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第66話 装備新調

 ブックマーク&ポイントありがとう御座います。

 自分の部屋に引き上げた俺は、早速クイーンリーパーアントの素材を検分する事にした。

 

 ちなみに他のメンバーは、それぞれ自分の部屋で荷物の整理なんかをしている。現在俺の部屋に居るのは俺とルルだけだ。そのルルは俺のベッドの上で黒い毛玉のように丸くなって寝ている。


 そんなルルを横目に見ながら、床に広げたクイーンリーパーアントの外殻の検分を始める。

「こうやって見ると綺麗な素材だな」

 【神倉】に入れてあったクイーンリーパーアントの死体は既に解体・修復・浄化済みである。その為、浄化済みの素材は本来の色艶が出ており、クイーンリーパーアント特有の白色が美しくよく映えている。


 素材としての強度は、流石はレベル70オーバーの魔物だけあって相当硬い。並みの金属よりも強度があるんじゃないだろうか。更には、虫型の魔物素材の特徴でもあるが、かなり軽い。

 うん、この素材なら、良い防具が創れそうだ。


 では、早速だが【匠創魔法】を使って一つ創ってみるか。

 


 素材としては、クイーンリーパーアントの外殻とトロール亜種の皮を使う。本来は金属を使用し留め金を作成したりするのだが、そこは【匠創魔法】。クイーンリーパーアントの外殻を好きな形に変形させられる為、繋ぎ用の金具無しで創る事が出来る。おかげで強度も増すから有り難い。

 

 ちなみに【匠創魔法】を使って魔力を込める事によって、殻系の素材や鱗系の素材、そして金属系の素材など硬度の高い素材を好きな形に変える事が出来る。金属だけで無く魔物由来の素材も好きな形の出来るのは大変有り難い。


 というわけで、クイーンリーパーアントの外殻とトロール亜種の皮を使って、先ずは俺の鎧から作成開始だ。


『アイテムクリエイト』


 素材にMPをそれなりに込めて【匠創魔法】を発動する。

 クイーンリーパーアントの外殻とトロール亜種の皮は【匠創魔法】に反応し光り輝き始める。そしてしばらくすると、素材の形はゆっくり変化し始める。そして光が収まると、そこにはクイーンリーパーアントの外殻で創られた純白の軽鎧が現れた。


 うーん、出来たには出来たけど……。取り敢えず鑑定してみるか。


【名称】女王蟻の軽鎧+4 

【ランク】特殊級(ユニーク)

【付与】空き 空き 空き 空き


 おお、特殊級(ユニーク)だ。自分で創った中では初めてだな。それに+4が付いたのも初めてだ。【匠創魔法】のレベルが上がっているのも有るだろうが、やはり素材が良いって事が大きいだろ。あっ! 後、以前よりも込めるMPの量を多くしているってのもあるだろうな。


 中々素晴らしい出来だ……。うん、素晴らしいのだが……純白って派手じゃないか? それに今まで黒い装備だっただけにちょっと恥ずかしい。色ってどうにかならないのかな? 例えば装備品の色を変化させるスキルとか……

『現状存在しているスキルですと、布や皮を染色する【染色】スキルは存在しますが、外殻や金属を染めるスキルは存在しません。ただ創る事は可能です。創造しますか?』


 どうやら当然のように創れる出来るらしい。

 ちなみに創るとなると、どんな方法で色を付けるんだ?

『MPを使用して染色します。また染色用の素材を使用するかしないかで、必要とするMPの量も変化します』

 まあ、MPの容量に関しては特に問題無いから素材は使わなくてもいいかな。後は新たにスキルを創るより、その染色用スキルを【匠創魔法】に組み込みたいんだが、それは可能?

『問題有りません。早速組み込みますか?』

んー、まあいいか。組み込んじゃって。

『了解しました。

 …………………

【匠創魔法】に【魔道染色】を組み込みました』


 よし、これで問題無く色を付けれるな。

 では早速色を付けるとして何色にするかな……。やっぱりここは無難に今までと同じ黒かな。それもなるべく真っ黒がカッコイイ気がする。まあ、いつでも変更出来そうだし一度試してみるか。


 という事で早速試してみた。



 …………完成!

