第97話 アマクニツ皇国へ、そしてステータス確認(3)
気が付いたらいつもの倍近い文字数に……というか三分の一はステータスですが。
アマクニツ皇国。
大陸北東部にある小国。俺の生まれた国であるラングスター王国同様、瘴気の森と隣接した国として、また高い身体能力を持つ鬼人族が建国した国という事もあり、幾度となく魔物の襲撃を跳ね返してきた実績のある、まさに武の国だ。
そんな鬼人族の国アマクニツ皇国だが、刀を始め独特な文化を多く持った国としても知られている。
その最たるものが建築物だろうか。
アマクニツ皇国は、三百年ほど前まで鎖国を行っていたということもあり、建築技術も独特に発展したものが多いらしい。噂で聞く範囲だが、木造の家が多く、城すら木造ということらしい。城なのに木造って……ちょっと、というか全く想像できない。
そんな国だからこそ、刀という独特な武器が発達したんだろう。
さて、そんなアマクニツ皇国は、迷宮都市ノヴァリスの丁度真北にあるのだが、実はここノヴァリスから直接向かう街道が存在しない。
まあ、当たり前と言えば当たり前なんだが。
まず、ノヴァリスの北には竜の領域が存在し、その領域の北部には、竜の棲まう山脈が聳えたち、人では立ち入ることすら難しい地となっていた。
さらに言えば、竜の山脈をたとえ越えたとしてもその先、廃都ラングスターを挟みその向こうにエルデス山脈という標高一万メートルを超える巨大山脈が聳え立ち、人では越えることができない自然の障壁となっている。
そのためノヴァリスからアマクニツ皇国に向かうには、一度王都ウインザーまで戻り、そこからバルダン聖王国に向かう街道を北上していくというルートしか存在しなかった。
ということで、俺たちは一度王都ウインザーまで転移して、そこから馬車で北上する事になったのだ。
新型馬車を引くのはアルス。この一ヶ月、俺たちのと一緒に『龍神迷宮』に挑んでいただけのことはあって、かなりレベルアップし馬車を引く速度もとんでもない事になっている。もしこれが改造前の馬車だったら、おそらくその衝撃に耐えきれずすぐに壊れていただろう。少なくとも乗っている俺たちは、間違いなく乗り物酔いしていたと思う。
ちなみに今のアルスのステータスがこれだ。
【名前】アルス 【年齢】1歳
【種族】キャリッジホース 【職種】召喚獣 (所有:ウェンディ)
【レベル】67(C-)
【HP】4120/4120
【MP】3967/3957
【筋力】1089 (B)
【耐久】1085 (B)
【俊敏】1092 (B)
【器用】270 (E)
【知力】273 (E)
【魔力】1088 (B)
【幸運】541 (D)
【加護】創造神の加護(下位)
スキル一覧
【上位スキル】
風壁 レベル 5(UP)
【通常スキル】
:風装衣 レベル 5(UP)
風魔法 レベル 2(NEW)
筋力強化 レベル 4(UP)
瞬発力強化 レベル 3(NEW)
縮地 レベル 2(NEW)
鉄壁 レベル 2(NEW)
危機感知 レベル 4(UP)
牽引 レベル 4(UP)
前回のルルの時同様今回は、アルスの純粋なステータスだけを表示してみた。
まずレベルだが、なんと67まで上がっている。C-ランクの素質ランクから考えると、正直異常なレベルの高さなんだが、そこは【創造神の加護】の"経験値共有"のおかげとしか言いようがない。
実際最近のアルスは、ほぼニーナの戦闘時の足として動いており、ほとんど自ら戦闘に参加する事がない。そのため本来であれば、取得経験値はどうしても少なくなるはずなのだが、そこは"経験値共有"の恩恵で他のメンバー同様に経験値がもらえて、レベルアップできていたというわけだ。
でだ、そのおかけで1000を超えるステータス値も出てきたわけで、馬車馬とは思えない速度で移動できるようになったということだ。
次にスキルだが、全体的にレベルアップした上に四つも新たにスキルを覚えた。
