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ゼロのダンジョン、進化中!  作者: 真弓りの
ダンジョン改良

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他ギルドの挑戦者達⑲

「危ない!ジュリア避けて!!」


俺の狙いに気づいたのか、エロかわ精霊ちゃんがオネェ呪符使いを庇うように飛び出してくる。


「くっ…エアーガード!!」


ヌンチャクが当たる寸前で、風の盾で止められてしまった。反撃を避けるため瞬時に大きく2歩後ろに下がる。


「エアートラップ!!」


エロかわ精霊ちゃんの必死な叫びと共に、俺の周り中に小さな竜巻が幾つも幾つも浮かび上がった。その数20以上はあるだろうか。


俺の耳の横で轟々と唸る竜巻を満足げに見やり、エロかわ精霊ちゃんはにっこりと微笑んだ。


「身動きしない方が賢明よ」


どこから取り出したのか、小さな布切れを投げて寄越す。…と、その布は一つの竜巻に巻き込まれ、あっという間にズタズタになってしまった。


見た目は小さくても威力は竜巻そのものだ。少しでも動けば、たちまち竜巻の餌食で体中に裂傷を負うに違いない。


…さて、どうするか。


風の影響が少ないっていったら固くて重い鉱物系……なんだ、ロボか。


一気に巨大ロボに変身する。

体中に竜巻が当たり、それなりに外皮が削られてはいるが、生身で当たるよりダメージは断然少なかった。



突然どでかいロボに姿を変えた俺を、2人は驚愕の眼差しで呆然と見上げている。


「!!!!??」


目を見開くオネェ呪符使いに、悪いと思いつつも容赦なくどでかい拳を叩き込んだ。


驚きのあまり動きが完全に止まっていたエロかわ精霊ちゃんは、吹っ飛んでいくオネェ呪符使いを見て、声にならない悲鳴をあげ泣きそうな顔で倒れ伏したオネェ呪符使いに走り寄った。


「う…」


頭を抑えてゆっくりと体を起こすオネェ呪符使いにホッとした顔を見せた癖に、振り返ったエロかわ精霊ちゃんは鬼のような形相だ。


「よくも…!!」


怒りに任せて凶悪な魔力を練り込むエロかわ精霊ちゃんを止めたのは、なぜかオネェ呪符使いだった。


「待って…アタシが相手をするわ。確かめたい事があるの」


呪符を2枚取り出して、うち1枚に息を吹きかけ、高く放り投げる。


呪符からはどでかい雷が放たれた。


く…属性に節操がないな。

普通得意な属性がある筈なんだが、呪符に込められたものなら何でも出来るんだろうか。


さすがにあのレベルの雷をくらうとダメージも深い。樹人の爺さん魔術師に姿を変え回復魔法を唱えた後、攻撃に転じるためすぐさま毒舌格闘家の姿に変化した。


再び息を飲むオネェ呪符使い達。


その隙をついてエロかわ精霊ちゃんの首に手刀を落とす。


まずは、一人…。



意識を失うと同時に、エロかわ精霊ちゃんの姿は煙のように掻き消えた。ちゃんと呪符に戻ったんだろうか…。ちょっと不安だ。


「どういう仕掛け…?ただの姿形転写じゃないし…素材転写だけなわけないし…」


俺を凝視しながらブツブツと呟くオネェ呪符使い。相当いいセンいってる推理でむしろ凄いけどな。


そこに男性陣の怒号が響き渡った。


「気色悪い事すんな!!」


「日頃の恨みぃ!!」


突然背後から攻撃が…!?と思った瞬間、体が勝手に動きだす。


攻撃を受ける寸前、俺の脚が華麗に動き、男戦士を回し蹴りで蹴り上げ…気がつくと毒舌格闘家の腹にスクリューパンチを決めていた。


危ねぇ…!オネェ呪符使いに気を取られて、背後から毒舌格闘家と男戦士が近づいてきたのに気付かなかった。反射的に勝手に体が動いたから助かったが…仲間の姿を借りてるってのに思ったより普通に攻撃してきやがった!


「痛ってぇ…!もー!!兄さんが2人も居るとか怖過ぎだって!せめて化けるなら他の人にして!」


切羽詰まった声で男戦士から懇願される。…毒舌格闘家は仲間からどれだけ恐れられてるんだ。


「テメェ日頃の恨みってなんだ!」


そして間髪おかずに毒舌格闘家からアイアンクローされてるしな。


まぁ3人揃われるとこの毒舌格闘家の姿じゃ分が悪い。俺はすぐさま金色の髪が美しい天使に変化して空に逃げる。回復しながら武器も届かない場所で体勢を整えると、俺は数少ない取得魔法:スターセイバーを放った。


光の剣が降り注ぐ見た目かなり派手な技だけに、相手に与える視覚効果も抜群だ。


「聖魔法…!!」


驚愕の表情を隠しもしないオネェ呪符使い。なんだかんだ言ってかなり知識も豊富なんだな。伊達に1人だけレベル80越えてるワケじゃないらしい。


「間に合わない…!皆出来るだけガードして!!」


悔しそうに叫び、オネェ呪符使いは胸元から新たな呪符を取り出した。


せっかくスターセイバーで与えた深刻なダメージも、後を追うように放たれた回復魔法で相殺され、結局挑戦者達はピンピンしている。


苦労して獲得した大技だったのに…。

かなり悔しい。


「今度はこっちから行くわ!」


勇ましい声に、反射的に強烈な回し蹴りをお見舞いしてやったが、オネェ呪符使いは吹っ飛びながらも呪符に息を吹きかけこちらへ投げる。


なかなかしぶとい。


呪符は凄い勢いで俺に向かって飛んできて、あっという間に体に巻きついてしまった。


羽根までがっちり巻きとられ、墜落する。

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