メンテナンスします!②
5体揃えばかなり手強い集団だが、バラバラなら戦いようもある。分裂で増えたスライム達は、ジャングルに個別に配置された。
第3ステージの砂漠は色々なスキルを持ったスライムメイジ達が中心だが、普通のスライムも12体、配置してある。
砂漠に適応してくれないかと、メチャメチャ期待してるんだが、どうだろう…?
「えっと…スライム12体を、アップで見る事って、できる?」
ゼロが尋ねると、すぐさまモニターが12の小画面に分割された。…頼みさえすれば、相当期待に応えてくれるらしい。
画面から察するに、どうやらスライム達は、各々住処を決めたようだ。
ゴツゴツした岩肌部分に2体、間欠泉周りに2体、砂漠のオアシスの草原部分に4体、泉の中にぷかっと浮いてるのが2体、そして、砂漠部分で頑張ってるのが2体…。
砂漠で頑張っているスライムは、ずいぶんコンパクトなサイズになっていた。でも、心なしか黄色みが出てきて、進化の兆候がみえている。
水分ないと縮むくせに、無理しやがって…。
進化を期待してるんだから、砂漠にいてくれないと困るんだが、実際に頑張ってるのを見ると可哀想にもなる。
進化した暁には、沢山お祝いしてやろう。
ざっと見た感じ、スライム・ロードは個体数も順調に増えて、来週からのオープンに、何の問題もなさそうだ。
とりあえずは、良かった。
スライム・ロードのオープン告知と挑戦者募集をしたら、想像以上の大反響で、もはや今更オープン延期とかは怖くて言えない状況だったんだ。
朝メシも終わり、安心した所で皆一旦持ち場に戻る。この頃ルリやユキも朝メシ後そそくさとスキル教室に行くと思ったら、なんと生徒として授業を受けているらしい。
誰だって、強くなりたい。
知らない所で努力してるんだな。俺も負けてられないよ。
「なぁゼロ、俺の貯金ポイント、どれくらい貯まった?」
「えっとねぇ…あっ!53400ポイントだから…50000ポイント越えたね!」
「よっしゃあ!!」
思わずガッツポーズ!!
ゼロは笑いながら「後で変化のピアス、召喚しようね」と、約束してくれた。
これで心置きなくムサ兵士達を真の格闘講師達に引き継ぎできる!
「僕もスターセイバー覚えたよ。後でハクに教えるからね」
おお…!いよいよクラスチェンジの条件が整って来た…! ゼロが頑張って覚えてくれたスターセイバー。絶対に覚えてみせる!
闘志を燃やす俺をニコニコと見守るゼロ。その顔を見ていたら、結構大事な事を思い出した。
「そういえばさ、俺のクラスチェンジ条件、基本レベル40設定だっただろ?」
「うん。」
「スラっちもさ、レベル40でクラスチェンジしたりしねぇかな。」
ゼロの瞳がキラキラと輝き出した。
「それ、あり得るかもしれない!」
コアに向かうと、「スラっちのレベル、40までアップ!」と叫んでいる。いくらスラっちがローコストでレベルアップできるからって、行動早過ぎだろう…。
…とは思いつつも、好奇心の方が勝る。
カタログのモンスターページの、スライムメイジの項目を見てみると、案の定クラスチェンジ情報が付記されていた。
ただ残念ながら、やっぱり大事な情報がシークレットになっている。今度は42項目がシークレットだから…全部解除するなら8400DP必要って事だな。
まあ、今は毎日冒険者達も来ているわけだし、問題ないだろう。
案の定、ゼロは迷う事なく、シークレット部分の解除をコアに指示した。
『スラっちのクラスチェンジ情報のシークレット部分を全て解除します。』
表示された内容を、二人して真剣に検討する。
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『スライムセージ』
*クラスチェンジ条件:
スライムメイジで、レベル50以上。
MP:1000以上。
*レベルアップ時の追加ステータス補正:
MP+10、知力+10
*自動修得スキル:
「下級白魔術」「下級聖魔術」
*次期通常クラスチェンジ一覧:
「エンジェルスライム」「スライムヒーロー」
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『スライムヒーロー』
*クラスチェンジ条件:
スライムメイジでレベル50以上。
MP:1000以上。
筋力:500以上。
スキル:10種類以上を所持。
*レベルアップ時の追加ステータス補正:
HP+10、MP+10、筋力+10、幸運+5
*自動修得スキル:
「カウンター」「皆の勇気」「慈愛」
*次期通常クラスチェンジ一覧:
「レジェンドスライム」「グレートスライム」
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