 うん、いい感じだ。鑑定の結果は何も変化は無かったが、色はしっかりと黒くなっている。それに所々に入れた金色のラインがより高い能力を秘めた鎧に見せている。満足の出来と言っていいだろう。よし、この勢いで他のも創っていこう。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 そんなこんなで出来たのがこれである。


 先ずは俺用の装備からだ。


【名称】女王蟻の軽鎧+4 

【ランク】特殊級(ユニーク)

【付与】斬耐+4 打耐+3 魔耐+4 筋強+4 


【名称】女王蟻の脛当て+4 

【ランク】特殊級(ユニーク)

【付与】打耐+4 瞬強+4 打強+3 MP回+3


【名称】女王蟻の籠手+4 

【ランク】特殊級(ユニーク)

【付与】斬耐+3 打耐+4 筋強+4 打強+4


 ※:斬=斬撃、打=打撃、耐=耐性、魔=魔法、筋=筋力

   瞬=瞬発力、強=強化、回=回復力上昇


 創ったのは鎧以外に脛当てと籠手だ。脛当ては今まで着けていなかったが、金属と違いかなり軽量の素材の為、着けてもいいかと思い創ってみた。

 完成品は全て+4。上々の出来だ。【付与魔法】は耐性と強化をバランス良く付与してみた。今回、自分の用として創ったのはこの3点だけだったが、充分戦力強化になるだろう。


 余談だが、クイーンリーパーアントの素材でバスタードも創ろうとも思ったが、素材自体が軽すぎて破壊力が出そうにないという事で今回は諦めた。


 では、早速一通り創った防具を装備してみた。革シャツや革パン、ブーツも一緒に装備してフル装備状態にしてみる。

 うん、何というか全身真っ黒でカッコイイのではないだろうか?

 身体を動かしてみたが特に問題無いようだ。性能的にも見映え的にも十分満足のいく出来になったのではないだろうか。



 よし、次はウイの為に創った装備だ。


【名称】女王蟻の軽鎧(女性用)+4 

【ランク】特殊級(ユニーク)

【付与】斬耐+4 打耐+4 魔耐+3 瞬強+4 


【名称】女王蟻の脛当て+4 

【ランク】特殊級(ユニーク)

【付与】打耐+4 筋強+3 瞬強+4 MP回+4


【名称】女王蟻の籠手+4 

【ランク】特殊級(ユニーク)

【付与】斬耐+4 打耐+3 瞬強+4 打強+4


【名称】女王蟻の細剣+4 

【ランク】特殊級(ユニーク)

【付与】斬強+4 突強+4 瞬強+4 魔強+4 


【名称】女王蟻の短剣+4 

【ランク】特殊級(ユニーク)

【付与】斬強+4 突強+3 筋強+4 瞬強+3 


 先ず色だが、蒼を基調とした色合いに仕上げている。全体的に見ると瑠璃色と空色の二色で彩られ、一部金色のラインが入っている。中々美しい出来ではないだろうか。一応これは俺の好みで色を決めたわけではなく、ウイに念話で好みを聞いて決定した色合いだ。

 続いて性能面では、全ての装備に瞬発力強化を付与し、スピードを活かした戦い方を得意としているウイの長所をより伸ばすようにしてある。また、それに伴い武器もよりスピードを活かせるように魔鋼製から女王蟻製に変更。よりスピードの特化出来るようにした。


 実際装備してもらうのは、明日の朝にするとして、装備姿を想像するだけで今からちょっと楽しみだ。きっと戦女神のように美しい姿となるだろう。――若干、贔屓目では有るだろうが……



 では、続いてティアナだな。


【名称】女王蟻のガントレット+4 

【ランク】特殊級(ユニーク)

【付与】斬耐+4 打耐+4 魔耐+4 筋強+4 


【名称】女王蟻のグリーブ+4 

【ランク】特殊級(ユニーク)

