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ゼロのダンジョン、進化中!  作者: 真弓りの
ダンジョン改良

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レジェンド達④

「で、どっちだ?両方か?」


「いや…えーと…俺が闘った英雄はいい人だった」


「アラレア様な。名前くらい覚えろ」


犬耳紳士に軽く睨まれる。礼儀にうるさいタイプなんだろう、多分。代わってバトルマスターが心配げに聞いてくる。


「じゃあオーグ様か?ちゃんと土下座したか?」


お師さんの場合、土下座がスタンダードなのか!?


「いやいや、別にその件では怒られてないから!他のレジェンドの人達に紹介されて、パシリに使われただけだ」


そう言った途端、周り中が一斉に湧いた。3人だけでなくどうやら周り中が聞き耳を立てていたらしい。


「てめぇレジェンドの皆さんに紹介されたのか!」


「うまい事やりやがって!」


「ルフィード様も居たか!?さっき見かけたぞ!?」


「ゴーズ様は!?」


「ちくしょう、いいなぁ!」


皆一斉に好き勝手な事を喚いている。まさに蜂の巣をつついたような大騒ぎだ。


あの爺さん達、マジで人気あるんだなぁ。ただし騒いでいるのは主にむさ苦しい男どもだ。あんまり羨ましくはないな。


必死で色々聞かれても、残念ながら俺は爺さん達の名前は覚えてない。分かるのは特徴だけだが…せめてそれだけでも情報提供してやるか。


「えーと…宰相やってる爺さんとか、デカくて酒豪っぽい爺さんとか、さっきスライムにケンカ売ってた爺さんとか…とにかく爺さんがざっと10人くらい居た」


ざっくりだが、分かる範囲で答えたら…「爺さんとはなんだ!」とガチで怒られた。


むくつけきファン達、マジで面倒臭い 。



レジェンドファン達の包囲網を抜けホッと一息ついたら、なぜかバトルマスターがついてきた。もう自分の事は話したくない。なんか他の話題、他の話題は…。


「ああ…そういやお前、もう試合済んだのか?」


「ああ、お前がレジェンド達に会ってる間にな。もちろん勝ったぞ」


「そうか、おめでとう。他の二人も勝ったのか?」


「…勝ったけど…お前本当に名前覚えない奴だな…」


呆れられてしまった。


「悪いな、名前覚えるの苦手なんだ。ところでお前、なんか用があったんじゃないか?」


「ああ…いや、お前…前にどっかで会ってないか?」


言いつつも自信はないらしい。


「さっきのアラレア様との試合…お前の闘い方がなんか見覚えある気がしてな。自分でもはっきりしないんだが」


……なんたる野生のカン。

こいつには特にボロを出さないように気をつけよう。


昼の三時を回った頃には一回戦が終了し、二回戦に突入した。100人をこえる猛者達の中でも、やはりレジェンド達は圧巻の強さを発揮している。出場していた7人のレジェンドは、誰一人欠ける事なく、二回戦へ駒を進めていた。しかもその殆どが瞬殺レベルだ。


はっきり言って強すぎる。


レジェンド達はトーナメントでもブロックを分けて配してあるから、このままいくとほぼレジェンドだけでベスト8とか普通にあり得そうだ。そう思うとじっとしていられなくて、俺はそっと立ち上がる。


「どこ行くんだ?」


くっ…バトルマスターか…目ざとい奴め。


「トレーニングルームだ。じっと見てるのも飽きたからな」


「俺も行く」


…遠慮したいんだが。


「えー!疲れない?」


「やり過ぎるなよ。試合に影響がでたら馬鹿らしいからな」


チャラたれ目と犬耳紳士が心配そうに声をかけてくれたが、それくらいの体力配分は当たり前だろう。心配ご無用だ。


バトルマスターとたらたら歩きながらトレーニングルームに向かう。


………ん?

なんだろう。トレーニングルームの周辺に、おっさん達がゴロゴロと横たわっている。


「昼寝か?一試合終わると次まで空き時間が長げぇからなぁ。穴場だな、こりゃあ」


バトルマスターの言葉に、なるほどなぁ…と納得しつつ近づく。しかし、近づく毎にそんな生易しい状況ではない事が分かってきた。


おっさん達は一様に汗だくで息も絶え絶えの状況だ。もしくは屍のようにピクリとも動かずに、ただただ横たわっている。


「なんだ!?どうしたんだ!」


青くなったバトルマスターがおっさん達に駆けよろうとしたのと、ほぼ同時だっただろうか。


トレーニングルームから一人のおっさんがヨロヨロと覚束ない足取りで出て来て…そのまま扉の前で倒れ伏した。


「大丈夫か!!」


バトルマスターが慌てて駆け寄る。


不審に思っておっさんが出てきたトレーニングルームに目をやると、なんだか見覚えのある顔が… あれ… Mr.ダンディか…?


なんだ?

なんか必死で手を振って…腕でバツの字を作っている。


ダメだ、分からん。

何が言いたいんだ、いったい。


近づこうと足を踏み出した途端、Mr.ダンディがトレーニングルームから飛び出した。


「ダメだ!来ちゃダメだ!逃げてくれ!!」


それだけ言ったかと思ったら、中から伸びた太い腕にまた引きずりこまれる。


何が起こってるんだよ…!

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