表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/101

第33話 ティアナ

 ブックマーク&ポイントありがとう御座います。

「名前はティアナ、年齢は15歳、種族は龍人族(ドラゴニュート)でございます」

 ルパートさんが、「ウェンディから聞いているとは思いますが」と前置きしてからティアナに付いて説明を始める。

 ティアナは自身の紹介文に合わせて深くお辞儀をする。短めの銀髪はその動きに合わせフワフワと揺れ動く姿はとても可愛らしい。


「変異種の為、龍人族(ドラゴニュート)として小柄ですが、戦闘能力は龍人族としてご期待に添えるだけの物は持っております」

 一度俺の表情を確認すると更にルパートさんは説明を続ける。

「所有スキルは、【剣術】、【盾術】、【筋力強化】、【耐久力強化】、【剛力】、【鉄壁】、【闘神衣】、【竜鱗衣】でございます。魔法系のスキルは所持しておりませんが、物理戦闘系に特化したスキル構成になっております」

 さすがウイが勧めてくるだけの事はあるな。


 さてと、一応彼女の鑑定をしてみよう。


 【名前】 ティアナ  【年齢】 15歳

 【種族】 竜人族(ドラゴノイド)      

 【職種】 奴隷(所有:レべロ商会)

 【レベル】8(B-)


 ドラゴノイドは龍人じゃなくて竜人なんだな。

 しかしさすが変異種と言ったところだろうか。素質ランクB-はウイ以来の高いランクだ。

 レベルはそんなに高くないが、【創造神の加護(下位)】が有ればすぐにレベルアップするだろうから特に問題ない。


 次にスキルだが、

 

 【固有スキル(スピーシーズスキル)】  

      :竜鱗衣


 【上位スキル(エクストラスキル)】  

      :闘神衣    レベル 1

  

 【通常スキル(ノーマルスキル)】   

      :剣術     レベル 2  

       盾術     レベル 2

       筋力強化   レベル 1

       耐久力強化  レベル 1

       剛力     レベル 1

       鉄壁     レベル 1


 ルパートさんが言った通りのスキル構成になっている。

 上位スキル(エクストラスキル)も持っており、スキルの数も多い。ただ全体的にスキルレベルが低いかな。

 まぁ、レベルが8である事を考慮するとこれくらいなのかもしれないかな。いや、むしろ上位スキル(エクストラスキル)を含めこれだけ色々スキルを持っているのは凄い気がする。

 それに固有スキル(スピーシーズスキル)の【竜鱗衣】だ。

 気になる内容は。


『【竜鱗衣】に付いてご説明致します。

 【竜鱗衣】は龍人族(ドラゴニュート)及び竜人族(ドラゴノイド)の種族特有の固有スキル(スピーシーズスキル)です。その能力は、MPを使用し竜鱗を皮膚上に生成し防御力を強化致します。鱗の強度は魔力値と込めるMP量により変化致します』


 おお、結構有用そうだな。

 【竜鱗衣】って俺が取得するのも特に問題ないよな?


『はい、特に問題ありません。ただ【竜鱗衣】を取得するのであれば【竜鱗衣】の上位スキルである【光鱗衣】を取得する事をおすすめします』


 【光鱗衣】? また凄そうな名前だな。【竜鱗衣】と何が違うの?


『【光鱗衣】と【竜鱗衣】のもっとも大きな違いは、スキル発動時の見た目です。【竜鱗衣】は皮膚上に竜鱗が現れるのに対し【光鱗衣】は見た目上薄っすらと光を纏うだけで大きな変化は在りません。もちろん見た目だけでなく防御力の面でも【竜鱗衣】を大きく上回っています』


 いいね。じゃあ、取得しておこう。【ロラ】よろしく。


『了解致しました。これより【光鱗衣】を取得致します。

 ………………

 【光鱗衣】を取得しました』


 よし、完了。

 お試しは後にして、まずはティアナの方だな。


 

「ルパートさん、彼女と話をしたいのですが」

 それだけ伝えるとルパートさんは、

「畏まりました。時間は10分ほどでよろしいでしょうか?」

 とウイの時と同じように聞いてくる。

「はい、問題ないです。よろしくお願いします」

「では、10分後に戻ってまいります」

 そう言うとルパートさんは、退室していった。



 さてと、俺的には既に購入するつもりだが、一応戦う意思が有るか聞いておかないとな。


「俺はレオンハルト、冒険者をしている。今回うちのパーティーメンバーであるウェンディの勧めもあり君を購入しようと思っている。でだ、これから俺達は冒険者として迷宮を主戦場にやって行くつもりなんだが、もし君を購入した場合、君にも俺達と一緒に迷宮に挑んでもらおうと思っている。そこで君に聞きたいんだが、そんな俺達と一緒に迷宮で戦う気は有るかい? もちろん無理だと思うなら断ってくれて構わない。その時は君の事は諦める」

 俺からの問いに少し戸惑いの表情を浮かべるティアナだったが、一度ウイと視線を交わすと一つ頷いて、

「ボ……、私は龍人族(ドラゴニュート)としてまだまだ未熟者で……、それに身体も小さいです。それでも私を戦士として必要とおっしゃっていただけるのであればレオンハルト様にこの身を捧げます」

