【降り始めから降り積もり始めるまで】/【温度は奪われ覆われていく】
少し前のものです。
2019年 01月27日 冬のタグから二つ
#雪という文字を使わずにを雪が降るを文学的に表現してみろ
【降り始めから降り積もり始めるまで】
コンクリートに落ちた瞬間、滲んで鼠色の跡を残すのが好きだった。
あちこち点々と足跡みたいに。
水が染み入り、たくさん滲んで次第に飽和する。白く降り積もる。
私の湿度で曇る窓を擦りながら、かじかむ爪先を踏み、じっと眺めていた。
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幼い私は一人でずっと眺めていたようです。
目に映る映像的をそのまま書いた感じでした。
#雪冷白冬凍降空積をつかわずに雪が降るを表現する
【温度は奪われ覆われていく】
それは天から私の手の甲に落ち、すぐに滲んだ。
溶けて雫となり滑り落ちる。
それらはぺとりと落ちては滲み、落ちては滲みして、次第に夏に食べたかき氷みたいに街中のそこここで重なりはじめる。
透けたグレーの埃のような色をして。
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体に触れた雪はすぐに溶けて流れていくよね。
執筆中小説にいつまでも残っていた二つでした。




