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禁断師弟でブレイクスルー~勇者の息子が魔王の弟子で何が悪い~  作者: アニッキーブラッザー
第六章

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第二百五十三話 全て親が悪い

 密輸だとか偽造の身分証明なんて、これまで世間知らずと言われた俺でもそれが「いけないこと」だっていうのは分かる。

 そんなものに関わっちまったら、俺は明らかに犯罪者ということになる。


――坊ちゃま……坊ちゃまがこのようなことになったのは、全てが私の責任。申し訳ございません、旦那様、奥様……この償いは……


 サディスが泣く。



――あら~、アースはハンターさんになったのですね? 素性を偽装? よく分かりませんが、これだけは分かります。アースはアースです!


――流石はハニー。大物賞金首を仕留めるなんて、今夜はお祝いよ! 偽造の身分? 私たちだって素性を欺くことはよくするのよ? その程度、関係ないわ!



 クロンと……シノブは……気にしない? なんか、それがどうした? みたいな反応になりそうな光景が想像できるな。

 でも……


――アース! き、貴様という奴は、我――――


 まっ、フィアンセイは俺が何をやっても昔から騒ぐし、立場上は仕方ないだろうからいいや。

 いや、それは全て俺を想っての行動と発言なのだと最近になって知ったが……まぁ、置いておこう。

 とにかく、これ以上パリピと関わるとドンドン俺が悪の道へと誘われちまう。

 

「そんなもんはいら―――」

『待て、童!』

「ッ……え?」

『……それについては……ちょっと待て……』


 俺がパリピに受け取り拒否をしようとしたら、それをトレイナが急に止めてきた。

 なんだ?


『……現金は確かに……童の成長の妨げになるが……身分証か……』

「?」

『……なるほどな……ふむ……むぅ……うむ……』


 いやいや、なんだ? トレイナは一体何を迷ってるんだ?

 偽造の証明書なんて、バレた瞬間に捕まっちまうだろうが。


『ひはははははは、まぁ、そんなに時間はかからないと思うけど……でも、今はあんまり急がない方がいいかもだしね~』

「ん? あ、ん? んだよ……」


 で、こっちの状況知らずに向こうは向こうで勝手に話すし、ちょっとは落ち着かせろっつーの!


『なんかさ~、今はベンリナーフの野郎と、ノジャちゃんがさ~、シソノータミに行ってるみたいでさ~』

「ぬっ!?」

『君としてもあんまり会いたくないよね~? まっ、ベンリナーフはね~……オレもあのニコニコくんは苦手なんだけどね』


 そういえば、こいつって確かかつての戦争でリヴァルの親父さんとフーの親父さんに敗れて死んだってことになってたんだったな。


『それに~、ノジャちゃんのことはオレもおすすめはしないしね~……いや、君がそういう女の子で大人の階段上りたいっていうなら、部下のオレは何も言わないけどね♪』


 つか、腐ってはいても、情報は早いんだな。

 俺が船の上で知った情報を、こいつは当然のように知ってやがった。

 しかし、こいつ……



「……おい……ノジャってのは、ヤミディレと同じでテメエの元仲間なんだろ? なのにテメエは自分が生きてることも内緒にしてるのか?」


『おろ? おろろろろろ?』


「……んだよ……」


『いやいや、ブーメラン? ボスがそれを言う? お姫様を始め、七勇者の子たちを泣かして家出してる君がさ~』


「っ、べ、別に俺は……」


『それとももう仲直りしちゃった~? それはつまらないな~、つまんないつまんない~』


「……魔水晶捨てるぞ?」


『いやん、ボス~、つれないな~♡』



 ほんのちょっとした興味本位だった。

 俺の目的地に、こいつのかつての仲間が居るっていうのに、こいつは特に会うことはしないのかと。

 ましてや、こいつはヤミディレやトレイナですら死んだと思っていた奴なんだ。

 かつて共に戦った仲間との再会……って思ったけど、こいつはそんなガラじゃねえか。

 むしろ、同じ仲間からも、「死んでればよかったのに」とか思われそうなやつだしな。事実、ヤミディレはこいつに対してそうだった。



『ひははははは、まぁ、ノジャちゃんには気を付けな……って、オレよりも懇切丁寧にアドバイスしてくれる人がボスには居るからいいだろうけども……』


「ぬっ……」


『ほら、ノジャはヒイロを気に入ってたからねぇ~、その分、ヒイロがマアムと結婚するのは反対だったから、その息子である君には歪んだ想いをぶつけちゃうかもよ~?』


「え……? 親父に?」



 それは初耳だった。六覇の一人が……親父を……? トレイナ?