元々風を操る能力を持っていた為か、新たに【風魔法】を取得、さらに魔物の攻撃を躱す事が多かったためか【瞬発力強化】と【縮地】を覚えたようだ。【鉄壁】に関しては何故覚えたかはよく分からないが、持っていて損をする事もないだろう。
こうやってみると、街道沿いに出る程度の魔物ならアルスで充分返り討ちできそうだな。
ちなみにアルスは馬車馬としては異常に頭がいいので、御者を全く必要としない。だからと言って御者台に誰もいないと、馬車の異常な速度と相まって周りから暴走馬車と勘違いされそうなので、一応、【死霊魔法】で出来るだけ見た目綺麗な女性型グールを生み出し御者台に座らせてある。
その所為か、途中何度か盗賊に狙われたが、そういう時は急ぐ旅でもないので、敢えて馬車の速度を落とし、盗賊にワザと襲われたうえで撃退。さらにアジトの場所を吐かせ襲撃し、溜め込んでいたお宝を回収。最後は捕まえた盗賊を王都ウインザーまで転移で運び衛兵に突き出すという流れを繰り返すことになった。おかげで盗賊のお宝と討伐報酬及び懸賞金で、そこそこの収入になった。
盗賊の掃除も出来て一石二鳥、なかなか有意義な旅となったものだ。
王都ウインザーを出てアルスに引かれる事も三日。通常の馬車なら十日はかかるであろう場所にある、バルダン聖王国の国境の街、ラシオが左手に見えてくる。
と言ってもラシオには寄らず、そのまま東に伸びる街道へと移り、東へと馬車を進める。
アマクニツ皇国までの道程としてはここでようやく半分といったところだ。ここからは南に巨大山脈、エルデス山脈を仰ぎ見ながら進んでいく。
この辺りは南に聳えるエルデス山脈があるため、常に日陰となっている。その所為か、今まで馬車上で日向ぼっこしていたルルが、開いた窓からするりと馬車の中に入り込んできて、そのままティアナの膝の上に上がり丸くなって寝始めた。
最近のルルはそこがお気に入りのようで、家の中でもよくティアナの膝の上で丸くなっているのを見かける。まあ俺が、刀造りばかりしてあまり構って上げていなかったからなんだが、主人としてちょっと寂しい……
そんなルルの、この一ヶ月で伸びたステータスだが……
【名前】ルル 【年齢】1歳
【種族】ダークネス・フォックスロード
【職種】召喚獣 (所有:レオンハルト)
【レベル】67(S-)
【HP】3263/3263
【MP】51073/51073
【筋力】1634 (S)
【耐久】1365 (A)
【俊敏】1911 (SS)
【器用】1091 (B)
【知力】1629 (S)
【魔力】2172 (GS)
【幸運】1083 (B)
【加護】創造神の加護(下位)
スキル一覧
【特殊スキル】
:黒雷
黒炎
影渡り
【上位スキル】
:隠密術 レベル 6(UP)
【通常スキル】
:雷装衣 レベル 6(UP)
雷魔法 レベル 6
火魔法 レベル 5(UP)
闇魔法 レベル 5
身体能力強化 レベル 5
魔力操作 レベル 4(UP)
咬みつき レベル 5(UP)
危機感知 レベル 5(UP)
気配感知 レベル 5(UP)
暗視 レベル 5
もう完全に災害指定種だな。
ステータス値の高さもそうだが、スキルのレベルも凄いことになっている。さらにMPに関しては、50レベルくらいの時の俺に匹敵する数値を叩き出している。これなら後先考えず黒雷やら黒炎やらを乱発しまくれそうだ。
多分だが、あと半月も『龍神迷宮』で鍛えれば、あのアークデーモンも単独撃破できるんじゃないだろうか。
益々、今後の成長に期待大だな。
ついでなので、みんなのこの一ヶ月の成長を見てみよう。
まずはニーナとエヴァだが……
【名前】ニーナ 【年齢】17歳
【種族】天人族 【職種】奴隷(所有:レオンハルト)
【ランク】ゴールド(UP)
【レベル】68(S-)
【HP】2644/2644
【聖気】8898/8898
【筋力】1107 (B)
【耐久】1390 (A)
【俊敏】1389 (A)
【器用】1397 (A)
【知力】2216 (GS)
【霊力】1948 (SS)
【幸運】1940 (SS)
