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第51話 エヴァンジェリーナ

 ブックマーク&ポイントありがとう御座います。

 ルパートさんと別れた後は、先ほど混んでいて諦めたハイエルフの展示部屋にもう一度行くことにした。一応【マーカー】で確認したところ、まだそこそこの人はいるようだが、入る分には問題なさそうだ。

 

 部屋の前までくると【マーカー】で確認した通り、前よりも人だかりは減ってきていた。だけど、他の部屋に比べるとやっぱり混んでいる事には変らない。

「本人と、とても話は出来そうにないな。ハイエルフは気位が高いって聞いたことあるから、実際にどうか一度本人と直接話してみたかったんだけどな」

「そうですね。それに出品者の方とも話すのも難しそうですね」

 今回は鑑定だけして終わりかな。出来れば話をしたかったが、とてもそんな雰囲気ではないかな。

「ご主人様。ボクが昔会ったことがあるハイエルフはすごく穏やかな性格だったよ。それにその人から聞いたことなんだけど、ハイエルフは気位が高く見えるのは自分を守る為にわざとやっている人が殆どなんだって」

 へぇ、わざと気位を高く見せているのか、それは初耳だ。

「今回のハイエルフの娘がそうかは分からないけど、仲間にするならやっぱり穏やかな娘がいいな」

「そうですね。あまり気位の高い方でしたら私が教育致します」

 教育って……。ウイってこんな娘だったけ?

「う、うん。お手柔らかにお願いするね」

「畏まりました」

「じゃあ、取り敢えず中に入ろうか」

「はいです」

「は~い」



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 混み合う中、部屋に入っていくと、一番奥に白いドレスに身を包んだ美しい女性が俯き気味に座っていた。

 腰まで伸びた緑がかった銀色の髪。エメラルドのような美しく透明感のある瞳。細身の体型のためかやや儚げな印象を受ける美人さんだ。歳は俺たちよりも少し上の20歳前後に見えるが、長寿のハイエルフの事だから見た目通りの年齢という事はないだろう。

 さて、一度話しをして見たかったが、予想通りとても話せそうに無い。仕方ない、今回には諦めて鑑定だけしておくか。

 では鑑定鑑定っと。


【名前】 エヴァンジェリーナ  【年齢】82歳

【種族】 ハイエルフ      

【職種】 奴隷(所有:ミュラー奴隷商会)

【レベル】31(B-)



さすがハイエルフ。素質ランクがB-と高い。それにレベルも31とそこそこ高い。即戦力とはいかないが、足でまといになるということもないだろう。しかし、この見た目で年齢が82歳とはさすがは長寿の種族だ。では次にスキルだ。


固有スキル(スピーシーズスキル)】  

   :森の賢者

    精霊支配


上位スキル(エクストラスキル)】  

    :精霊魔法    レベル 4

     精霊視     レベル 5

     並列魔法    レベル 1

     魔力精密操作  レベル 1

  

通常スキル(ノーマルスキル)】   

    :弓術      レベル 3  

     短剣術     レベル 2

     純魔法     レベル 2

     火魔法     レベル 2

     風魔法     レベル 3

     水魔法     レベル 3

     光魔法     レベル 1

     生活魔法    レベル 3

 

 すごい……。これは凄すぎる。14個もスキルを持っているだけでもすごいのに、上位スキル(エクストラスキル)を4つも持っているなんて……。素質ランクではウイに負けでいるがスキル数では出会った頃のウイ以上だ。

 それにスキル構成だが、完全に魔法特化な上、多種多様な魔法スキルを持っている。流石は長寿であり魔法の資質の高いハイエルフだけのことはある。

 これだけ魔法スキルを持っていると器用貧乏になりそうだが、そこは長寿故時間を掛けて成長させることも出来たわけだ。まあ、俺たちのパーティーに入れて眷属設定すれば時間を掛けなくても成長させる事が出来るからなおいいんだけどね。