『ノジャが……ヒイロに歪んだ性癖をもって自分のモノにしようとしていたのは知っているが……結婚反対までとはな……それは知らなかった』


 あら? トレイナが顔を逸らして俺には言いにくそうな……マジか?

 すると、魔水晶の向こうのパリピからも愉快そうな笑いが。


『いや~、十数年前まではそれこそ百年間ぐらいはノジャちゃんの好みは人間の三十代……逞しくて特に髭があってダンディな男……そういうのを首輪つけて全裸にして犬のようにして、みっともない姿で心を壊して喘ぐまで調教するのが好みとか言ってたのに、ヒイロの所為か、未成熟な少年と青年の狭間で揺れる十五ぐらいの若者を涎垂らすほど好きになったとかって、性癖チェンジしちゃってさ~……まっ、好みはヒイロであることは変わらないんだろうけど~、性癖はね~、それこそヒイロの息子であるボスなんて、あの変態くそロリババアのド本命に~?』


 俺は、六覇の一人である幼女闘将は教科書で名前を聞いたことがあるぐらいで詳しくは知らない。

 それこそ今日初めてどういう奴かを聞いた。

 しかし、まさかそんな……



「やっぱ、まともな六覇がいねえ……」


『いや、だから七勇者も似たようなものと余は……』



 ドン引きするぐらい鳥肌が立って引いちまうような、六覇の性癖。

 なんか、トレイナに対する歪んだ崇拝心はあったものの、何だかんだでクロンとか、アマエとかには情を持っていたヤミディレがまともに見えてきたんだ。

 とはいえ、トレイナも自分のかつての部下を文句言われるのはあまりいい気分ではないだろう。

 そこで俺は全ての責任を……



「全て、あのクソ親父が悪い」



 と、俺はまとめることにした。



『ひはははははは、なになに~? まっ、ヒイロが全ての原因だってのはオレも納得かもだけど~、それを実の息子の口から聞けるってのは、元六覇として感慨深いな~……それとも……君に悪い影響を与えた『誰かさん』に、そんな洗脳でも受けちゃったかな~? ひははははは』


『ほわ!? な、なんだと、パリピめ! おい、童! 今すぐこの愚か者に言ってやるのだ! 余は童の成長を手助けしても、決して洗脳などということはしとらんと! 童の反抗期は思春期の歪みで元来から備わっていたものであり、余と童は深い信頼関係で結ばれているのだと!』



 パリピのちょっとした挑発めいた言葉にまんまと乗ったトレイナが俺の傍らでギャーギャー騒ぐが、パリピは答え知ってるけど、それをこいつに言っちゃったら全部認めちゃうことになるだろうが……だから、言えないんじゃないか? 

 それに、トレイナと深い信頼関係で結ばれているとか、何も間違ってないけど、それをパリピに正面から言うのは……ちょっとハズかしい……こいつ、絶対におちょくってくるだろうし……



『ひはははは、まっ、そういうことでノジャちゃんと会わないように、あの二人が退散してから遺跡調査することだねぇ』


「ったく、わーったよ。でも……なんか、話聞いてると随分とその六覇はヤバそうだけど、戦争終わったとはいえ大丈夫か?」


『あ~、それは大丈夫。変態モードに入ってないと、ノジャちゃんはちゃんとした将だから。たとえ七勇者が宿敵だったとしても、ヒイロ、マアムが絡まなければちゃんとしてるから。昔は、七勇者のエスピとは犬猿の仲だったみたいなのに、今では仲良くなったって噂を聞いてるしね。まぁ、エスピ自体がどこに居るのかがオレも知らないんだけどね』



 とにかく、やっぱり無理してそのノジャとかが調査している時に遺跡に行くことはないというか、行かない方がいいというのが分かった。

 とりあえず、俺たちはパリピから貰えるものを貰えるまでの数日は少なくとも、この漁港で働きながらノンビリすることを改めて決めた。


また曜日感覚を失った土日を迎えましたが、皆さん、無理な外出は控えてこの小説でも読み返してください。読み終えた頃にはまた新しい話が更新されてるかもです。


本屋に行きにくい時期ですが、本の買い占めは大歓迎だと色んな所では認められてますので、これを機に色々な本を読んでください。ワシの本もそれに紛れさせて買ってよいのよ?


とにかくワシのやることは変わりませんので頑張ります。引き続き、応援は書籍をほら、買う的なだったり、下の★型ドリルをケツにぶち込むなりでお願いします。最近ワシも外に出れず、それしか生きがいを感じぬのです……

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【新作・俺は凌辱系えろげー最低最悪魔将】
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