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幼女勇者チーちゃんの異世界奮闘記 ~限界ロリコンアラサー女がオリキャラ幼女に転生した結果 ><~  作者: オフィ


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14/206

Lo14.この世界の神様ってボイロ厨なんですか!?

 いつの間にか白い空間の中にいました。

 なんかデジャヴを感じています。

 こういうの前も経験したような……


「よくやった」


 気がつくとそこに羽を生やした天使のような幼女がいました。でもよく見るとその体はどろどろに溶けてます。どろどろの幼女です。なんか見たことのある特徴的な幼女が、光の無いレイプ目でこちらを見つめています。


「……アワシマ様?」

「うん、アワシマだ」


 アワシマ様ーーー!!!

 やっと会えましたね!!!!

 ずっと会いたかったですーーー!!!!


 そうしてアワシマ様のところに勢いに任せて抱きつきに行ったんですが、何故かその手は空をきり、私は地面に突っ伏しました。


「へぶっ」

「残念だが、ただの映像だ」


 な、なんで……セクハラ禁止なんですか? そうですか?

 アワシマ様が生気のないレイプ目で地面に転がっている私を見つめてました。うぅ、養豚所の豚を見るような目です。「可哀想だけど明日出荷されるのね」とか思ってそうです。

 まぁ、アワシマ様はデフォでそんな目なので見分けつきませんが。


「なんかテンションすごいな」

「そりゃそうですよ! ユーくんが助かってめちゃくちゃ嬉しいんですもん!」

「そうか。良かった」

「アワシマ様のおかげです!!」

「おまえがやったんだが」

「それでも、アワシマ様のおかげです!!!」


 私は神に感謝し、頭を下げます。そうです。この身体はアワシマ様が下さった幼女の身体。この身体だからこそ、神気を発することが出来てユーくんを助けられたんです。

 チートはあげないとか言ってたのに、こんな素晴らしい力がこの身体に眠っているとは。全く、ツンデレなんですかねこの幼女神様は。

 すると、アワシマ様の姿がどんどん薄くなっていきました。


「短いが、そろそろ時間だ」

「え!? 早くないですか!? 聞きたいこととか色々あったんですけど!!」

「わたしも色々と都合がある」

「そうなんですか? この世界のこともっと聞きたかったんですが」

「長くなりそうだから無理」


 にべもなくアワシマ様は言いました。うぅ、冷たい幼女です。


「どうしても長話がしたいなら、【失われた神都(しんと)】へ行け。そこで祈りを捧げろ。それでまた会える」

「失われた神都……?」

「今回はちょっと褒めにきただけ。たまたま繋がったから」

「そうなんですか!! ありがとうございます!!!」


 よく分かんないですけどなんか褒められました! ……ん? 何を褒められたの私?


「……わたしの名はアワシマ。イザナミの産んだ2番目の子、アワシマ。また会える日を待っている……」

「アワシマ様!? 最後に意味深に何か言って消えないでください!! アワシマ様ーーー!!!」


 そうして、アワシマ様は消えていきました。イザナミの産んだ2番目の子、アワシマ……とは……?




 そして私は目を覚ましました。いつもの天井、いつものベッドです。どうやらユナさんが気を失った私を運んでくれたようです。

 イザナミの子、アワシマ……? イザナミとくれば、イザナギ……?


 あ、そうだ!! 思い出しました!!!

 それは日本の『国生み神話』です!!! それってイザナギとイザナミが国を産み出した神話じゃないですか!!!

 古事記に書いてあるやつです!!!!

 なんで忘れていたんでしょう!!!!!


 えーと、うろ覚えで思い出しますと……

 イザナギとイザナミという偉い夫婦の神様がなんか天から降りてきて、アメノヌボコという矛で何かをかき回したら島が出来て、そこからえっちなことをしたらたくさん神様が産まれたし日本列島も産まれましたって感じの話です。

 多分そんな感じです!!!


 詳細は日本最古の書物、古事記を読んでください!!

 私、うろ覚えなので!!! まともな神学者じゃなくて、素人のオタクが趣味でたまたま古事記を読んだだけなので!!!!

 ニンジャを殺す小説の『古事記にもそう書かれている』という名言に騙されて読みました!!!


 そして国生み神話には、神様が産まれた時、最初の子と二番目の子は失敗作で未熟なまま産まれてきたから海に流したという……何気に酷いエピソードが挟まれます。酷いなぁと思ったので、なんとなく記憶に残ってました。

 たしか一人目の子はヒルコ、そして二人目の子は……『アワシマ』。


 つまり……

 そうか、そういうことだったんですね!!!


