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ゼロのダンジョン、進化中!  作者: 真弓りの
ダンジョン改良

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たくさんのチケット

「そ、そうですね!」



パアッとラビちゃんの顔が明るくなる。ライオウはすっかりラビちゃんのフォロー役として定着したようだ。


レアモンスターチケットでもっと早期に他の仲間が召喚されていたら、二人の信頼関係はこんな風には強固にはならなかったかも知れないわけで、このタイミングで良かったとも考えられる。


少なくとも、ライオウにとってはこの期間はなくてはならない重要なものだったに違いない。


良かったな、ライオウ。


俺は、同じダンジョンモンスターとして、そしてマスターの最初の召喚モンスターとして、こっそりライオウを祝福した。



「えーっと、結構たくさん貰っちゃって」



ラビちゃんによると、とりあえず最終的にはレアチケット2枚、ユニークチケット1枚、スキルチケット1枚がゲット出来たらしい。



「ああ、僕達の時と同じだね」


「そうだな、他のヤツはちょっとアレだから、とりあえずレアモンスター召喚でもしてみたらいいんじゃないか?」


「ちょっとアレって……どういう感じなんですか?」



ラビちゃんのうさ耳が不安気にピクピクと動く。



「あれ?コアから説明なかった?」


「……いっぺんに沢山言われて、よく分かんなかったです……」



またもやシュンと項垂れるラビちゃん。地味にこの落ち込んだ時のうさ耳のしょげっぷり、可愛いよなぁ。ゼロも目を細めてニコニコと笑い、おもむろに口を開いた。



「ええと、スキルチケットは誰か一人になんでも好きなスキルを付ける事ができるんだ」


「マスターでもモンスターでも、どっちにでも使えるんだったよな」



俺もすかさず相槌を打つ。



「うん、だから成長する系スキルなら早めにゲットした方がいいんだよね」


「へぇ……」



ライオウも興味深そうに耳をそばだてている。



「ただスキルって付与すると結構ポイント使っちゃうし、もしポイントが少ないなら本当に必要なスキルが出た時に困るからとっといた方がいいでしょ?」


「なるほど」


「確かに、ですね」



ゼロの説明に二人とも納得の表情だ。ただ、もうひとつ言っておくべき事がある。



「あと、スキル選んで取得しようにも、尋常じゃない量のリストだからな。今ここで軽く選べるもんじゃない。じっくり考えた方がいいと思う」


「だよね、あれは大変だよね」



ゼロもうんうん、と深く首肯いている。ゼロは結局俺にスキルをつけてくれたわけだが、それを選ぶのだってそりゃあてこずったんだ。しっかり選ぶにこしたことはないと思う。



「分かりました、スキルチケットは後回しですね。ちゃんとしっかり考えてからにします」


「うん、それがいいよ」


「あとはユニークチケットだけど……これってホントに何が出るのか見当がつかないんだ」



そう、最もギャンブル性が高いのがこのチケットだろう。本当に何がでるのか分からないらしい。


俺達の時には『錬金釜』という、かなり使い勝手のいい物が出たからラッキーだったが、実はこのチケット、ダンジョンの属性がでる事もあるらしい。たとえば瘴気だの火山だのにいきなりダンジョン属性が変更されたら真面目に困るよな……。


面白いチケットなんだが、結構な危険も伴うんだ。


逆に設備や植物、動物、レアですらないモンスター、あげくは『ハズレ』って事で何も出ない事すらあるというから別の意味でも恐ろしい。


わくわくしてチケット使ったら『ハズレ』だったとか、結構泣く。



ちゃんとそう説明したというのに、話を聞いたラビちゃん達は、意外な反応を見せたのだった。



「ふあぁ、なんだか面白そうなチケットですねぇ」


「リスクがあるなら、使うのは今じゃねえのか?」



ゼロも思案して、そうだね、と答えている。



「確かに人が増えて建物がたくさん立ったあとじゃ、リスクが恐くて余計使いにくくはなるもんね」



うん、そう言われれみれば、俺達も相当初期段階で使ったっちゃ使ったな。



「それに、このギャンブルチケット使うならゼロ達がいる時の方がいいかも知れないな」



なるほど、ライオウの言う事にも一理ある。いざって時の対処に安心感があるもんな。



「じ、じゃあ……これ、使っちゃいますよ?」



びくびくとうさ耳を震わせながら、ラビちゃんはマスタールームへと戻っていく。


さて、いったい何が出るのやら。



ラビちゃんがマスタールームに消えてわずか数分だとは思うが何か微妙に緊張する。俺達がユニークチケット使った時ってわくわく感しかなかったんだが、他所のダンジョンの方が緊張感があるって不思議なもんだな。


見回すと、ライオン君もゼロも、やっぱり落ち着かない表情だった。


落ち着かなくて、もう一度ラビちゃんが入っていったマスタールームを見た瞬間だった。



「えっ……ひゃあぁぁあぁぁ?」



ラビちゃんの気の抜ける悲鳴が聞こえた。



「ぜ、ゼロさんっ? どうしよう、来て……! 助けて下さい~!」



一瞬だけ顔を見あわせて、ゼロが猛ダッシュした。



「どうしたの、ラビちゃん!」


「なんか、なんか、でっかくって、これ、どこに配置したら……!」



コアを覗き込み、ゼロがあんぐりと口を開く。

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