表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゼロのダンジョン、進化中!  作者: 真弓りの
ダンジョン改良

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

116/320

新ダンジョンの構想

「確かに小人目線なら面白そうよねぇ」


「ピクシーサイズまで小さくすれば、蚊でも、蜘蛛やネズミとかでも強敵になるしな!」


「…虫は召喚しないから…」


俺のごく自然なアイディアに、ゼロは速攻で反応する。…どんだけ虫が嫌いなんだよ、お前は。


しかし小人化とくれば、昆虫類と壮絶バトルは避けられないだろう!俺は粘ってみる事にした。


「いやいや、蚊とか蜘蛛とか、普通サイズのちっちゃ~いヤツだぞ?さすがに怖くねぇだろ?しかもモニターの向こうなんだし!」


「だから余計にイヤなんだって!!小人目線で見たら、蜘蛛なんてめっちゃデカいよ??目が8つもあるんだよ!?」


想像したのか、自分の腕を自分で抱いて、ふるふると身を震わせている。モニターいっぱいに襲ってくる蜘蛛を想像したら…確かに気持ち悪い。


「う~ん、女性客は引きそうね」


「だよね!そうだよね!!」


ルリという味方を得て、ゼロは勢いこんで同意する。確かに女性客は引くだろうなぁ。


「しょうがない。虫系は諦めるか…」


俺の無念の言葉に、ゼロはホッと胸を撫で下ろしている。カエンはそんな俺達を見ながら、ポツリと一言。


「構想は面白れぇと思うんだが、どうやって小人にするんだ?そんな魔法、聞いた事もねぇんだが」


「よくぞ聞いてくれました!」


ゼロのテンションが一気にあがる。


「これ見て!」


ゼロが指差したダンジョンカタログのページには「小人スプレー」なるものが掲載されていた。


なになに…?


モンスターが貧弱でも大丈夫!小人スプレーで冒険者を小人にしてしまえば、モンスターを強化しなくてもローコストで冒険者を殲滅出来ます。


………。


まぁ、ダンジョンマスター用のカタログだから仕方ないのか…?かなり酷い事書いてある気がするんだが。


コストは1000DP。初期投資としては厳しいが、むしろ小人スプレーさえあれば、モンスターなんか召喚しなくてもいいかも知れないな。


「はぁ~、なんでもアリだな」


カエンは頭を抱えている。


「しかもね、これ見てよ!これがあれば臨場感ある映像が撮れると思うんだよね~!」


超小型CCDカメラ、とかかれたページを自慢気に見せてくる。説明を読めばなるほど、これで小人になった冒険者達目線の映像を撮るわけか。もう準備万端じゃねぇか。


「もうモンスターとかも決めてるのか?」


ため息まじりに聞いてみる。


「ううん? 今言ったの以外はノープラン。皆で考えようと思って」


なるほど、小人化構想に熱が入り過ぎて、他は手薄になっちゃったわけね。


それからは晩メシまでの間、ユキやブラウ、グレイまで交えて、状態異常盛りだくさんダンジョンの詳細について話し合った。


これまでのダンジョンの中でも、最も深く話し合ったかも知れない。


多くの仲間のアイディアを得て、俺がボスを務めるこのダンジョンは、かなりイヤな感じに出来上がりそうだ。


その名も「ジョーカーズ・ダンジョン」。


晩メシ後に、ゼロとカエンで、一回造ってみる事になった。一刻も早く形にしてみたいのか、ゼロとカエンはメシを掻き込んでいる。


俺は残念ながら、特訓優先だ…。


もちろんすげェすげェ気になるが、俺が武器を自由自在に使えるようにならないと、ダンジョンの公開がおぼつかないし。


さっきの混沌とした話しあいを元に形作られるダンジョンかぁ。楽しみなような、怖いような…。


いいなぁ、ちくしょう!




「さ、気を散らさないで、特訓といきましょう。ダンジョンボスともなると、さすがにみっともない戦いは出来ませんからなぁ」


グレイは既に準備万端で、練兵場にスタンバっている。執事っぽい黒服の代わりに纏うのは、動きやすい武道着だ。手にはもちろん、講師用に作って貰った俺と同じ武器が握られている。


グレイは元々、ムチもヌンチャクもスキルがあったから、扱いに慣れるのも早くて、既にMAXの5mの長さでも使いこなせる。


対して俺は、やっと3mが確実に操れるようになった所だ。


今日は5mをマスターしたい。


…あわよくば、ムチの長さを変えながら自在に操れる所まで、今日クリアしてしまいたい。ダンジョンの準備が出来るなら、1日も早くオープンしたいのが人情だろう!


だが、それまでにクリアしないといけない特訓事項がまだまだあるんだ。


実際、ヌンチャクとしての使い方も、この武器を使っての防御の仕方も、複数の敵への有効的な使い方も…その他諸々、これからの課題だ。


しかもこの武器自体まだ試作品だしな。


ドワーフ爺さんもかなり頑張ってくれてるから文句は言えないが、早く本番の武器で、特殊能力とか使ってみたいもんだ。


グレイは「驚くほどのスピードで、成長していますよ。」とか言ってくれるけど、俺的には時間がいくらあっても足りない気持ちになって来た。


早く、早く使いこなしたい…。


その一心で、その日も体が動かなくなるまで、俺はムチを振るい続けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【作者の先日完結作品】こっちもオススメ♪

ここをポチッと押してね(^-^)

『魔法学校の無敵の首席騎士様は、ちょっとコミュ障、大型わんこ系でした』

先日完結しました。首席騎士様が強いのにカワイイとの感想を多数いただいております(笑)

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