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【祝!300万PV】転生した底辺OLが、雑用スキルで異世界を無双する話  作者: 楊楊
第二章 学生編

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18 学園生活

 初日はカリキュラムの説明と簡単な自己紹介で終わった。

 すぐに下校となったのだが、ミリアに昼食に誘われ、ベル商会が経営する食堂に入った。安くて量が多く、おまけに美味しい自慢の店だ。私が前世の知識で持ち込んだメニューもいくつかある。私はオムライス、ミリアはラーメンセットを注文していた。


「美味しいけど、会食には使えないわね・・・それは置いておいて、今後の方針を話し合いましょう」


「今後の方針って?」


「だ・か・ら!!誰に取り入って、どんなポジションをキープするかって話よ」


「そんなことは、全く考えてなかったな・・・王子様に取り入れば?」


「アンタねえ・・・」


 ミリアには呆れられた。


「私たちくらいの下級貴族が近づこうものなら、集中砲火を受けるわよ。多分、学園にいられなくなるかもね・・・」


「そうなんだ・・・だったらゴンザレスとかはどう?前から知り合いだし」


「キープはしておきたい人材だけど・・・」


 ミリアが言うには、ギールス子爵家もドナルド侯爵家とはいい関係が築けていて、ここでゴンザレスと仲良くなったところで、ミリアのギールス子爵家での評価は、あまり上がらないらしい。


「だからね。ダミアン王子の結婚相手となる方に取り入るのよ。最有力はエスカトーレ様よ。次点は・・・」


 ああ、あの金髪縦ロールのお嬢様か・・・


「というか、クララは何を考えて、学園に通っているわけ?ご両親から何か指示を受けているでしょ?」


「学園生活を楽しめと言われてるわ。他には・・・2年生の肉屋のマールズさんと薬問屋のフレミングさんとは仲良くしなさいって言われてるけど・・・」


「はあ・・・クララもクララなら、親も親ね・・・お祖父様も心配するわけだ・・・」


「どういうこと?」


「まあこっちの話だから気にしないで。ところでこの後は?」


 この後、私は冒険者ギルドでアルバイトの予定だった。

 学校は週休2日なので、休日はベル商会の手伝い、冒険者ギルドは放課後に少しの時間、アルバイトすることになっていたのだ。


「冒険者ギルドか・・・冒険者ギルドと商業ギルドの人事交流の件で私も調査したいから、一緒に行くわ」


 冒険者ギルドと商業ギルドは何かとトラブルが絶えず、そのため、お互いに損失が出ることも多々ある。それを改善するためにミリアが、私が思いつきで言ったアイデアを形にしようとしているのだった。


 ミリアと二人で冒険者ギルドを訪ねると、弟のロキに声を掛けられた。

 弟のロキは、「武具職人」のジョブを生かして、簡単な武器防具の修繕、新商品の販売を行っているのだ。


「お姉様も今日は仕事?じゃあ、帰りは一緒に帰ろうよ。それと初心者セットの売れ行きが好調だよ。初心者よりもベテランの冒険者が買っていくんだ」


 初心者セットというのは、駆出し冒険者用に必要な消耗品を詰め合わせてセット販売しているのだ。中身だが、ポーション、解毒ポーション、魔力回復ポーションのポーション3点セットに携帯食と缶詰、ロキお手製の万能ナイフが入っている。


「一度セットを買った冒険者は、リピーターになってくれて、携帯食や缶詰をよく買ってくれる。万能ナイフは壊れないから、一度買ったら終わりだけどね」


「いいじゃない。冒険者の生存率をアップさせれば、補助金が出るみたいだから、この調子でいけばいいわね」


 そんな話をロキとしていると、ミリアが堪りかねて、会話に入って来た。


「こちらが自慢の弟さんね。早く紹介してよ!!今の話を聞いただけでも、将来有望ってことが分かるじゃないの!!最悪、ロキ君に取り入るのもありかもね」


「ちょっと、かわいいロキは渡さないわよ」


「お姉様、何の話?」


 その後ミリアは、冒険者ギルドに来た目的も忘れ、ロキと話込んでいた。私はというと、事務室に向かい、自分の仕事をこなす。仕事を片付けて戻っても、まだ話込んでいた。


「あっクララ、ビジネスチャンスを感じたからとりあえず、今日は帰るね。また明日!!」


 ロキに聞いたところ、ミリアは万能ナイフと缶詰に食いついたらしい。「騎士団に売れる」とか言っていたみたいだ。


 ロキと一緒に帰宅し、家族で夕飯を囲む。学校での出来事を話した。


「そうか・・・クララには苦労を掛けるね。私もムーサも学園生活を楽しんで貰いたいだけなんだけどな」


「ミリアが言うには、私が失敗して王族や高位貴族に目を付けられると、ベル商会にも迷惑が掛かるってさ」


「そんな権力を笠に着て、自分の思い通りにさせようと思っている奴なんて、無理に相手する必要はないよ。潰せるもんなら潰してみろってんだい!!」


 お母様が威勢のいいことを言い始めた。

 嬉しいことを言ってくれるが、しばらくは我慢してみるよ。


 ★★★


 次の日は早めに登校した。

 すでにミリアは登校していた。ミリアの指導で、教室の清掃をしたり、教官に本日の予定や配布物を確認し、必要があれば機材などの準備もする。


 まるで新入社員のようだ。

 どちらも給料は発生しないけどね。それにこれが3年間続くと思うと憂鬱だ。


 ミリアが言う。


「色々と検討したんだけど、やっぱりエスカトーレ様の下に付くのがいいと思うのよ。だから、しばらくは私に任せて」


 これには同意したが、あまりいい予感はしない。

 問題を起こして、退学する勇気もないし、しばらくは様子を見よう。

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