【加護】創造神の加護(下位)
スキル一覧
【固有スキル】
:神の使徒
【上位スキル】
:神聖魔法 レベル 6(UP)
結界魔法 レベル 4(UP)
【通常スキル】
:杖術 レベル 4(UP)
風魔法 レベル 3(UP)
水魔法 レベル 4(UP)
聖気回復上昇 レベル 2(NEW)
魔力操作 レベル 5(UP)
魔力感知 レベル 2(NEW)
【名前】エヴァンジェリーナ 【年齢】82歳
【種族】ハイエルフ 【職種】奴隷(所有:レオンハルト)
【ランク】ゴールド(UP)
【レベル】68(S-)
【HP】2332/2332
【MP】9776/9776
【筋力】1384 (A)
【耐久】1107 (B)
【俊敏】1670 (S)
【器用】1951 (SS)
【知力】1942 (SS)
【魔力】1949 (SS)
【幸運】1390 (A)
【加護】創造神の加護(下位)
スキル一覧
【固有スキル】
:森の賢者
精霊支配
【上位スキル】
:精霊魔法 レベル 5(UP)
精霊視 レベル 6(UP)
並列魔法 レベル 4(UP)
魔力精密操作 レベル 5(UP)
【通常スキル】
:弓術 レベル 6(UP)
短剣術 レベル 4(UP)
照準 レベル 3(NEW)
純魔法 レベル 3(UP)
火魔法 レベル 5(UP)
風魔法 レベル 4(UP)
水魔法 レベル 4(UP)
光魔法 レベル 4(UP)
生活魔法 レベル 4(UP)
まずこの一ヶ月で二人の冒険者ランクがゴールドまで上がった。俺とパーティーを組んで、毎日のように『龍神迷宮』の魔物素材を納品していたのだから当然といえば当然だな。
レベルもルルたち同様一気に上がり、二人のレベル差も埋まり二人ともレベル68となった。これも高レベルの魔物が揃う『龍神迷宮』で、みっちり一ヶ月間戦ってばかりいたからだろう。
ちなみに『龍神迷宮』十階層までに出てくる魔物のレベルは50から65の間のようだ。初めて『龍神迷宮』に挑んだ時に俺たちが苦戦したドラグ・オークはレベル61でやや強い部類に入る。
そういうことで、一ヶ月という短期間で一気にレベルが上げられたわけだ。
まあ実際は、経験値32倍の効果も大きんだろうな。なんせ三十二ヶ月間もみっちり『龍神迷宮』で戦っていのと同じことになるわけだ。三年弱と思うと、とんでもない荒業をしてるみたいだな。
それはさておき、二人のステータス値だが、ルル同様、もうそろそろアークデーモンを単独撃破できそうな気がする。おそらく、ルル、ニーナ、エヴァの三人掛りならアークデーモンくらい確実に倒せるだろう。
それを証明するように、二人のスキルレベルも軒並み上がり、尚且つ新スキルまで自力取得している。
自力取得のスキルは、ニーナが【聖気(MP)回復上昇】と【魔力感知】、エヴァが【照準】だ。まあスキルの能力は名前の通りなんだが、それぞれ戦闘時に、よく使っていた技術が自然とスキル化したんだろう。というか、これが本来のスキル取得方法なんだしな。
まあ何はともあれ、新たに取得したスキルで、二人の戦いに厚みと安定感が出たのは間違いない。
二人とも実に頼もしくなってきたということだ。
さてと、続いてティアナだな。
【名前】ティアナ 【年齢】15歳
【種族】竜人族 【職種】奴隷(所有:レオンハルト)
【ランク】ミスリル(UP)
【レベル】69(S-)
【HP】9264/9264
【MP】6140/6140
【筋力】1998 (SS)
【耐久】2277 (GS)
【俊敏】1710 (S)
【器用】1421 (A)
【知力】1131 (B)
【魔力】1715 (S)
【幸運】1414 (A)
【加護】創造神の加護(下位)
スキル一覧
【固有スキル】
:竜鱗衣 光鱗装(NEW)
【上位スキル】
:闘神衣 レベル 5(UP)
魔装衣 レベル 4(UP)
【通常スキル】
:剣術 レベル 6(UP)
盾術 レベル 5(UP)
筋力強化 レベル 5(UP)
耐久力強化 レベル 5(UP)
