたけどなんとか冒険者登録できました!


「これで2人とも冒険者として認められたわ。まずはGランクからやけどな」

「やったー!」

「んで、これが魔石代の7200センカや」

「わーい。お金だー!」


 どうやら魔石も無事換金できたようです。私の全財産100センカは賭け事でスッてしまったので、これは純粋にありがたいです。

 今度は大切に使いましょう……


「これはユージアの坊っちゃんだけでなく、嬢ちゃんも共同で狩っとるな?」

「うん、そうだよ!」

「じゃあついでにこの討伐実績で2人ともFランクに上げとくわ。ランクアップおめでとさん」


 なんかいきなりランクアップしてしまいました! えーと、いいんですかね?


「あの、私あんまり強くなくて寄生プレイみたいなものなんですけど、いいんですかね?」

「魔物倒した数だけで判断するとアタッカーばっかランクアップして後衛がランク上がらんままやろ? 嬢ちゃん後衛っぽいし同じパーティーやったら同じ功績やで」

「そ、そうなんですかね?」

「まぁレベルもそこそこやしな。そこ疑う余地ないやろ。てかもっと自分の手柄は遠慮なく主張せなアカンで? せやないと手柄全部持ってかれるで?」

「そうだよ! チーちゃんはめちゃくちゃすごいんだから!」


 な、なんか照れますね。めっちゃ強いユーくんに寄生プレイしてたようなものなんですけど。


「てかなんやねん。この登録名『チーちゃん』って。名前なんかこれ?」

「あ、すみません。本名は『地衣(ちい)小糸(こいと)』です」

「ほーん、かわいい名前やな。そっちで登録しとくわ。『チイ・コイト』っと」


 えーと、かわいい名前なんですかね? よく分かりませんが『チーちゃん』は流石に駄目だったようです。


「んで、こっちの坊っちゃんは『ユージア・フレット』かいな……ん? フレット? もしかして姉ちゃんとかおる?」

「ん? なんで? いないよ」

「いやー、なんかユナちゃんっていうたまにくる姉ちゃんとなんか似とるなーて思て。そいや『ユナ・フレット』って名前だったわーって思い出してな」

「お母ちゃんだ!」

「は? ユナちゃんお母ちゃんなん? 若っ!?」


 なんと、ユナさんもここに来てたようです!

  ……ってまぁそうですよね。あれだけの腕前で冒険者やってないって方が不自然ですよね……


「お母ちゃんはどんな感じなの?」

「ん? 普通やで。なんかたまに魔石とか毛皮とか持ってくるし、市場の方にも薬草とかポーションとか納品に行っとるくらいか?」

「ほうほう」

「冒険者ランクもEランクやしなぁ。坊っちゃんみたいに派手な必殺技も持ってないまぁまぁ普通の子やで?」

「アッハイ」


 実力詐欺してるーーー!?

 ユナさんが普通なわけないじゃないですか! あれが普通だと、どんだけ他の冒険者強いってことになってしまうんですか!?

 私は小声でユーくんに言います。


「ねぇ、ユナさんって……」

「んー、村の方でもこんな感じだし普通なんじゃない?」

「でも、ユーくんからするとユナさんはBランクのガイナスさんよりすごいんですよね?」

「え、そうだよ?」

「それって矛盾してませんか?」

「しないよ? ユナは嘘つきだから」

「アッハイ。ソウデスネ」


 どうやらユーくんも実力詐欺は折り込み済みのようです。

 よし! この話題はあんまり触れないで流しましょう!


「で、チーム名どうすん?」

「チーム名……ですか?」

「キミら2人で行動するんやろ? チーム名の登録もしといた方が依頼受けやすいで。そっちの『キルロード兄妹』みたいにな」

「うちらの登録名は『なかよしブラザーズ』でよ?」

「そうなんですか!?」

「そう呼ばれることはほぼ無いがな……」


 シャイナスさんが度々言っていた『なかよしブラザーズ』という単語。なんと正式に登録されているチーム名ということが発覚しました。

 Bランク冒険者チーム『なかよしブラザーズ』ですか……

 アリですね!(そうか?


「じゃあ、私たちもかっこいい名前にしましょう!」

「えっと、じゃあ『勇者隊』!!!」

「その名前は既に登録されとって使えんな―」


 あ、被りとかナシなんですね? ていうかその登録名使ってる勇者様いるんですね?


「えっとじゃあどうしよう? チーちゃん決めてくれない?」

「え、私が決めちゃっていいんですか?」

「だってチーちゃんってボクよりいっぱい言葉知ってるでしょ? インフェルノとかムビョーシとかカッコいいやつ」

「まぁ知ってますけど……」


 うーん、どうしましょうか。

 実は元々ちょっと考えてたんですよね、チーム名。ここで言っちゃいましょうか?


「……【リトルブレイバー】ってのはどうですか?」

「りとるぶれいばー?」

「『小さな勇者』を意味します。ユーくんにピッタリの名前です」

「小さな……えっと、冒険の中で大きく成長しちゃったらどうするの?」


 その問題がありましたね……いや、こういうのはポジティブに考えましょう!


「ユーくん。小さい子供のまま速攻で魔王を討伐すればいいんです。そうすればカッコいいですよ!」

「確かに……カッコいい!!! 【リトルブレイバー】かっこいい!!!」


 ユーくんは簡単にノせられるので心配になってきました。

 はい、本当は「リトル」の部分に私のロリへの願望が隠されてるんですけど。

 それは墓場まで持っていく秘密です!!

 名前の通り、幼女のパーティーメンバー増えて欲しいですね!


「ほな、登録しとくで【リトルブレイカー】な」

「うん! 【リトルブレイカー】だね!!」


 うん!……うん?

 はて、聞き間違いですかね?

 ……【リトルブレイ"カ"ー】とは。


「『小さな破壊者』……ある意味ピッタリだな」

「うんうん。ピッタリやで。あとで訓練場の穴埋め手伝ってーな?」


 ヨッツさん!? もしかして訓練場にユーくんが大穴開けたの恨んでますか!?

 あれは純然たる事故ですよ!!!(人災)


 こうやって私たちのチーム名はいつの間にか【リトルブレイカー】になったのでした。

 あんまり勇者っぽくないですね!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