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ゼロのダンジョン、進化中!  作者: 真弓りの
ダンジョン改良

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307/320

新しいダンジョン、どうする???

昨夜はさすがに俺もゼロも疲れ切っていて、ダンジョンに帰り着いたらベッドに直行してしまった。もちろんベッドに入った瞬間に、糸が切れたように眠りに落ちる。


そして翌朝。



「ハク、おはよー!」


「遅せーぞ、ハク! そろそろ飛び乗ろうかと思ったんだからな!」



いつも通りユキとブラウが起こしてくれて、テーブルにはカフェから届けられたんだろう色とりどりのサラダとコーンスープ、具材色々のサンドウィッチとハムやウインナー、スクランブルエッグなどがところ狭しと並べられている。


ゼロもみんなと楽しそうに雑談していて、昨日の落ち込んだ様子はもうない。一晩寝て、気持ちが切り替えられたんだろう、良かった。


わいわいとみんなで食卓を囲み、半分くらい食べ進めた時だった。



「みんな、食べながらでいいから聞いてくれる?」



サンドウィッチを頬張りながらゼロが話し始めると、急にみんなの顔が真剣になった。多分、昨日俺とゼロが急に王宮に呼ばれたことをみんな気にしてたんだろう。



「昨日、僕とハクが王宮に行ったよね。実はクリームヒルト様とカエン達の会談を聞いてきたんだ」


「それは貴重な場に同席されましたな」



各々のカップにコーヒーだのミルクだの紅茶だのを注ぎながらグレイが相槌を打つ。一緒に食べればいいようなものだが、給仕している方が性に合うらしい。



「うん。クリームヒルト様って世界各国を周遊してるらしいんだけど、別の大陸じゃ巨大化してるダンジョンが増えてきてるのが気になるって言ってた」


「ふうん、それで?」


「攻撃的で近隣の町や村を襲う事例が増えてるって言っててさ、カエン達も警戒してた」


「ちょうどいいじゃない」



ルリはこともなげに言う。



「カエンにそういうダンジョンに派遣する冒険者達を鍛えるためのダンジョンを依頼されてるわけでしょう? この前ちょっと話してた新しいダンジョン、あれに速攻で取り組めば?」



思わず笑った。ルリのやつ俺とまったく同じこと言ってるし。ゼロも笑ってしまったもんだから、ルリは怪訝な顔だ。



「なによ」


「昨日、ハクにもおんなじこと言われたから」


「ねえ、ボクのダンジョンもできるの!?」


「お、オレのは!?」



ユキもブラウもキラッキラの目で椅子から飛び降りてゼロに駆け寄る。ゼロは二人の頭を撫でながら、「もちろん作るよー」と約束している。こんなに喜ばれちゃ作らないわけにはいかないよな。



「ブラウの分を早めにお願いしますー。その方がはかどりますー」


「マーリン、ひでえよぉ」


「おー、今日も相変わらず賑やかだなぁ」



そんな感じですっかり和やかな雰囲気になったところに、いつものごとくカエンが現れる。



「カエン、おはよー!」


「カツサンド残してるぞー!」



言いながら、子供ふたりがカエンに飛びつく。最初は火龍のカエンにめちゃくちゃびびってたコイツらだけど、今となっちゃめちゃくちゃ懐いている。


飛びつく二人を力強い腕で受け止めてから頭をぐりぐりと撫でてやっている姿は、ぱっと見豪快な親父とやんちゃな子供たちだ。


二人から引っ張られて食卓に着きながら、カエンはゼロの顔をのぞき込んだ。



「お、意外と元気じゃねえか。昨日は顔が青かったから、ちょっと心配してたんだが」


「うん。別の大陸じゃ巨大化してるダンジョンが増えてきてるって皆に話したんだけど、結果、なんかむやみに怖がらなくっていいんだって思えたから」


「へえ」


「どうせ冒険者達を鍛える上級ダンジョンを作るんだから、それを頑張ればいいって」


「……そうか」



ニヤリと、笑ってカエンがゼロの頭にポンと手を置いた。



「心配すること無かったな。それでいい」



ゼロも嬉しそうにサンドウィッチに噛みついている。和やかに食事が終わって、俺たちは早速部屋中を埋め尽くす巨大ベッドの上で真っ白い紙を広げて新しいダンジョンの話を始める。


ちなみにマーリンはダンジョンの構築にはこれっぽっちも興味が無いらしく、さっさと錬金部屋にこもってしまった。弟子のブラウが自分のダンジョンもできるかも、と興味津々でダンジョンの話に加わっているもんだから、「邪魔されずに済む」と至極ごきげんだった。



「さ、じゃあ早速アイディアラッシュからいこうか!」



ゼロの号令で、みんなが一斉に考え出す。


ちなみに今日のお題は『こんなダンジョンはイヤだ、ヤバい、全滅しそう』という、なんとも物騒なものだ。各自ペタペタくっつく変わったメモ用紙をゼロから配られて、「思いついたのどんどん書いといて-」とか適当なことを言われてしまった。


ぶっちゃけ頭脳労働はちょっと苦手だ。うーん、うーん、と呻る俺の横で、ルリるは鼻歌まじりで次々と紙にペンを走らせている。そして逆隣に座っているゼロは、こそっとカエンにこんなお願いをしていた。



「前にレジェンドのおじいちゃん達から、昔のダンジョンの事を聞く時間を作ってくれるって言ってたよね。あれ、できるだけ早くしたいんだけど……」


「ああ、明日にでも派遣できるように手配しよう。オレ様も昨日の話を聞いて、あんまりうかうかしてられねえな、とは思ってるしな」



なるほどな。色んなアイディアを一気に出して、大まかなダンジョンイメージを作るつもりなんだろうなぁ。

めちゃくちゃ久しぶりに更新しようとしたら、だいぶ読み込む必要があってちょっと遅くなってしまいました。楽しんでいただけると嬉しいのですが。

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先日完結しました。首席騎士様が強いのにカワイイとの感想を多数いただいております(笑)

― 新着の感想 ―
[良い点] ふぁ!?めっちゃ久しぶりの更新!嬉しい! [一言] どんなダンジョンが出来るのか楽しみだなぁ〜
[良い点] お、連載が再開した。 楽しみにしております。
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