剛力 レベル 5(UP)
縮地 レベル 2(NEW)
鉄壁 レベル 5(UP)
物理攻撃耐性 レベル 4(UP)
ティアナもニーナたち同様、冒険者ランクが上がった。一応ミスリルという一流と言っていいランクなんだが、正直実力的にはオリハルコンランクに入ってもトップクラスの実力はあるだろう。それはニーナたちもだけど……
ステータス的にも耐久値が2000超え、HPももうすぐ一万に届くというまさに壁役として凄まじい成長を見せている。
さらにいえば、新たに取得した【光鱗装】だが、名前は【光鱗衣】とよく似ているが効果は少し違う。
【光鱗衣】は、自身の肌に直接不可視の光の竜鱗を生み出して防御能力を強化するスキルだ。それに対し【光鱗装】は、鎧そのものに不可視の光の竜鱗を生み出して、鎧自体を強化するスキルだ。
名前、効果とよく似ているが、基本別物のスキル。そのため、この二つのスキルは同時発動が可能で、より鉄壁さが増す一助となっていた。
ちなみに【竜鱗衣】は【光鱗衣】の下位スキルに当たり、この二つは同時発動できない。その所為で、【光鱗衣】をスキル付与したレッドトリニティバンクルを装備しているティアナにとっては、現在ほぼ死にスキルになっている。まあ今更どうでもいいことだが……
あとティアナとしては【縮地】を覚えたことが大きい。今まで、魔物の急襲に壁役として一歩対応が遅れることがあったが、【縮地】を覚えてからそれが格段に減った。それどころか、カバーリングに入る際のタイミングが絶妙になり、実感できるレベルで連携が強化された。
うちのパーティーとして、もう替えのきかない存在になったといえるだろう。
そしてこれは【ロラ】からの情報だが、何やら新たな力が解放されようとしているらしい。イメージでいうと、ウイの【風精霊化】のようなものらしい。レベル65くらいから【ロラ】が言い出したので、俺としてはレベル70か75くらいで解放するのではないかと思っている。もう今から楽しみで仕方がない。
では次はウイだが……
【名前】ウェンディ 【年齢】15歳
【種族】狼人族【職種】奴隷(所有:レオンハルト)
【ランク】ミスリル
【レベル】71(S+)
【HP】5130/5130
【MP】14952/14952
【筋力】2077 (SS)
【耐久】1485 (A)
【俊敏】2096 (SS)
【器用】2080 (SS)
【知力】1777 (S)
【魔力】2380 (GS)
【幸運】1772 (S)
【加護】創造神の加護(下位)
風精霊王の加護(獣王)
スキル一覧
【特殊スキル】
:精霊姫 風之巫女 風精霊化
【上位スキル】
:精霊装 レベル 2(NEW)
二刀流 レベル 6(UP)
召喚魔法 レベル 2(UP)
精霊魔法 レベル 7(UP)
精霊視 レベル 6(UP)
【通常スキル】
:剣術 レベル 6(UP)
短剣術 レベル 6(UP)
弓術 レベル 3
危機感知 レベル 5(UP)
気配感知 レベル 5(UP)
暗視 レベル 5(UP)
隠密 レベル 5(UP)
採取 レベル 3
料理 レベル 4
やっぱりウイは別格だな。
おそらくアークデーモンを倒した時の俺に、匹敵する強さがあるんじゃないだろうか? いや、近接戦闘に関してはウイの方が間違いなく上だろう。
現状でも、接近戦に関しては【風精霊化】したウイに負け越ししている。……まあそれでも、なんでもありなら俺が一応勝てるけどな。……言っとくが、強がりじゃないぞ。
スキル関しては【精霊装】というのを新たに覚えた。
能力としては【風精霊化】前段階に近い感じか。
【風精霊化】は自身が霊体となり精霊化するのに対し、【精霊装】は【精霊魔法】で呼び出した精霊と半同化し纏って戦うスキルだ。体に対する負担や消費MPは【精霊装】の方が少なく多用しやすい。当然能力の上昇率は【風精霊化】には遠く及ばないが、その代わり同化する精霊によって能力の変化に差が出るのが特徴だ。
