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ゼロのダンジョン、進化中!  作者: 真弓りの
ダンジョン改良

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休み…なのか?①

25日目の朝。


「ハク!!ほら、起きて!」


久々に、ゼロの声で目が覚めた。

…でも、今日って…確か、休みの日だったんじゃ…。寝ぼけた頭で、ボンヤリと考える。


「はい、布団から出て!ご飯食べて!」


有無を言わさず布団を剥がれる。見れば食卓には、お茶漬けがチョコンと置かれていた。…このクオリティは…多分、ゼロが用意してくれたんだろう。


「いただきます」


とりあえず、お茶漬けを黙々と食べる。すると、ゼロがいそいそとデカい本を片手に、近付いて来た。


…聖魔法の魔導書、だな…。

間違いなく。


いや、分かってる。


ゼロが俺のために教えようとしてる事も、ずっと一人で聖魔術を勉強して、スターセイバーをマスターしてくれたって事も。


分かってるけど…。


何も、朝早くから叩き起こさなくても、いいじゃないか…。ちょっと泣ける。


俺はこの日、朝早くから魔力が尽きるまで、またもや延々とスターセイバーの特訓を受けた…。倒れるように仮眠して、目覚めたら既に夕方5時を回っている。


……俺の、休日は……?


ちょっと悲しい…。


「あ、おはよ。……って、ビクつかないでよ。酷いなぁ」


ゼロの声に、思わず若干肩が動いたのがバレたらしい。 まぁ、それ位は許して欲しい。たった2日で軽くトラウマになるくらい、魔法漬けなんだし。


そして、そこまでしてもまだ、スターセイバーを覚えられてない俺…。


さすがに凹む…。

しかもゼロも責任を感じているかのように気まずそうだし。実際は別にゼロになんか責任あるわけでもなく、ひたすら俺の魔法の覚えが悪いだけだから、ゼロが気にする事はひとつもないんだが。


それでも、気まずさから出たんだろうゼロの言葉に、俺は文字通り飛び上がって喜んだ。


「ハクさ、昨日、今日ってすごい頑張ったから、武器は試してみてもいいよ」


えっ?マジで!?


「現金だな~。すっかり元気になっちゃって」


ゼロに笑われてしまったが、もうなんとでも言ってくれ。


あの時酒盛りしながら話し合った武器。最後の方はどんな話になったんだか、ぶっちゃけ覚えてないんだよ。まだ練習用の試作品だって言ってたけど、どんな出来栄えなんだか、もう楽しみでしょうがない。


「あっ、その前にさ、一つ相談にのってくれない?」


「へっ?」


意識が完全に新しい武器にいってて、つい間抜けな声が出てしまった…。


「ほら、講師問題。アライン王子の依頼分はあとで考えるとしても、スキル教室のはやっぱり今日やるべきでしょ?」


「ああ、それか。そだな。…う~ん、せっかく召喚するなら、いろんな意味で効率よく召喚したいとこだけどな」


「効率…?」


呟いて、不思議そうな顔をするゼロ。


「ああ。むやみに人増えてもしょうがねぇし、グレイみたいに複数スキル持ちで人数少なく召喚したいって意味」


ゼロは納得したように頷いた。


「そういう意味ね。ついでにレア度コンプリートも兼ねて召喚しようかな」


早速ダンジョンコアに向かい、ゼロは条件を口にした。


「えっと、次の条件で検索してくれる?獣人で、格闘、斧、棒、銃のどれかをスキル保持してて、さらに複数スキル保持してる人」


コアはあっと言う間に候補者をはじきだす。


候補者は12人。狐の獣人はキーツで間に合ってるから、狐の獣人を外すと10人が残った。


「ん~…この中で、格闘、斧、棒、銃の中の、2つ以上保持してるのは…?」


一人だけ。格闘と斧のスキルだ。

犬の獣人らしい。


スキルの傾向から、なんとなくムキムキで濃そうな…言ってしまえばザイガン兵士長みたいな、ムサアツい顔が浮かぶ…。遠慮したいが…お買い得なのは間違いない。こいつは召喚で決まりだろうな。


「あとは…棒と銃のスキル保持者だけ表示してみてくれる?」


かなり少なくなった。対象者はたった4人だけ、しかも銃を扱えるのはそのうち一人だけ。羊の獣人だった。


羊の獣人は決まりだな。


あとは…。 棒を使える猫の獣人がいれば、そいつに決まりなんだが。


ゼロがステータスをガン見しているから、俺はとりあえず大人しく待っている。


「…どうだ?」


「ん~…棒スキル持ちで猫の獣人ってのがいないんだよね…。」


難しい顔してると思ったらそういう事か。


「条件合わないヤツ召喚してもしょうがねぇし、棒はまた今度にすれば?少なくとも3スキル分は補充出来るんだし」


そんな訳で、今俺達の前には、二人の獣人が立っている。


格闘と斧スキルを持った犬の獣人は、やっぱりむくつけき大男だった。全体的に線が細いウチのダンジョンでは、一際異彩を放っている。名前はゴールとつけた。


銃のスキルを持った羊の獣人は、なんと可愛らしい女の子だ。 小さな耳と、その横の大きな角も可愛い。オドオドして、ゴールの後ろに隠れている。この子はラムと名付けられた。


二人は早速スキル教室に派遣するけど…。だんだんスキル教室もバラエティに富んだ講師陣になってきたな。



晩メシを皆より一足先に終えると、俺は練兵場に急いだ。一刻も早く武器を試してみたい。ドキドキしながら、武器が入った包みを開ける。


………?


これは………?

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