 ……うん? どういうことなんですかね?

 はい、頭よわよわの私はまだよく事情が分かってません!!!


「チーちゃんっ!!」


 元気な声が聞こえてきました。突然、飛びかかってくる影。私は勢いよく抱きつかれ、そのまま抗えずに押し倒されました。


「チーちゃん! チーちゃん!! 無事で良かったよーー!!」

「えええええ!? 逆じゃないですか!? 普通ここはユーくんを心配する私のターンじゃないですか!? 死にかけてたのどっちだと思ってるんですか!?」


 押し倒してきたのは、ユーくんことユージア・フレットちゃん(10)でした。見た感じ全く傷跡が無いです。魔瘴で黒ずんでいた肌も元通りピッカピカのぴゅあっぴゅあのもちもち肌です。変な方向に折れていた腕も普通に動いてます。

 なにこの回復力? 死にかけたとは思えないんですけど。ユナさんか? ユナさんが何かしたんですか?

 そして私は幼女のすごい力に押し倒されてます。ユーくん、スキンシップ激しすぎます。ご褒美ですけどちょっと苦しいです。


「ユーくんは大丈夫なんですか?」

「うん! 元気だよ!! めちゃくちゃ元気!!!」

「良かったぁ……」

「それよりチーちゃんだよ! あれからずっと眠ってたんだからね!!」

「え、そんなに眠ってたんですか私……?」


 全然実感が無いです。アワシマ様と邂逅デートする夢もすぐ終わっちゃいましたし。ユーくんにこんなに心配させるなんて……

 あれほどの力を絞り出した後です。あのときはユーくんを救うために、全ての力を出し切りました。これが限界を越えた力の反動でしょうか……?

 一体どれだけ寝てたんでしょう、私……?


「もう3時間も寝てたんだよ!! ボク心配で心配で……ッ!!」

「そうですか……3時間も……そんなにも長い間……

 ……いや、普通ですね!? むしろただの昼寝レベルですね!? もっと数日間寝込んでるのかと思いましたよ!!!」


【悲報】全ての力を使い果たしたチーちゃん、たった3時間しか寝てませんでした。いや、【朗報】ですよね。なにが『クッ、これが限界を越えた力の反動か……ッ』ですか! めちゃくちゃ力の反動浅いじゃないですか!!


「だって、これ以上寝ちゃったら……そろそろ晩御飯の時間だったし……」

「そっちの心配ですか!?」


 そっかー。晩御飯の時間だったかー。たしかに晩御飯は大切ですよねー。


 そのとき、なんか私の身体をポワポワした光が包みました。突然の出来事にギョっとします。


「え? なんか勝手に光り始めたんですけど? これも【神気しんき】ですか? 私の意志じゃなくて、勝手に出てるんですか?」

「すごい! チーちゃん!! これはレベルアップの光だよ!!!」

「え、レベルアップの光……?」


≪レベルアップおめでとうございます≫

≪レベル2になりました≫


 な、なんか頭の中で女の人の声が響きました? 幻聴ですか?


「なんか声がしたんですけど……レベル2になったとかなんとか……」

「チーちゃんレベルアップしたんだよ! おめでとう!!」

「あ、ありがとうございます……?」


 ユーくんは知ってる現象のようで、当たり前のように話しています。

 いやいやいや、ゲームじゃあるまいし、こんなことあります?

 しかし、さっきの声……女性の声でしたけど、どこか聞き覚えがあるような……

 いや、知り合いの声とかじゃなくて、もっと一般的な……


 うーん……このちょっと色っぽい感じのお姉さんみたいな声……ううん、私の聞き間違いじゃなければ……


 ボイスロイド『東北イ〇コ』お姉様になんか似てませんか!?!?


 レベルアップのシステムメッセージ、イ〇コお姉さまなんですか!?!!

 どういうことですか、アワシマ様!? 

 この世界を創造った神様はボイロ厨なんですか!?!?


 はぁ……はぁ……ちょっと知ってる声が出てきて興奮してしまいました。

 私はボイロでは月読〇イが好きです。ガチロリです。


「ユーくーん、チーちゃーん、ごはんよー」

「あ、はーい!」


 リビングからユナさんの声です。あんなことがあったのに、普通の雰囲気で晩御飯が始まりそうです。

 まぁ色々と疑問はありますけど、みんな生きてて良かったということでヨシ!としますか。

 現場猫チーちゃんでした。

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― 新着の感想 ―
やだよ別のメッセージボイスの語尾が「のだ」だったりしたら。
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