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第68話 坑道迷宮(2)

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【種名】ストーンゴーレム・ナイト 【種別】鉱物生物

【レベル】31(C)

【スキル】剣術     :レベル 1

     筋力強化   :レベル 3

     耐久力強化  :レベル 3

     剛力     :レベル 2

     鉄壁     :レベル 2

     硬化     :レベル 2



 5階層に入った辺りで、ようやくストーンゴーレムとストーンゴーレム・ホース以外の魔物に遭遇した。


 数は5体。見た目は名前通り騎士なのだが、何というか見習い彫刻家が、見様見真似で何とか頑張って造った騎士の石像。ようは下手くそな騎士の石像といった感じだろうか。

 能力を見た感じ、強さは俺達からしたらストーンゴーレムとさして変わらないだろうな。



 早速戦闘を開始したら案の定ストーンゴーレムと扱いは一緒だ。

 始めに、ニーナの『ホーリー・ランス』とエヴァの『フレア・アロー』が2体のストーンゴーレム・ナイトを撃ち砕くと、ウイ、ティアナ、そして俺がそれぞれ仲良く1体ずつ一撃で倒した。


 正直戦っている気がしない。それに相変わらず魔石以外取れない。いや、一応石の剣が取れるのだが、どうしろと? 必要無いので、ストーンゴーレム達の素材の石は廃棄。当然石の剣も放置だ。



 迷宮探索は順調に進む。ストーンゴーレム達を文字通り蹴散らし、魔石のみを回収しながら進むと、夕方には10階層に到達した。


 そして、10階層に入ると魔物の出現方法が少し変化し始める。とはいっても、出てくる魔物は今までと同じ。

 何が違うかというと、ストーンゴーレム・ナイトがストーンゴーレム・ホースに跨って出現し始めたたのだ。まさに騎兵。馬に乗っているだけで、下手くそな騎士の石像が少しカッコよく見えてくるから不思議だ。


 しかし残念。所詮は石の騎士に石の騎馬。如何せん動きが遅い。俺達がその気になればストーンゴーレム・ナイト達が近づいてくる前に余裕で殲滅出来てしまう。

 そして、やはり取れるのは魔石だけ……



 早く15階層を目指そう。何とか今日中に行けるだろうか? 

 このペースだと流石にちょっと無理か……、兎に角行ける所まで行ってみよう。



 それから2時間ほど探索をしたが、進めたのは13階層まで。迷宮の地図も無しに、探索したにしては概ね順調だ。まあ、俺には【マップ】有るから迷わず進めたからなんだが。



 取り敢えず、今日の探索はこれまでか。

見つけた小さな部屋に【マーカー】をセットし屋敷に転移して戻った。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



屋敷に戻り着替を終えると、食事をしながら新調した装備品について聞いてみる。



「みんな、新しい装備の具合はどう? 気になる点があったら今日中に手直しするけど」


「今のところ問題ありません。と、いいますか、本気で戦うような状況でもありませんでしたので、正直まだ何とも言えないといった感じでしょうか」

 でしょうね。ウイだけじゃなく、俺達前衛3人は、ゴーレム達に攻撃されるまでも無くその前に一撃で葬っているのだから、まともに戦っている気がしないのだろう。

 まあ、その点は後衛も似たようなものか。


「ボクも問題無いよ。それどころか今までの装備よりすごく軽いから。動きがずっとスムーズに出来るようになった気がするよ。これすごくいい感じ。後は攻撃を受けた時にどうなるかは、さすがに受けてみないと分からないけど」

 確か攻撃を受けてみないと分からないだろうが、ゴーレム相手だとその機会も無いだろう。いや、もう少し深い階層に行けば素早いゴーレムも出て来るかもしれない。その辺は少し期待してみもいいかな。


「わたしも大丈夫です。元々後衛で動きも少ないので、これからも気になる事は出てこないかもしれません」

「わたくしも同じく問題ありませんわ。弓を扱うのにも特に支障は有りませんし、素晴らしい装備品だと思いますわ」

 後衛2人も特に問題は無いようだ。まあ、後衛に関しては動きに多少の違和感が有ったとして問題は少ないだろう。それでも理想は高くして創っていこうとは思うが。


 装備品に関しては、みんな問題ないようで何よりだ。

 俺自身も動いた感じ、特に問題を感じてはいない。それどころか、以前装備していた黒巨鬼シリーズよりも動きやすい。

 軽いのは勿論だが、動きを阻害しない。

【匠創魔法】のスキルレベルが上がったのもあると思うが、魔力値や器用値の上昇や、【匠創魔法】を使い慣れてきたのも、装備品の質の向上の要因になっているんだろう。



 より良い装備品を創るため、これからはいい素材が見つかったら積極的に装備を創って行くとしよう。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 『坑道迷宮』探索2日目開始。


 昨日転移した場所に再び転移して戻る。

 今はまだ13階層だが、これまでのペースだと後3時間弱で15階層に到達するはずだ。

 だがその前に、15階層へと降りる階段の前には、強力な魔物である階層守護獣が居るはず。

 どんな仕組みかは分からないが、通ろうとすると必ず強力な魔物が現れ侵入者に襲いかかってくるらしい。しかも魔物の種類はランダムだそうだ。

 どんなのが出るか今から楽しみだ。

 

 では早速探索を再開するとしましょう。




 探索は順調。【マップ】を見れば道に迷う事もない。はたしてこれを探索と言っていいのか……


 

 出現する魔物は、相変わらずストーンゴーレム、ストーンゴーレム・ホース、ストーンゴーレム・ナイトの3種類だけ。

低層はうま味も面白味も無いようだ。

 


