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第83話 新型ゴーレムと新スキル

 ブックマーク&ポイントありがとう御座います。

 俺は今、自宅の地下室に居る。

 ギルドから戻った俺は、早速地下室に籠り、先ずは新型のゴーレムの作成から始める事にしたのだ。

 作業を進める俺の周りには、ウイ達女性陣が興味深げに俺の手元を覗き込んでいる。

 最初に行った行程は新型ゴーレムの素体となる人形創りだ。素材は今回奮発して真銀を使用する。

 ということで【匠創魔法】を発動し、大量の真銀を使い人型に成型して行く。

 真銀は、俺の魔力により淡い光を放ちながら、ゆっくりとその形を変えて行く。そして3分程が過ぎた頃、真銀で創られた人間大の人形が完成した。


「レオン様、いつも創られるゴーレムと形がかなり違うようですが」

「ボクもそう思う。何と言うか……」

「まるでマネキンですわね」

「そうそう、マネキン。なんかご主人様が創るゴーレムにしてはシンプルと言うかカッコよくないね」

「でもなんか可愛いですよ」


 女性陣が姦しく俺が創った真銀製の人形について意見を述べてる。

 しかし、マネキンとは言い得て妙だ。確かに俺達の目の前に立つ人形は、顔は勿論、何の凹凸も無い、ただの人型の人形といった感じでしかないのだ。まさに服飾店で見かけるマネキンそのもの。今まで創って来たゴーレムの形から比べると、良く言ってシンプル、悪く言えば手抜きと言っていい形だろう。


「今回はこれでいいんだよ。今から創るゴーレムは、ディテールに凝っても仕方ないからな」


 そう、今回創る新型のゴーレムは、どんなに拘って形づくっても全く意味が無いのだ。というか、そもそも今から創るモノをゴーレムと言っていいのか少々疑問ではあるが。

 

「じゃあ、続きを始めるぞ。集中するから静かにしていてくれ」

「「「「はい」」」」


 みんなの返事を聞き、早速次の段階に工程を進める。

 使用するのは、ギルドからの帰り道に取得しておいたスキル、【上位悪魔召喚】。召喚する悪魔はグレーターデーモン、レベル55にも届く上位悪魔だ。このグレーターデーモンを先ほど創った真銀の人形に受肉させ、新型ゴーレムを完成させる。やっている事は悪の魔道士っぽいが、別に悪さをするつもりは無いのでいいだろう。

 今回は真銀の人形に受肉させるのが目的の為、人形に直接、悪魔を召喚させる。

 【上位悪魔召喚】の発動と共に真銀の人形を中心に直径5m程の青白い光を放つ魔法陣は浮かび上がる。その魔法陣に俺は出来る限り魔力(MP)を注ぎ込んで行く。

 この工程は、実はかなり重要な工程だ。この魔法陣に込める魔力(MP)量により、召喚される悪魔の忠誠度が大きく変わって来るのだ。もし、此処で込める魔力(MP)をケチるような事をすれば、悪魔は召喚後、真っ先に召喚者を襲い、その命を奪う事になるだろう。これは【上位悪魔召喚】に限らず通常の【悪魔召喚の儀式】でも同じ事が言える。その為、実力の無い者が無理矢理悪魔を召喚し、結局込める魔力(MP)量が足りず、悪魔が暴れ出すといった事故が度々起きているのだ。逆に悪魔の要求する魔力(MP)量を超えて、魔法陣に魔力(MP)を供給した場合、悪魔は召喚者に対して絶対の忠誠を誓う。つまりこの工程如何で、召還後の悪魔の行動に大きな影響を与える事になるのだ。

 というわけで、俺はこの魔法陣に込められるだけ魔力(MP)を込める事にする。体の中から大量の魔力(MP)が魔法陣に吸い取られて行くのを感じる。

【上位悪魔召喚】を発動させてから1分が過ぎようとした時、ようやく魔力(MP)の流出が止まる。更にこちらから魔力(MP)を流し込もうとするが、どうやらこれ以上は込められないらしい。

 今回込めた魔力量(MP)は3万を少し超えたくらいだろうか。いくらグレーターデーモンとはいえ、1体呼び出すだけで5割近い魔力(MP)を消費するとは思わなかった。しかし、これだけ魔力(MP)を込めれば、悪魔が俺に歯向かう事も無いだろう。

