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第73話 坑道迷宮攻略

 ブックマーク&ポイントありがとう御座います。

 先に動いたのは10体のミスリルゴーレム・インペリアルガードだった。

 2体のミスリルゴーレム・インペリアルガードをミスリルゴーレム・ロードの両脇に残し、他はすべて攻撃を仕掛けてきた事になる。


 俺達もそれに合わせるように前に出る。

 前衛は俺、ウイ、ティアナだ。

 本当は、ウイは後衛に回ってもらい、真銀疾風の弓で攻撃してもらうはずだったが、今回の相手は数が多い。正直俺とティアナだけでは抑えきる事が難しい。よって、急遽ウイも前衛で戦ってもらう事にした。


 しかし、インペリアルガードだが、思ったよりも動きが速い。見た感じ、ウイ達が前回の守護獣戦で戦ったミスリルウェアウルフより僅かに劣る程度に感じる。と言いつつ俺は実際ミスリルウェアウルフと直接戦った事は無いんだが、まあ、傍から見たイメージだな。

 

 2mを超えるミスリル製の騎士が俺に向け突撃を掛けて来る。中々の迫力だ。だが、ミスリルコロッサスに比べれば、どうという事は無い。

 真っ先に俺に突撃を掛けて来たインペリアルガードをすれ違いざまに両断する。本気で魔力を込めた真銀疾風の大剣だった為か、インペリアルガードのミスリル製の体をなんの抵抗も無く両断出来た。素晴らしい。

 次の獲物を探しつつ、周りの状況を確認する。

 

 ニーナとエヴァ、そしてルルは、俺達前衛3人を迂回して直接後衛に攻撃を仕掛けようとしていたインペリアルガードを攻撃し簡単に葬っている。

 ウイは、女王蟻の細剣と短剣を巧みに使いインペリアルガードを斬り伏せていく。って、ミスリルウェアウルフと戦った時よりも簡単にミスリル製の体を斬り付けているんだが、何で? これなら真銀製の武器は必要無いかも……

 そしてティアナだが、なんというか酷い。いや、凄い。

 真銀迅雷の竜斬剣を全力で振り下ろすと、直撃を受けたインペリアルガードは真っ二つになりながら、他のインペリアルガードを巻き込み、吹き飛んでいく。そして更に体勢を崩したインペリアルガードに襲い掛かる。


 よし、みんな問題なさそうだ。

 ならば俺は一気にミスリルゴーレム・ロードの首を取りにいく。

 新たに目の前に迫るインペリアルガードを斬り伏せロードに下へ向かう。

 今回は【転移魔法】を使うまでもなさそうだ。



 ロードの両脇に控える2体のインペリアルガードが俺の前に立ちふさがる。

「邪魔だ!!」

 更に加速して右に立つインペリアルガードに斬り掛かる。

 迎え撃つインペリアルガードの攻撃を紙一重で躱しそのまま一閃。インペリアルガードの上半身がズレ落ちる。

 そこに左からもう一体のインペリアルガードの剣擊が迫る。その攻撃を跳躍して躱すと、その勢いのまま回し蹴りを喰らわせ蹴り飛ばす。って、クソ硬い、足が痛いじゃないか。

 だが、これでロードまでに障害は無くなった。


 さあ、ミスリルゴーレム・ロードよ、勝負といこうか。




 真銀疾風の大剣とオリハルコンの大剣が火花を散らし交錯する。

 流石はオリハルコンの大剣。今の一撃、剣ごと斬り飛ばすつもりで魔力を相当つぎ込んだ一撃だったが全くビクともしていない。

 更に数合打ち合う。互いに凄まじい剣撃を打ち込みその度に激しく火花が飛び散る。

 

 ミスリルゴーレム・ロードは確かに強い。だがそれ以上にオリハルコンの大剣は凄い。

 オリハルコンとはこれほどまでに硬いのだろうか? もし、この硬さのゴーレムがいたら、倒すどころかダメージを与える事すら難しいんじゃなだろうか……

 改めてオリハルコンゴーレム系と戦ってみたくなってきた。

 

 そんな事を思いながらも戦いは続く。

 その時視界の隅で、先ほど蹴り飛ばしたインペリアルガードが体勢を立て直しこちらに向かって来るのが見えた。

「チッ!」

 折角いいところなのに邪魔が……。そう思うと、思わず舌打ちが出る。

 だが次の瞬間、動き始めたインペリアルガードの頭が吹き飛ぶ。


 ――なんだ?

