表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゼロのダンジョン、進化中!  作者: 真弓りの
ダンジョン改良

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

194/320

新武器開発会議③

ゼロによると棒を使って輪っかを操る人もいたそうで、本当に色々な使い方ができるらしい。


「本当はね、思い出してたらトリッキーな動きするの本当に色々あったんだけど…僕がうっすらでも教えたり、説明できそうなのがリボンと輪っか位しかなかった…」


ゼロは無念そうにため息をついているが、結構参考になったけどな。


「この輪っかもね、大きさもだけど、形状とか材質も色々あって…それこそ円形の刀みたいに平らなのとか、普段はビヨンビヨンしなる棒で両端を丸く繋げると輪っかになるってタイプもあったよ。」


へぇ…扱いは癖がありそうだが、それなら色んな戦い方が出来るかも知れない。グレイも同意見なのか、目を細めて頷いている。


「いや、充分ですよ。そういえばさっきの南方の舞踏民族ですが、面白い衣装を身に纏っていたのを思い出しました」


グレイはそう言いながら、さっきゼロが振り回していた割り箸からリボンを外し、首からかけた。


「普段はこう…首に長い布をかけているだけなんですが、戦闘ではそれを武器にしていましたよ。」


「ただの布か…?」


「ジャラジャラ飾りはついてましたが、丈夫なただの布です」


そう言ってから、グレイは目を閉じて記憶を辿るように話し始めた。


「戦闘になるとそれを目くらましに使ったり、ロープのように使ったりするんです。飾りが重りになるのか、打撃と言うか…足払いとかにも意外と使えてましたね」


「あー、俺様も見た!俺様が見た奴は布の先に拳大の石詰めて、明らかに打撃用にして使ってたなぁ」


……カエンが見た奴はかなり武闘派の凶暴な奴なんじゃないだろうか。グレイが言うような舞踏をベースにした華やかさとか美しさとか、そういうイメージ全然湧かないんだが…。


ただ、俺にはそっちの方が向きそうだ。

元々格闘スキルもあるわけだし、新しい武器をうまく戦いに組み込むイメージが何となくだが浮かんでくる。


「ふむ。インスピレーションが沸くのぅ。ゼロ坊、その輪っかを1日貸してくれんか」


「ふはっ!爺さんインスピレーションとか、粋な事言うじゃねぇか!」


ドワーフ爺さんの言葉に、カエンは爆笑している。爺さんはすました顔でドンと胸を叩いた。


「お前さんよりは数倍若いでの。ゼロ坊、できればそのしなる棒も欲しいんじゃがのぅ。…それからカエン、お前さんは転移でちょっくら南方に行って、その武器やらを手に入れて来てくれんかの?」


ドワーフ爺さんからテキパキ出される指示に各自頷きつつ、お互い明日やるべき事を確認する。


なにせスキルがスキルだから、今すぐパッと素晴らしい案が固まる…という訳にもいかない。一旦話に出て来たものを見たり、構造を検証したりしながら2日後にまた集まって話し合う事になった。


そうと決まれば後はお決まりのただの宴会だ。たまにしかない無礼講の宴会に、おっさん達は浴びるように呑んでいた。


俺はもう気が気じゃない。


おいおいドワーフ爺さん、そんなに呑んで大丈夫かよ…明日ちゃんと輪っかとかの構造検証出来る程度に控えてくれよ…?


俺の心配をよそに、ゼロは楽しくてしょうがない様子だ。酒も呑んでない癖に、なんでそんなにテンション高いんだ、お前は…。


「あははっ!皆楽しそうだね~僕、おつまみ追加頼んでくる!」


「おうゼロ!ついでにエルフ達やシルキー達も連れて来い!もう真面目な話は終わったからなぁ、後はもう宴会でいーだろ!」


「リョーカイ!折角だからもう、皆連れてきちゃうね!」


え!?なんでそうなる!?


ゼロがダッシュで出て行ったと思ったら、あれよあれよと言う間に、あっちからこっちからモンスターも人間も入り乱れて、会場である練兵場に入ってくる。


すげぇ…なんだこのカオス。


こっちではスライム達がうっすらピンクに色付いてぴょんぴょんクルクル回り始め、あっちではドワーフのおっさん軍団が肩を組んでダミ声で歌い始め…。そうこうしている間にイナバが楽しそうに景気のいい曲をピアノで奏で始めた。


調理場からはシルキーちゃん達が盛り沢山のパーティー料理を運んできて、ビールや酒もドンドン開けられていく。


完全に大宴会だ。

子供達までパジャマでオヤツを頬張っている。明日も普通にダンジョン開催するのに、なんでこんな事になっちまったんだ!?


「なによぉハクぅ、難しい顔しちゃってぇ呑みが足りてないんじゃない?さぁ呑め呑め~!!」


ルリ…完全に出来上がってんじゃねぇか!

俺は酒には呑まれねぇからな!


皆と違って俺は明日も命がけのバトルがあるんだよ。そんな何もかも忘れては呑めないんだ。たとえスラっちが楽しげに呑んではミラクルジャンプをかましていたとしても!


つーかスラっち…明日のバトル大丈夫か…。


今ひとつ場に乗り切れないまま、その夜はダンジョン総出の大騒ぎで、賑やかに更けて行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【作者の先日完結作品】こっちもオススメ♪

ここをポチッと押してね(^-^)

『魔法学校の無敵の首席騎士様は、ちょっとコミュ障、大型わんこ系でした』

先日完結しました。首席騎士様が強いのにカワイイとの感想を多数いただいております(笑)

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