 それから固有スキル(スピーシーズスキル)の【森の賢者】だが精霊魔法の消費MPを3割減らしてくれるスキルらしい。更に【精霊支配】だが下位精霊を全くMPを消費しないで召喚することが出来るスキルだ。2つともハイエルフならではのスキルといえる。


 これだけの能力がある彼女を俺たちのパーティーに加えることが出来れば、かなりの火力アップが期待できる。性格は分からないがこればかりは仲間にしてからじゃないと何とも言えない。

 取り敢えず目的のハイエルフを見ることが出来た俺たちは、混み合う部屋を出てオークション会場に移動した。

     


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 オークション会場は、収容人数1000人を超える歌劇場をそのまま使用するようだ。

 どうやら、席は指定されているようで、会場の入口で係りのスタッフにギルドカードの提示すると指定された席へと案内された。


 俺たちが案内された場所は会場でもかなり舞台に近い位置、それも中央よりだ。

 なんでこんないい位置が俺たちの席なんだろう? 俺たちの席周辺を見ると、この会場に来ている人たちの中でも身なりの良い上流貴族と思われる人たちが多く集まっている。もちろん俺たちのような冒険者も中にはいるが、なぜ俺たちの席がここなのか、不思議だ。

「おそらくレベロ商会の紹介だからではないでしょうか」

 そうなのか? その程度でこんないい位置にしてもらえるのかな? まあ、深く考えても仕方ない。これからやるオークションに集中しないと。


 もうすぐオークションが始まる時間とあって、会場には次々と人が入ってくる。オークションが始まる頃には1000人収容出来る会場はほぼ満員状態になっていた。

 

「いよいよ始まるな。ちょっと緊張してくる」

「奴隷のオークションは後半なので、いまから緊張されていては疲れてしまいますよ」

 そうだな。ウイの言うとおりだ。まずはアイテム関係からオークションにかけられていく。それで雰囲気を掴みながらオークション自体を楽しもう。




「皆様、大変お待たせ致しました。これよりオークションを開催致します。わたくし、今回の司会をさせていただきます。ゴットフリートと申します。以後お見知りおきを」

 ゴットフリートと名乗った男はタキシードを身にまとった40代半ばの黒髪の紳士だ。

「では早速。最初の出品物はこちらです」

 司会の男が声を掛けると、奥から別のスタッフが一本の剣を持って現れた。

「こちらは3級迷宮より発見された希少品(レア)ランクの魔剣でございます。最低入札価格は7万コルドからでございます。それではこれより入札を開始致します」

 入札が開始されると会場中から次々と声が上がる。

「7万」

「7万5千」

「8万

「9万」

「10万」

「12万」

 …………

 どんどんと金額が跳ね上がっていく。


「22万」

「22万が提示されました。他にありませんか? ……他はよろしいでしょうか? ありませんね。ではこちらの魔剣。22万コルドで88番様の落札です」 

 へぇ、希少品(レア)ランクの剣で22万コルドにもなるんだ。匠創魔法】を使えば希少品レアランクの剣くらい簡単に創れるが、それを出品すればかなり儲かるかも。まあ、現状お金に困ってないから今後お金に困るような事があればやってみようかな。

 とはいっても普通に魔物退治してる方が早く儲かるからやる事はないだろうけど。


 それからも次々とオークションは進んでいく。後半になるほど希少性の高いものが出てくる為、金額がどんどん跳ね上がっていく。中には250万コルドの値段をつけたものまであった。

 そしていよいよ奴隷のオークションへと移行する。


 奴隷の出品数は全部で17人。俺たちが狙う天人族のニーナは6番目、ハイエルフのエヴァンジェリーナは最後の17番目に出てくる。

 予算は一千万コルド用意してある。その気になれば四千万コルドまで出せなくもないが、迷宮都市ノヴァリスに着いたら家を買う予定だからそこまでは出したくない。って、まずそこまで金額が上がらないだろうが。過去のハイエルフの相場を見ても150万~200万コルドというのが普通だ。ニーナと合わせても500万コルドあれば充分足りるだろう。


 さあ、いやいよここからが本番。戦い(オークション)の始まりだ。

 最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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