第13話 魔法
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エルセンに戻ると早速、冒険者ギルドに寄って、討伐報告と素材売却を行った。
あまりの量に、エレーラさんはかなり引きつった笑顔をしていたように見えたが気にしないでおこう。
その後今日の討伐報酬分と素材売却分のお金を受けとったのだが、116,400コルドと今まで見たことの無い金額だった。おそらく俺が今までの人生で薬草採取などで必死に稼いできた総金額と大して変わらない金額だと思う。
この稼ぎの一番の理由はやっぱり【マップ】&【探知術】コンボと【神倉】だろう。
普通の冒険者は俺と同等の戦闘力を持っていたとしても、魔物をあんなに簡単に見つけられないだろうし、たとえ同じだけ倒せたとしても、あの数の(ゴブリン×10、オーク×11、ブラックウルフ×10、アーリータイガー×1、ビッグスパイダー×1、オーガ×4)魔物素材を持ち帰る事が出来ない。俺には【神倉】があるから倒した分だけ持ち帰れる。
更には解体作業に掛かる手間だ。【神倉】には収納品の解体機能がついており魔物を一瞬で解体出来てしまう。それだけでも時間的優位が大きいのに、それどころか修復、浄化機能までついており、どんな素材も最高品質の解体が出来てしまう。これは他の冒険者と比べてかなり大きなアドバンテージになっているはずだ。
おそらく同ランクの冒険者パーティーと比べて、稼ぎだけで10倍はあるだろう。更に普通は4~6人でパーティーを組んで行動しているからその分の人数割りをしなければならないが、それもしなくていい。これらの事を考えても俺の収入は普通の冒険者と比べて50倍以上は有りそうだ。とんでもない稼ぎだ。
エレーラさんの引きつった笑顔に、爽やかな笑顔で返してギルドを後にした。
さて、明日はどうするか。
宿屋に戻った俺は早速明日はどうするか予定を決める事にした。
取りあえず、何をやりたいか項目に挙げていこう
①トロール&オーガの群れを倒すのに有効な広範囲攻撃魔法の開発。
②各属性の単体用魔法の開発&【死霊魔法】のお試し
③殺さずに相手を無力化する手段の習得
④【マップ】機能を使った薬草などの採取
⑤エルセン・シティの観光
今、考えつくのはこんな所だろう。
明日1日で出来るかは分からないが、まぁ、急ぐことも無い、それに【創造神の加護】のお蔭で想像していたより、かなり順調な冒険者としてのスタートを切れたと思う。
ただ、まだまだ最強の冒険者には程遠い。もっと己を磨かねば。
そう思いながら、今日の自分の成長を確認する為ステータスを見た。
【名前】 レオンハルト 【年齢】 15歳
【種族】 人族 【職種】 冒険者
【ランク】アイアン
【レベル】24(GS)
【HP】1222/1222
【MP】12249/12249
【筋力】717 (GS)
【耐久】713 (GS)
【俊敏】713 (GS)
【器用】712 (GS)
【知力】713 (GS)
【魔力】714 (GS)
【幸運】715 (GS)
【加護】創造神の加護
【装備】鋼のバスタード+1 鉄のバックラー 革鎧 布服 布ズボン 革ブーツ 力の指輪
うん! MPがついに1万超えてしまったな。
他の能力もかなり上がっている。これならもしかしたらトロール&オーガの群れも、力尽くで倒せる気がするな。いやいや、無茶はやめよう。慌てる必要はない。
では次はスキルだな。
【究極スキル】
:神眼
神倉
神器
神賢
【特殊スキル】
:偽装者
武の神才
闘の神才
魔の神才
補の神才
探の神才
隠の神才
耐の神才
【上位スキル】
:武装術 レベル 4(UP)
闘鬼術 レベル 2(UP)
魔道術 レベル 2(UP)
探知術 レベル 3(UP)
隠密術 レベル 2(UP)
