濃いめの挑戦者達㉑ 10/8 1回目
そうきたか。
またも可愛さゼロのお願い…。
なんでウチのスライム達は可愛いナリしてエグいお願いばっかりなんだ…。
少し泣ける。
スキル教室の講師の面々も、苦い表情で顔を見合わせた。無抵抗の相手にガンガン攻撃するのは普通にいやだよなぁ。
スラっちは一人一人の前に行ってはぴょんぴょん飛び跳ねる。
「お願いします!お願いします!…って、かなり必死で言ってるよ…。」
ブラウは終始申し訳なさそうに通訳。どっちの気持ちも分かるだろうから、苦しい立場だ。
「分かった。とりあえず、まずは俺達だけでも協力しよう」
爽やかダーツが諦めたように言うと、知的美人のミズキも同意した。
「そう…ですね。魔道書も沢山買っていただいた事ですし、私達もできるだけ貢献しないと…」
「うう~…スラっち攻撃するの、ヤダぁ」
元気娘のヤイバちゃんは、珍しく涙目で肩を落としている。コノハちゃんも悲しそうだ。
男達はサバサバしたもんで、「そうと決まれば早速やるか!」と腕まくり。
うん、こっちはもう大丈夫そうだな!
頑張れ、スラっち!
安心したら、猛烈な眠気が襲ってきた。
まぁ、変化大特訓から立て続けに初めてのボス戦だ。そりゃ、疲れもするだろう。フラフラとベッドに近付き、そのまま倒れ込む。
めちゃめちゃ気持ちいい…!
俺はそのまま、気持ち良く意識を失った。