『レオン様、雑魚は私達にお任せを』

 ウイから【念話】が入る。どうやら今の攻撃はウイだったみたいだ。

 流石は、いい仕事をする。

 ならば、インペリアルガードはウイ達に任せて俺はロードに集中する。



 ミスリルゴーレム・ロードは確かに強い。確かに強いが、クイーンリーパーアントやサイクロプスに比べれば明らかに格落ちだ。

 ましてや、ワルターさんとの実力の差は雲泥の差がある。上を目指すのなら、ここは負けるどころか苦戦すら許されない。

 オリハルコンの大剣の確認は終わったのだし、ここからは全力で倒しに行く。


 渾身の力を込めた一撃をロードに打ち込む。

 その一撃を、オリハルコンの大剣で受けたロードは、その威力まで抑えきる事が出来ず、体勢を崩し数m弾き飛ばされる。

 そこに俺は更に追撃を掛ける。ロードはその追撃を盾で防ごうとするが、盾はミスリル製。俺の真銀疾風の大剣の一撃を防ぎ切る事が出来ず、真っ二つに両断された。

 何とか致命傷は避けられたロードは、真っ二つにされたミスリルの盾の片割れを俺に向け投げつけ、何とか距離を取ろうとする。

だが、俺はその程度の事で、逃がすつもりは毛頭ない。

 投げられたミスリルの盾を斬り飛ばし、そのまま盾を失ったロードに突撃を掛ける。


「ハッ!!」

 気合を込めてロードの頭目掛け剣を振り下ろす。

 だが、ロードも寸でのところでオリハルコンの大剣で俺の一撃を防ぐ。

 思った以上にやる。そう思いながらも俺は追撃の手を緩めない。

 そこからロードに反撃の隙を与える事無く連撃を撃ち込む。

 ロードも3撃目までは何とか対応出来ていたが、4撃目の一撃は防ぎきる事が出来ず、ガードに出した左腕を刎ね飛ばされる。


 左腕を失ったロードは、最後の足掻きとばかりにオリハルコンの大剣による渾身の一撃を放ってきた。

 だが、その攻撃は身を結ばない。

 俺の目の前を通り過ぎるオリハルコンの大剣。その直後、俺の剣はロードの右腕を切断した。

 

 両腕を失い、戦う手段を失ったロードは、俺から逃げるように距離を取ろうとする。だが俺はそれを許さない。

 このまま決着をつけるべく、ロードの首目掛け剣を振り降ろした。


 

 両腕、頭部と失ったミスリルゴーレム・ロードは、動かぬミスリルの像となり大きな音をたてその場で倒れた。

 もうミスリルゴーレム・ロードから魔の気配は感じられない。ミスリルゴーレム・ロードを倒した事を確信した俺はウイ達の状況を確認する。


 どうやらウイ達の方も戦いは終わっているようだ。

 ウイ達の周りには既に動かぬ像と姿を変えたミスリルゴーレム・インペリアルガードの死体が、折り重なり倒れている。


 あれはもうミスリルの素材だな。

 これだけあれはかなりの量の真銀のインゴットが創れそうだ。これだけでも、今回の守護獣戦は満足のいく結果だったといえる。

 そして更にこれだ。

 ミスリルゴーレム・ロードの死体の傍らに落ちる黄金の剣を手に取る。

 オリハルコンの大剣か……

 俺はオリハルコンの大剣の刃の部分を確認する。

 俺の真銀疾風の大剣と打ち合ったはずだが、殆ど刃こぼれが無い。次に真銀疾風の大剣を確認するがこちらも殆ど刃こぼれが無い。だが、僅かにだが、オリハルコンの大剣よりも真銀疾風の大剣の方が、傷が多いように見える。

 恐らくこれが、ミスリルとオリハルコンとの素材の差なんだろう。しかしなんにしろ、少ない量だがオリハルコンを手に入れられた事は幸運だったと言える。

 まだ量が少ないから、色々試す事は出来ないが、取り敢えずこのオリハルコンの大剣を鋳潰して俺なりの剣を一振り創ってみるのが良いだろう。



 それから周りの散らばるミスリルゴーレム・ロードとミスリルゴーレム・インペリアルガードの死体を【神倉】に回収すると、最後に『坑道迷宮』最奥にあるダンジョンコアの元に向かう。




 それは迷宮守護者の部屋の更に奥にある小さな部屋に鎮座していた。

 虹色に光り、濃密な魔素を放つ、人の頭ほどの大きさの石。一瞬『魔皇石』や『魔晶石』の事を思い出したが、あの時感じた嫌な感じは一切無い。寧ろ、戦いで減ったMPが回復していくみたいだ。


 俺は、ダンジョンコアに近づくと、そのまま触れる。するとダンジョンコアはより激しく光り始めた。


 しばらく光り続けたダンジョンコアの輝きが収まると、俺の足元に手のひらサイズの四角錐の物体が現れた。

 ちなみに何をしたかというと、迷宮を攻略した者がダンジョンコアに触れると何かアイテムを残す現象を起こさせただけだ。

 で、今回出現したアイテムだが、結界石といって、これに魔力を込めると一定範囲に四角推型の結界が張られ、その中で休む事で魔物の襲撃を防ぐことが出来るアイテムだ。迷宮探索や旅に有用なアイテムだが、正直俺には必要ない。普段は転移があるから野宿する事が無いからだ。しかももし野宿する事が有ったとしても自前の【結界魔法】で同じ事が出来るから益々必要無い。

 残念ながら今回は外れのようだ。次を期待しよう。


 これで、この『坑道迷宮』での予定は全て終了したな。まあ、次に来ることが有るとしたら3ヵ月後だ。その時こそオリハルコンのゴーレムと戦える事を切に願う。


 こうして、迷宮都市ノヴァリスでの初迷宮は、簡単の攻略を終えたのであった。

次回はステータス回です。(予定)


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