七元魔法 レベル 2(UP)
結界魔法 レベル 1
空間魔法 レベル 1
転移魔法 レベル 1
付与魔法 レベル 1
精神魔法 レベル 1
死霊魔法 レベル 1
召喚魔法 レベル 1
七元耐性 レベル 1
混合魔法耐性 レベル 1
物理攻撃耐性 レベル 1
【通常スキル】
:生活魔法 レベル 2
採取 レベル 3
少しずつレベルは上がっているようだが、さすがに1日ではあまり変わらないか。まあ1日で上がっている所があるだけでも異常だな。
まぁ、こちらも慌てずスキルを伸ばして行くようにしよう。
明日の予定と自分の能力確認を終えたので、今日は晩飯を食べたら早めに寝る事にした。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
翌朝、6時の鐘と共に起きた俺は、1階の食堂で早めの朝食をとり、エルセンを出た。
魔法の訓練に適した場所を探しながら、【マップ】機能を使い、薬草の採取ポイントを表示させ、採取しながら移動する。
エルセンを出てから1時間が過ぎた頃、丁度頃合いの場所を見つけた。
街道からはかなり離れており、人の気配が全く無く、拓けた場所だが、魔法の標的に丁度良い少し大き目な岩がゴロゴロしている。また近くには森があり、魔物相手に魔法を試す機会もあり得る。そんな場所だ。
さてと、まずは何から始めるか。
最優先としては広範囲魔法だろう。そうなると候補としては、火魔法と風魔法そして土魔法の3つだろうか。火魔法なら爆発系、風魔法なら竜巻系、土魔法なら地形変化系だろう。後は複数の属性魔法を合わせた混合魔法だろうな。それ以外にも単体用の魔法をいくつか考える事にした。
そしていくつか試した結果、結構な数のいい感じ魔法が完成した。
それではいくつか紹介しよう。先ずは広範囲魔法から。
『ファイヤー・ボール』炎の玉が目標に着弾すると同時に爆発し、周囲にもダメージを与える
『ブレード・ストリーム』風の刃で作られた竜巻
『ファイヤー・ストリーム』火魔法と風魔法の混合魔法、火災旋風を巻き起こす
『サンダー・バースト』水魔法と風魔法の混合魔法で広範囲に放電現象を起こす
『グランド・ニードル』広範囲の地面から岩の針が突き出る
次に単体用魔法だ。
『サンダー・アロー』雷の矢、麻痺を引きおこす
『アース・ニードル』地面から岩の針が突き出る
『アイス・アロー』氷の矢、冷気で相手の動きを鈍らせる
『ライト・レーザー』高速で光のレーザービームを撃ちだす
『シャドー・バインド』指定した影が伸び目標を拘束する
『ウインド・エッジ』剣に風を纏わせ攻撃力を強化する
といった感じだ。これ以外にも、広範囲魔法、単体用魔法共に色々作ったが追々披露していくことになるだろう。
さあ、次だが【死霊魔法】を使ってみよう。余りいいイメージは無いが、他対1のように多くの敵に囲まれた時や、野営する時の警備にもってこいなので使えるに越したことはない。
【ロラ】が言うには【死霊魔法】は【七元魔法】と違い、イメージで魔法を構成するのではなく、【死霊魔法】スキルを持っていると召喚出来る死霊がなぜか頭の中に浮かんでくる(召喚出来る死霊の種類はスキルレベルが上がるたび増える)。そこから任意で死霊を召喚するのが【死霊魔法】の基本らしい。同じ死霊を召喚したとしてもスキルレベル、術者の魔力、込めるMPの量によってその強さは変化する。
それ以外にも倒した魔物の死体をアンデッド化させる、などのスキルの使い方があるようだ。
ちなみに現状召喚出来る死霊は次の通りだ。
『ゾンビ』『グール』『スケルトン』『スケルトンウォーリア』『スケルトンナイト』『レイス』
これらを一通り召喚してみて実力を確認する。