 では、いよいよ召喚だ。魔力が満ち足り、青白く明滅する魔法陣を起動させる。


「悪魔よ、顕現せよ」


 その言葉に反応した魔法陣は、一際強く輝くと一気に収束し、そのまま真銀の人形に吸い込まれる。その後一瞬の間を置いて、今度は真銀の人形が眩いほどの光を放ち始め、その姿を光の中に隠してしまう。


「すごい……」

「……だね」

「……素晴らしいです」

「さすがはレオンハルト様ですわ」


 女性陣が各々に感嘆の言葉をつぶやく。

 俺は人形の変化の様子を見ながら、成功を確信し一つ頷く。

 やがて、眩いばかりの光は収まり始め、地下室は静寂を取り戻して行く。

 ようやくその光が収まると、今まで真銀の人形が有った場所に、一人の男が臣下の礼をとりながら現れる。いや、真銀の人形だったモノがその男に姿を変えたのだ。


「……執事? のよう、ですね」

「ああ、執事…… だな」


 そこに居た男は白髪交じりの髪をオールバックに纏め、埃一つ無い燕尾服を纏い、完璧なまでに美しい臣下の礼をとっていた。それはまさに執事と言って良い出で立ちではないだろうか。

 ……しかし、悪魔を召喚したはずなのに何故に執事?


「貴方様が私の新たな主ですね」

「ああ、そうだ。お前の名はなんだ?」

「私は名も無き悪魔で御座います」


 まあ、グレーターデーモンのランクでは名も無いか。 

 とは言っても流石はグレーターデーモン。実力はオリハルコンランク冒険者の上位に匹敵するかもしれない。もしかしたらウイよりも強いかもな。


「分かった。お前に名を与える。今日からお前の名はアドルフだ。いいな」

「ハッ、我が名はアドルフ。我が主に絶対の忠誠を」

「よし、では取り敢えず、俺の用事が済むまで地下室の入口で控えていろ」

「畏まりました」


 アドルフは完璧なまでに美しいお辞儀をすると、地下室の入口に移動し新たな命令を待つように微動だにしなくなった。

 まさに執事だな。忠誠心も高そうだし、今後、俺達が家を留守にしている間、アドルフに家の事を任せるとするか。

 その後は、ウーツ鋼でゴーレムの騎士を15体創った。中身にはレッサーデーモンでは無く【死霊魔法】によりデスナイトを召喚し、その気魂をウーツ鋼で創った騎士型のゴーレムに宿らせたのだ。今回レッサーデーモンを使わなかったのには理由が有る。それは、先のアドルフの召喚でも分かるように、悪魔をゴーレムに召喚すると、その依代であるゴーレムの姿はレッサーデーモンのそれに変わってしまう。グレータ―デーモンクラスの悪魔ならば、姿を自分の思い通りに変える事も可能だが、レッサーデーモンクラスでは、コトール村で見たレッサーデーモンそのままの姿になってしまうのだ。流石に街中で住む以上そんなのが家に居られては不味いので、今回は以前創ったゴーレムの強化版にとどめた訳だ。

 ただ、いずれはアドルフのようなグレーターデーモンで固めたいとも思っている。とはいえ魔力も相当量使うし、それは追々になってくるだろう。

 



 ゴーレムに関してはこれでいいとして、続いてはスキルに関してだな。

 実はギルドからの帰り【上位悪魔召喚】と共にもう一つ取得したスキルがある。

 スキル名は【スキル付与術】。能力は俺の所持するスキルを装備品に付与する事が出来るスキルだ。当然、スキルを付与した装備品を装備した者は、装備をしている間に限りそのスキルを使用することが出来るようになる。

 スキルが簡単に取得出来る俺にとっては、まさに願ってもないスキルと言えるだろう。願って自分で創ったんだが……

 とはいっても、このスキルには色々制限が有る。

先ず一つは究極スキル(アルティメットスキル)及び固有スキル(スピーシーズスキル)が付与出来無い事、次にレベルが存在するスキルに関しては、全てレベル1に固定されてしまう事、そしてスキルを付与するにはそれ相応の素材で創った装備品が必要になる事だ。

 まあ、少々制限はあるが、特殊スキル(ユニークスキル)が付与出来る事が非常に大きい。これで、スキルの共有の制限が緩和され、ウイ達に何を共有するかで悩まなくて済むようになる。それだけでもこのスキルの意味はかなり大きい。