 いや、そこまで言っていただかなくてもいいんだけど。

「そうか、そこまで言ってくれるなら問題ないかな。ウイからは何かある?」

「はい。ティア、レオン様はご主人様としてとても素晴らしい方です。共にレオン様をお守り致しましょう」

 そう言うとティアナに優しく微笑み掛ける。

「うん、ボク頑張る。ウェンディちゃんもこれからよろしくね」

 ティアナの話し方が急に変わったが、こちらの方がすごくしっくりくる。これが本来のティアナの話し方なのだろう。その可愛らしい容姿と相まって魅力が倍増である。



 それから、少し3人で雑談していると、扉をノックする音が部屋に響く。

「レオンハルト様、もうよろしいでしょうか?」

 ルパートさんだ。

「はい、もう大丈夫です」

 俺の返事後ルパートさんが入室し、それと入れ替えるようにティアナが退出していった。


「ティアナは気に入っていただけましたでしょうか?」

「そうですね、とても素直でいい娘ですね、気に入りました」

「それは、それはよろしゅうございました」

「ちなみに彼女の値段はいくらですか?」

「はい、ティアナでございますが、種族、容姿ともに素晴らしく、その為お値段は100万コルドとなります」

 さすがに高い。エルセンで一番高かった奴隷でも80万コルドだったことを考えるとそれよりも更に20万も高いのだから、美少女&龍人族(ドラゴニュート)はそれだけで価値が高いのかもしれない。あっ、変異種って事も価値を上げる理由の一つかもしれないな。

「いかがでしょうか?」

 いかがでしょうかも何も元々買うつもりだしな。ただ思ったよりも高額で吃驚したけど。

「問題ないです。彼女を購入させてもらいます」

 さすがに、今回は無理を言って購入させてもらうのだから値引き交渉は出来ない。言い値で買わせて頂きます。

 早速【神倉】の中から金貨100枚を取り出しルパートさんに渡す。

「金貨100枚、100万コルド確かに頂戴致しました。それでは、ティアナの契約を行わせて頂きます」

 ルパートさんはティアナを再び呼び寄せウイの時と同じように奴隷契約を始める。


 ルパートさんが呪文を唱えるとティアナの手に魔法陣が浮き上がり、その魔法陣に俺が血を一滴垂らすと契約は完了した。

「これで奴隷契約は完了です。引き続きギルドカードの奴隷登録を行いますか?」

「よろしくお願いします」

 そう答え、ギルドカードを渡す。

「おお、す、凄い。あれから数日しか経っていないのにもうミスリルランクになられたのですか!!」

 俺のギルドランクを見て今までの無いほど驚いている。

「まぁ、色々ありまして」

「色々でございますか、しかし、15歳でミスリルランクなど見た事ございません、素晴らしいです!!」

「あはは、ありがとうございます。それより登録を……」

「おお、そうでした、取り乱して申し訳ございません。私とした事が、では早速」

 ようやく落ち着いたようで、ルパートさんは作業を再開する。

 すぐに作業を済ませギルドカードを返して来た。

 内容を見ると奴隷欄のウイの後ろにティアナと追加記入されていた。


「これですべて完了致しました」

「ありがとうございます。ティアナ、これからよろしく」

「よろしくお願いいたします。ご主人様」

 うん、いい笑顔だ。ウイが一緒だからなのか嫌々では無さそうでよかった。


「それではルパートさん、今日はこれで。また新たにパーティーメンバーを増やす時にでも伺わせてもらいます」

「少々お待ち下さい。レオンハルト様は他にもパーティーメンバーを増やすご予定なのですか?」

「ええ、能力次第ですが、今後メンバーを増やしていく予定ですよ」

「そうですか、能力次第ですか」

 ルパートさんは何が言いたいのだろう?

「実は1ヶ月後、ここ王都で奴隷を含めたオークションが行われます。そこで、女性のハイエルフが出品されると噂がございまして」

「ハイエルフですか……」


 ハイエルフと言ったら、エルフの上位種にあたり、精霊に近い存在と言われている。魔法能力に特化した種族であり、魔法での戦闘では魔人を除けば最強の種族と言われているはずだ。

『その認識で間違いありません』

 という事はうちの戦力として実に欲しい逸材だ。


「ルパートさんの所からの出品では無いのですか?」

「ハイエルフは他店の出品です。当店も何人か奴隷を出品させていただきますが、さすがにハイエルフは手に入りませんでした」

 他のお店が出すのにわざわざ教えてくれるって、ルパートさんいい人だな。

「ルパートさんにメリットがないのに、教えていただきありがとうございます」

「いえいえ、当店にもメリットは御座いますよ」

 ん?

「このオークションの主催者はこのレベロ商会でございます、販売価格の一部が当店にも入ってまいりますので」

 ああ、なるほど。そういう事か、オークションに参加する人が増えれば値段が吊り上がる可能性が高くなるし、参加者が増えたからと言って特に困る事もない。むしろより多く参加して欲しいくらいだろう。

「なるほど、そういう事でしたら是非参加させてもらいます」

「レオンハルト様でしたら、そうおっしゃっていただけると思っておりました、ではこちらがオークションの招待状です。お越しの際は招待状をお忘れなく」

 招待状も準備済みとは、ルパートさんの手のひらの上だったようだ。まぁ、いい情報だったから問題ないけど。

「わかりました。また1ヶ月後に」

「畏まりました。その際はまたよろしくお願いいたします」



 そして、俺は新たにティアナを仲間に加え、レベロ商会を後にした。

 最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 ブックマークや評価ポイントを頂けると、とても嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