 15階層からは金属系のゴーレムが出現するのだが、この『坑道迷宮』で確認されている金属系のゴーレムはアイアンを始め、ウーツ、ミスリル、オリハルコンの4種類。

 当然、それらは素材として手に入れられる。ただ、ウーツやミスリルといった素材は比較的簡単に手に入るようだが、オリハルコンはまず無理らしい。


 何故かと言うと、これまでオリハルコンのゴーレムが発見されたのが、過去300年間で僅か15回。最下層の迷宮守護獣として出現した事が有るだけだからだ。しかも討伐出来たのはその中で3回のみ。相当強いようだが、こればかりは実際戦ってみないと何とも言えない。


 ちなみにワルターさんも、何度もオリハルコンを求めて挑戦したが、一度も出会う事すら出来なかったみたいだ。


 そういう事で、現実的な狙いとしてはミスリルの獲得が今回の主目的となるわけだ。



 そうこうしているうちに14階層最奥、守護獣が出現する部屋の扉の前に到着した。

 ここを突破してようやく本番。いや、この守護獣からも素材が取れるだろうからここからが狩りの本番だ。


「みんな、これから階層守護獣だけど準備はいいか?」

「はいです」

「大丈夫だよ~」

「問題ありません」

「いつでもいいわ」

「キューン」

 よし、では『坑道迷宮』最初の守護獣戦だ。気合をいて行こうじゃないか。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



【種名】マッド・ガーゴイル 【種別】魔法生物

【レベル】47(B)

【スキル】土魔法    :レベル 2

     闇魔法    :レベル 3

     筋力強化   :レベル 4

     耐久力強化  :レベル 4

     剛力     :レベル 4

     鉄壁     :レベル 3

     液状化    :レベル 2

     物理攻撃耐性 :レベル 3


 コウモリのような翼を持った悪魔の石像。マッド・ガーゴイルをみた第一印象がそれだ。

 全身やや茶色がかった石のようだが、なぜか濡れたように光っていてる。


 気になるスキルは液状化だが、やはりマッドなだけに泥になるんだろうか? たぶんなるんだろうな。それに物理攻撃耐性まで持っている。


 さてと、どうしたものか? この距離だと動く様子が無い。それなら――


「ニーナ、エヴァ、ルル。魔法で攻撃してみてくれ。その後ウイとティアナは俺と一緒に直接攻撃な」

「はいです」

「は~い」

「畏まりました」

「了解したわ」

「キューン」


 早速ニーナとエヴァ、ルルの2人と1匹は、アルスの馬上で魔力を練り始める。そして――

「ホーリー・ランス!」

「フレア・アロー!」

「キュアー!!」

 2人と1匹の魔法発動の声を共に光の槍、炎の矢そして黒い雷が、マッド・ガーゴイルに向かい撃ち出される。


 それを追うように、俺達もマッド・ガーゴイルに向かい突撃する。


「エンチャント・フレア!」

 俺はマッド・ガーゴイルに突撃しながら、俺、ウイ、ティアナの武器に火魔法属性を付与する。

 それぞれの武器が炎で熱せられた様に赤く光り始める。

 これで、たぶん物理攻撃耐性対策になるだろう。



 そんな間にもニーナ、エヴァ、ルルが放った光の槍、炎の矢、黒い雷は、まだ動かぬマッド・ガーゴイルに直撃する。


 やや鈍い爆発音が3つ続く中、俺達前衛陣はマッド・ガーゴイルとの距離を詰める。

 

 マッド・ガーゴイルは既に目の前。先ほどの魔法攻撃でどうやら両腕は吹き飛んだらしい。

 よし、スキルを使われる前に、このまま一気にケリをるける。

 


 まず、一番初めに攻撃を仕掛けたのはウイ。剣を振り上げマッド・ガーゴイルの身体を両断しようとするが、突如、砕けて無くなったはずの両腕が生えてきて、ウイに不意打ちを仕掛けてきた。

 攻撃態勢に入っていたウイは、マッド・ガーゴイルのその不意打ちを咄嗟のところで回避。だが、回避のため態勢を大きく崩し反撃出来ない。


 しかし、お陰でマッド・ガーゴイルにも大きな隙が生まれた。

 その隙を突き俺とティアナが同時に襲い掛かり一撃。マッド・ガーゴイルの身体は、哀れにも頭、胴体、下半身に3分割されてしまった。というか俺達がそうしたんだが。


 バラバラになったマッド・ガーゴイルは動く気配が無い。

 

【マップ】上では、既にマッド・ガーゴイルの反応は消えている。

 どうやら、もう死んだようだ。

 スキルも使わせ無かったし、満足のいく勝利だ。

 


 バラバラになったマッド・ガーゴイルを見ると、身体が崩れ始め土の固まりえて変貌していく。

 んー、階層守護獣なのに取れる素材はまさかの土ですか?

『魔泥です。錬金術や魔道具作成に使用される素材です』

【ロラ】から素材の情報だ。どうやらそこそこ良い素材らしい。使うかどうか分からないが一応回収しておこう。



 しかし、まだ3級ランク迷宮とはいえ、階層守護獣でもこの程度なのか?

 これは金属素材がそれなりに溜まったら、早めに2級ランク迷宮に移った方がいいかもしれないな。



 そう思いながら15階層に続く階段を見る。

 あそこを降りればようやく金属系のゴーレムが出る。取りあえずは、上の階層に比べれば少しはマシになるだろ。


 では、先に進もうか。

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