 そうなってくると、折角共有の3個制限を解除できるのだから、みんなを強化出来るスキルを増やしたくなるのは当然の訳で、色々俺なりに考えた訳だ。そこで【ロラ】にも助言してもらい、実現可能な有用なスキルをいくつか創る事にしたのだ。


 では、ここからは新たに取得・創造したスキルを紹介していこう。

 まず最初に創造したのは、【天駆飛翔】。言葉通り空を駆けるように飛ぶ事が出来るスキルだ。

 今までも俺やニーナは飛ぶ事が出来たが、正直風魔法や魔力を使い飛んでいた為、どうしても瞬発的な機動力が無い。その点このスキルは、空中を地面のように蹴る事が出来るので、地上と同じような動きが立体的に出来るようになるわけだ。当然、俺やニーナだけで無く、ウイ達にとっても有用なスキルだと言える。


 続いて創造(この場合は元から存在するスキルだから取得になるかな)したスキルは【雷神装】。このスキルは、【光鱗衣】に近い性質を持ったスキルで、魔力(MP)を使用する事によって、スピードを強化するスキルだ。最近の戦闘ではディフェンス強化の【光鱗衣】が必要不可欠になってきているので、スピード強化の【雷神装】にも期待大である。当然、スピード特化のウイなんかが使えば、そのスピードを捉えられる者は、そうそう居なくなるのではないだろうか。


 続いて創った(これも元から存在するスキルだから取得だな)スキルは【金剛武威】。これも【光鱗衣】や【雷神装】に近い性質を持ったスキルで、魔力(MP)を使用する事によって、パワーを強化するスキルだ。こちらは、ティアナと相性がいいスキルだろう。前線で、【竜鱗衣】に合わせて【光鱗衣】と【金剛武威】を使用すれば、硬くて強い理想の前衛の出来上がりだ。


 次に創ったスキルは【魔蔵】。これは一言で言えばMPの総量が倍になるスキルだ。ただ、MPの回復率は倍化する前のままなので、大量にMPを消費した時は完全回復までに少々時間が掛かるようになるのだが、まあ、それはMPの最大値が倍になっているから当然で、デメリットとしては何も無い。能力的には後衛二人、ニーナ、エヴァにピッタリなスキルだろう。


 更に創る。続いて創ったスキルは【近未来視】。名前の通り、未来を見る事が出来るスキルだが、『近』が付いている事から分るように、数瞬後の未来のみしか見られない。当然使いどころとしては、戦闘による敵の攻撃予測といったところか。どちらかと言うと【直感】や【危機感知】の上位スキルに当たるようなスキルになる。見え方としては、対象の未来の動きが薄っすらと残像のように見える感じだ。発動は任意及び状況に応じて自動発動する。自動発動に関してはスキル所有者に何か危険が差し迫ると、危険を知らせる形で発動するらしい。実に便利だ。ただ、慣れるのに少々時間が掛かりそうだ。


 まだ終らない。次に創ったスキルは【限界突破】。これはどちらかと言うと俺自身の為に創ったスキルだ。簡単に説明すると、スキルレベルの上限をなくすスキルだ。現状レベルの在るスキルはレベル7で頭打ちになる。今の俺のスキルでレベル6まで成長しているものがかなりある為、今後の事を考慮して創ったスキルだ。まあ、頭打ちになったからと言ってそれ以上技術が向上しないかと言えばそうでは無いのだが、スキルのレベルアップによる技術の上方補正がそれ以上望めなくなるのは少々惜しい。なので、この【限界突破】でそのスキルレベル上限を撤廃する事にしたのだ。本来あり得ないモノらしいが、スキル創造なら特に問題無く創れた。流石は【創造神の加護】だな。


 主なスキルは以上になるが、それ以外にも、【神倉】の劣化版とも言える【無限収納】や、【神眼】の能力の一部【千里眼】、【神器】の能力の一部【状態異常無効化】など、ウイ達用のお役立ちスキルも取得&創ってみた。

 今回創ったのは以上だが、今後面白そうな…… コホン、有用そうなスキルが思いついたら都度創って行くつもりだ。

 では、色々スキルも出来た事だし、早速【スキル付与術】を使って新しい装備品でも創るとしますか。


 最初【近未来視】は入れる予定は無かったのですが、感想で【未来予知】という意見を頂いたので参考にさせていただきました。

 今後もスキルを増やして行く予定ですので、こんなスキルがあったらいいなとご意見がありましたら感想にいただけると嬉しいです。いつになるか分かりませんが、今後の参考にしたいと思います。


 最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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