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最終話「そして、続いていく物語」

 今日は城下にお忍びでやってきたレティ。


 護衛は連れてきていない。


 お忍びなのだから。


 普段ひと時もそばを離れない彼らをなんとか振り切ってやってきた城下。


 どうしても城下の日常の光景をこの目で見たかったのだ。賑わう町並みを見渡せばそこには多くの商品を売り買いする人間と――亜人種がみられた。


 レティが亜人種に誘拐された事件から10年たった。


 あのあとレティは家族に、城の皆に亜人種との共存を呼びかけた。


 はじめは人間と亜人種お互いに恐る恐る歩みだし、些末なことで揉めに揉めたこともあったが、それでもつないだ手を放すことなく相手を受け入れはじめたのだ。カルバントは亜人種との共存を受けいれた国として世界中に名をとどろかせ他国からもその情勢を確認しようと多くの人が訪れている。


 亜人種への差別が完全になくなったわけではない。けれど亜人種をよき隣人として受け入れている人も多くいる。亜人種を雇用することで力仕事は大いに捗ると喜んでいる人もいる。モフモフが可愛いといってモフモフを見守り隊(女性隊員限定)が発足したり、ごく少数ではあるが亜人種と人間のカップルもちらほら見られる。


 街中には亜人種と人間の間を取り持った偉大なる女性としてレティツィア姫の銅像が建てられている。本人はまだ健在で生きているというのに多くの亜人種や人間がその銅像に向かって毎日平和を祈っているらしい。 



 ああ、平和だ。


 どうかこの平和がいつまでも続きますように。


 どこまでも続く青空を見上げていた。

 





「レティ!」


 唐突に腕をつかまれ後ろを振り返れば怒った顔をした彼がいた。


 置いていったことを拗ねているんだろう。



「ごめんなさい」


 笑いながら謝る私に彼は黙ったまま手をつないできた。


 そんな彼にまた口元が緩くなるレティ。







 仲睦まじい2人の姿を澄んだ青空を照らす太陽の光が温かく包み込んでいた。







 完。




















 といいつつ、続くかも?

 

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