この中ではスケルトンナイトが一番強力で、オーガくらいなら単独撃破出来る実力だ。弱点として、陽の光の下ではかなり弱体化するということだが、アンデッド系の弱点なので、これは致し方ないことだろう。
では最後に殺さずに相手を無力化する手段の習得だが、これに関しては以前から考えていた方法が2つある。
1つは【七元魔法(土)】を使った拘束だ。
土魔法を使って、手枷、足枷を創り、敵を拘束する。また、檻のような物を創り相手を監禁する。
土魔法は他の属性魔法と違い、物理属性を持っているためこのような手段が採れるのだが、さらにMPを込めれば込めるだけ土魔法で創られた物は強度を増していく利点もある。この法則を利用して手枷、足枷、檻を鋼並みの硬度にして使用することだって出来る。
2つ目は【精神魔法】を使った方法だ。
【精神魔法】は精神系状態異常を引き起こす魔法で、主に引き起こす状態異常は『睡眠』『魅了』『混乱』『恐慌』などがある。
【精神魔法】は【死霊魔法】と近い法則で、【精神魔法】スキルを持っていると現在のスキルレベルで使える魔法が頭の中に浮かんでくる。そこから使いたい魔法を選択して使用する。
現在使える【精神魔法】は次の通りだ。
『スリープ』睡眠状態を引き起こす
『チャーム』魅了状態を引き起こす
『コンフュージョン』混乱状態を引き起こす
『フィア』恐慌状態を引き起こす
『マジックキャンセラー』魔法を封じる
まだ数は少ないが、敵を無力化する点でいえば『スリープ』があれば充分か。
この【七元魔法(土)】と【精神魔法】を練習していく。
土魔法は思った以上に上手くコントロールできた。簡単に手枷、足枷が完成し、強度もかなり強く俺が力一杯岩に叩きつけたがヒビひとつ入らなかった。続いて牢屋を作成したがこれも思いの外上手く出来た。大きさや形など自由に変えられるし、強度も申し分ない。知力や魔力が高い上【魔道術】スキルの【魔力精密操作】がかなり効果を発揮しているらしくイメージ通りの出来栄えになった。
ちなみに魔法名は手枷、足枷魔法を『メタルマナクル』、牢屋を『メタルケージ』と付けて使う時にイメージしやすいようにした。
続いて【精神魔法】だが、実験台がいないと練習にならないので、まずは森に移動してターゲットを探す。人をイメージしやすいようにゴブリン、オーク、オーガをターゲットにする。
1時間程、オーガには会わなかったが他のターゲットを見つけては【精神魔法】を試す。結論から言うとかなり使える魔法だ。使う魔法にもよるが、まず効果範囲は20m程、その範囲であれば視認出来なくてもターゲットの位置を正確に把握出来れば、問題なく魔法をかけられる。【マップ】機能があれば建物の外からでも行使可能なので俺との相性が抜群な魔法だ。欠点として効果が現れるのに時間がかかる事と、魔法を使う時はかなり集中しなければならない為、隙が大きくなってしまう事だ。1対1ならまだいいが、複数体相手の戦闘となると、戦闘中にかけるのは難しい、使うなら不意打ちが中心になるだろう。
ちなみに『チャーム』は他の【精神魔法】と違い、相手と視線を合わせた状態になる必要があるので戦闘中はもちろん不意打ちも無理だった。
予定通り、魔法の訓練&テストを終えて、スキルレベルも上がり、充分満足のいく結果になった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
戻る前に少し狩りをして稼いでから帰ろうと【マップ】を開き魔物を探してしいると、【マップ】上に黄色の反応が表示された。
黄色の表示は人の敵性反応。動きから見ると特に俺を狙っている訳ではないようだ。ということは盗賊の類だろうか? 円の大きさから5人以上はいそうだ。
取り敢えず近くに行って確認してみることにした。
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