【付与】斬耐+4 打耐+4 筋強+4 瞬強+4 


 ティアナに創った装備は2点と少ない。これには理由がある。

クイーンリーパーアントの素材が丈夫で軽量。通常この軽量というのは防具に適しているように感じるが、対魔物戦となると話は変わってくる。何故なら前衛壁職は魔物の攻撃をまともの喰らう可能性が高い。その際軽すぎる防具は、魔物の重い一撃の衝撃を防ぐ事は難しく、装備者に衝撃を通してしまうのだ。その為、壁職用の鎧や盾といった防具としては、クイーンリーパーアントのような素材は適さないのだ。これが竜鱗であればまた話は変わってくるのだが。


 そういう事で今回はガントレットとグリーブのみだ。鎧や盾は今後良い鉱石が手に入ったらすぐにでも創ってあげよう。

 続いて装備品の色だが、ティアナの装備品の色は赤に決定した。これも本人希望だ。若干派手じゃない? とは思ったが本人が、赤がいいと言うのだから仕方が無い。ちなみに、魔鋼のライトプレートメイルも赤に変更済みだ。濃い紅色と薄い鴇色(ときいろ)の二色に金色のラインが入り、丁度ウイと対になるような色合いになっている。まあ、これはこれで有りのような気もするがどうなんだろう。



 続いてニーナだ。


【名称】女王蟻の胸甲(女性用)+4 

【ランク】特殊級(ユニーク)

【付与】斬耐+4 打耐+4 突耐+4 MP回+4


【名称】女王蟻の脛当て+4 

【ランク】特殊級(ユニーク)

【付与】打耐+4 瞬強+3 魔強+4 MP回+4


【名称】女王蟻の籠手+4 

【ランク】特殊級(ユニーク)

【付与】斬耐+4 打耐+3 魔強+4 MP減+4


 ※:減=消費減少


 ニーナの装備はこの3点。3点全てにMP回復上昇かMP消費減少を付与している。これで、今までと比べ、MPを気にせず戦えるようになるだろう。

 追加装備としては胸甲だが、クイーンリーパーアントの素材が軽い為、胸甲を装備しても動きが鈍くなる事は無いだろうと思い創った。これで、物理防御力はかなり上がるだろう。まあ、後衛だから余り恩恵に与かる事は少ないだろうが、無いよりは有った方が良いに決まっている。

 そしてニーナの装備品の色は白。魔鋼糸のローブも白に変更だ。ニーナの色白の肌と金色の髪にとても似合いそうだ。


 んー、俺の黒、ウイの蒼、ティアナの赤、ニーナの白。何だか派手な色合いのパーティーになってきた気がする……



 気を取り直して最後はエヴァだな。


【名称】女王蟻の軽鎧(女性用)+4 

【ランク】特殊級(ユニーク)

【付与】斬耐+4 打耐+4 魔強+3 MP回+4 


【名称】女王蟻の脛当て+4 

【ランク】特殊級(ユニーク)

【付与】斬耐+3 瞬強+4 MP減+4 MP回+4


【名称】女王蟻の籠手+4 

【ランク】特殊級(ユニーク)

【付与】斬耐+4 打耐+3 魔強+4 MP減+4


 エヴァの装備は3点。基本はニーナ同様、MP回復上昇と消費減少を付与してある。更に強化として軽鎧と籠手には魔力強化を付与して、魔法攻撃の火力を上乗せ出来るようにした。

 後衛魔法職のニーナにとっては理想に近い性能ではないだろうか? というか俺がそうなるように創っているのだから当然なんだが。

 そして、エヴァの装備品の色だが、流石エルフ。希望は緑が良いらしく、ご希望通り緑を基調にした色合いにしてある。配色としてはウイやティアナと同じで、色の濃い深緑と色の薄い緑青色の2色を使い、一部に金色のラインを入れるデザインだ。この辺は、ある程度統一性があった方がいいだろうと思い、ウイ達と似たデザインにしてある。

 これなら俺達が同じパーティーだと分かるはずだ。たぶんだが……。

 


 これで全員分完成である。明日、朝一でみんなに装備してもらい着心地確認してもらおう。その後、特に問題無ければ迷宮探索だ。

 ま ずは順番に一番ランクの低い『坑道迷宮』から挑戦しよう。『坑道迷宮』は鉱石が手に入るらしいから、俺とティアナの武器の材料も手に入りそうだしな。



 家も手に入れたし、装備も新調した。これでようやく迷宮都市での本格的な生活が始められそうだ。

 最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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