負担が少ないため、戦闘時ではほぼ毎回使用して力を発揮するものだから、力の突出したウイは完全に今では、うちの第二のエースとかしている。
おそらく、アダマンタイトランク冒険者と比べても遜色ない実力だろう。というか、【風精霊化】したら、あのアダマンタイトランク冒険者のワルターさんにも、確実に勝てると思うのだが……
まあそんな感じで、ウイは相当すごいことになったわけだ。
で、最後に俺のステータスだが……
【名前】レオンハルト 【年齢】15歳
【種族】人族 【職種】冒険者
【ランク】オリハルコン
【レベル】71(GS)
【HP】11705/11705
【MP】117636/117636
【筋力】2976 (GS)
【耐久】2969 (GS)
【俊敏】2971 (GS)
【器用】2965 (GS)
【知力】2979 (GS)
【魔力】2989 (GS)
【幸運】2973 (GS)
【加護】創造神の加護
スキル一覧
【究極スキル】
:神眼
神倉
神器
神賢
【特殊スキル】
:偽装者 解放者 再生者 念通者 光鱗衣
結界侵蝕 上位悪魔召喚(NEW) スキル付与術(NEW)
天駆飛翔(NEW) 雷神装(NEW) 金剛武威(NEW)
魔蔵(NEW) 近未来視(NEW) 限界突破(NEW)
無限収納(NEW) 千里眼(NEW) 状態異常無効(NEW)
武の神才 闘の神才 魔の神才 補の神才
探の神才 隠の神才 耐の神才 匠の神才
【上位スキル】
:武装術 レベル 7(UP)
闘鬼術 レベル 7(UP)
魔道術 レベル 7(UP)
探知術 レベル 6
隠密術 レベル 5(UP)
七元魔法 レベル 6(UP)
結界魔法 レベル 5(UP)
空間魔法 レベル 4(UP)
転移魔法 レベル 6(UP)
付与魔法 レベル 5
精神魔法 レベル 3(UP)
死霊魔法 レベル 4(UP)
召喚魔法 レベル 2
匠創魔法 レベル 5(UP)
七元耐性 レベル 5(UP)
混合魔法耐性 レベル 4(UP)
物理攻撃耐性 レベル 5(UP)
【通常スキル】
:生活魔法 レベル 4
採取 レベル 4
もうなんというか凄いことになってきた。
レベルはウイに追いつかれたが、基本の素質ランクに差があるため、ステータス値の差は大きい。
ステータス値を見ると軒並み3000弱、というかあと一つレベルが上がれば3000超えになるだろう。
特にMPに関しては十一万超え。最近いくら魔法を使っても減っている気がしない。それどころか、普通に攻撃魔法を使ったくらいでは、一瞬で使った分のMPが回復してしまう。それは強化系スキルも同じで、普通に使った程度では消費より回復の方が早いらしく、MP消費系のスキルでも全くMPが減らない現象を起こしている。まあ無理やり大量のMPを使い効果を高める使い方なら減るのだが、最近そこまでする相手もいないんだよな。
もう少し『龍神迷宮』の深くに行けばいるだろうが、他のメンバー(ウイ以外)が危険だからそこまではできないでいる。
ちなみに今ならあの魔人マルバも、"楽に"とはいかないが、確実に勝てる気がする。まあ実際やってみないとわからないが……それにマルバ以上の力を持った魔人も当然いるだろうし油断はできない。
そう言った点でも、もっと自身のレベルと戦闘技術を高めないとな。
それにしても特殊スキルが増えたな。普通一個でも持っていれば、相当優秀と言われるもんだが、二十五個って……自分で増やしたんだが、我ながら凄まじい数だ。でもこれからのことを考えると、やり過ぎってことはないだろう。まだ死にたくないしな。
というわけで、見ての通りこの一ヵ月で俺たちは相当力を付けれたわけだ。これなら、大概のことは問題なく対処できるだろう。
このままいけば、あと半日ほどで鬼人族の国、アマクニツ皇国に到着する。
どんな国か分からないし、何が起こるか分からないが色々変わった国みたいだし、今から楽しみだ。
こうして俺たちを乗せたアルスが引く馬車は、アマクニツ皇国に向け疾走していくのだった……




