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【祝!300万PV】転生した底辺OLが、雑用スキルで異世界を無双する話  作者: 楊楊
第二章 学生編

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42 エピローグ

 ~レベッカ視点~


 私は執務室で、報告書を読んでいる。一言で言えば大失態だ!!

 ケンドウェル伯爵領での一連の事件だが、首謀者はワルスであった。アクツール商会は資金援助を条件にワルスに従っていたに過ぎず、実行部隊は傭兵団を囲い込み、足らずはそこら辺のゴロツキや一般の商会員で賄っていたようだ。

 そして、そのワルスには獄中で服毒自殺を図られてしまった。ワルスの最後の言葉が気になる。


「獣人や亜人を保護する者には死を」


 過激な思想だ。今回の事件はワルス一人が絵を描いていたとは到底思えない。ワルスの背後には何らかの組織がついていることは、素人でも分かるだろう。それを吐かせるのが、司法省の仕事だろうに・・・


 そんなことを思いながら、報告書を再度読み返していると、不自然にニヤついた男が執務室に入って来た。


「旦那様がお呼びですぜ。すぐに準備を」


「分かっている。この件だろう?」


 男が用意した馬車に乗り込み、実家に向かう。因みにこのふざけた男は、父上直属の諜報部隊員だ。ふざけた男だが、能力は高い。

 屋敷に着くと、ジョージ兄上とギールス商会の会長でもあるギールス子爵が到着していた。すぐに会議が始まる。


「皆に集まってもらったのは、他でもない。ケンドウェル伯爵領の関係だ。ワルスの背後には証拠はないが、諜報機関がついていたことは間違いはない。それで今後の対策だが・・・・」


 ジョージ兄上が言う。


「つまり、この中央にも、まだ内通者がいるということですね。それは厄介なことだ・・・」


 私も疑問に思っていたことを言う。


「しかし、なぜここまで国を裏切るような輩が出るのでしょうか?普通に考えて、小銭をもらったところで割に合わないと思うのですが・・・」


 ギールス子爵が推論を述べる。当たらずとも遠からずといったところだった。


「商人であればそうでしょうが、これが信仰となると理屈ではいきませんからね」


「全く困ったものだ。教会をすべて焼き討ちにするわけにもいかんしな。とりあえず、そっちの線で探るようにする。

 話は変わるが、クララ嬢の件なのだが・・・・」



 父上が悩むのも無理はない。

 彼女を今後どうするかというのは頭の痛い問題だ。彼女も来年には進路を決めなくてはならない。本音を言えば、我が冒険者ギルドに無理やりにでも、引き抜いてやりたいくらいだがな。


「色々思うところはあるだろうが、ここは私心を捨てて、国益を最優先に提案をしてもらいたい」


 兄上が言う。


「騎士団、特に参謀本部が興味を示していますね。それと大きな声では言えませんが母上が強引に宮廷魔導士団への引き抜きを画策しているとか・・・」


「それはならんぞ!!クララ嬢の才能をキャサリンの趣味に浪費させるのは許せん。宮廷魔導士団はなしだ」


「父上は、母上を説得できるのですか?流石に俺は嫌ですよ」


「それはその・・・ビシッと言ってやる・・・」


 流石の父上でも無理だろう。


 ギールス会長も提案をする。


「商業ギルドやギールス商会に欲しいというのが本音ですが、ここは文官をさせてみてはどうでしょうか?立ち所に不正や内通者を暴くかもしれませんよ」


「いい案ではあるが、クララ嬢を危険に晒すことになる。文官にするのなら、周囲を警護できる者で固めなければならんな」


「そうですな。ウチのミリアもそれに合わせて、進路を決めさようと思います。ただ、護衛としてはミリアだけでは不安ですが・・・」


 これに兄上が意見を出す。


「ゴンザレスは無理だぞ。「クララ嬢をしっかり守れ」とか指示を出したら、楯を持って出勤するかもしれん。それにそもそも文官仕事はできんだろう?」


 それはそうだ。ゴンザレスは素直でいい子なのだがな・・・


 父上が思い出したように質問をする。


「ところで、ゴンザレスとクララ嬢はどうなのだ?脈はないのか?」


 不自然にニヤついた男が答える。


「嫌ってはいないと思いますがね。ただ、ロータス王国出身のネスカという奴のほうが、一歩リードでしょうね。クララ嬢も何かにつけて頼りにしているようですしね」


 これは問題だな・・・


「ところで、ネスカの調査はしっかりしているんだろうな?ギルマスとして、それなりに接することは多いが、不自然に優秀すぎる。それでいて、出しゃばるところもないしな。お前たち諜報員は仕事をしているのか?他国にクララ嬢をかっ攫われたら、目も当てられんぞ」


「これでもちゃんと仕事はしてますぜ。ただ、これだけ調べて何も出てこないところが、逆に怪しい気もしますがね。まあ、今のところ目的は分かりませんが、こちらの利害と一致しているのでしょうね。引き続き監視はしますが」


「そうしてくれ。何なら、ロイター王国に派遣して情報を取ってもいいかもしれん・・・」


 流石に父上に対する越権行為だと思い、言葉を濁した。


「その意見は考えておこう。話が逸れてしまったが、結論は出んな・・・」


 兄上が言う。


「まだ、もう1年ありますからね。それまでに決めればよろしいかと。それと職場研修ですが、逆に広く浅く経験をさせるのもいいかもしれませんね。関係機関に不公平にならないような配慮にもなるし、偶々不正を見付けてくれるかもしれませんしね」


「そうだな。それでいくか・・・・それなら文句も出まい。ではこれにて閉会としよう。各自、情報収集には力を入れてくれ」


 会議はそれで終わった。

 この決定で、クララ嬢に研修依頼が殺到することになることになってしまったのだが、彼女なら大丈夫だろう。


気が向きましたら、ブックマークと高評価をお願い致します!!


今章も、レベッカさんたちの話合いで終了しています。実はこの話合いにフラグや伏線があるかもしれませんね。

次回から第三章となります。新展開となりますので、お楽しみください。

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― 新着の感想 ―
 今回の会談をクララが知ったら、たぶんこう言うだろう。 「私を殺す気かっ!?」(笑)
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