表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゼロのダンジョン、進化中!  作者: 真弓りの
ダンジョン改良

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

112/320

ついにこの日が!!

ゼロがミントティーを淹れてきてくれた。

もうちょっとなのに、出来ない自分がもどかしい。


「いいとこまで来てるよね。あと一歩だから、一旦落ち着いて、気持ちリセットで慎重にやれば、絶対いけると思う!」


ゼロが超笑顔で励ましてくれる。


そうだよな、俺もあとちょっとな実感がある。昨日まで手応えすらなかったんだから、凄い進歩だよ。


ミントティーの爽やかな香りで、少しリラックス出来たし、やりますか。


もう一度、魔道書の呪文をしっかり頭に叩き込む。口の中で二、三度唱えてみて、深呼吸。


両手に魔力を集め、呪文を詠唱する。


ついに、無数の光の刃が降り注いだ。

次いで巻きおこる轟音。



「!!!!!」



出来た!


ついに出来た!!


「ハク凄いっ!!やったね!!」


ありがとう!ありがとう!!

長かったぜ~!


自分の覚えの悪さにびっくりしたけど、ゼロのおかげで何とか習得できた!!


本っっっ当~~~に、嬉しい!!


「おめでとう!はい、これ…」


「変化のピアス!!!」


「これでいつでも、ダンジョンボス出来るね」


ヤバい。

泣いてしまうかも知れない。


嬉し過ぎる…!!


赤い小さな石が揺れる、見た目何の変哲もないピアスを身に付け、それでも俺は感無量だった。


何と言っても、俺のボスデビューを左右する、大切なアイテムだからな…!


「なぁに?凄い音がしたけど…」


ルリが億劫そうに、部屋から出てきた。ユキも心配そうについてくる。


「敵襲ですかぁ!?」


「なんだ!?今の音!」


マーリンとブラウも、錬金部屋から飛び出してきた。そんなに音、響いたのか…。


まあ、確かに凄い音はしてたが。


「あっ、みんな!ハクがね、ついにスターセイバー覚えたんだよ!!」


「へぇ、良かったじゃない!」


「おめでとー、ハク!」


「やったな!!」


みんなが口々に褒めてくれる。

素直に嬉しい。


「じゃあいよいよ、クラスチェンジするのね?」


ルリの一言に、思わずニヤつく。

そう、出来るんだよ。クラスチェンジ。

これで全ての条件は整った。


ゼロに視線を送ると、ゼロはにっこり笑って頷き、おもむろにダンジョンコアへむかう。



『ハクを、聖なる龍幼体へクラスチェンジしますか?』


「承認!!」


俺の体から、まばゆい光が発っせられ、俺は静かに瞳を閉じた。


これで、ついに…!!



光がゆっくりと消え、静寂が訪れる。

目を開けると、何故かみんなの驚愕の表情が…。


……え?……なんだ?



次いで起こる、爆笑。


え…?なんなんだよ、一体!


そして俺は、自分の体の異変に気がついた。


ふよふよとした浮遊感。

何故か自分の手足を見ようとしても見えない。


ジタバタしてみたら、しっぽみたいなものが目に入った。


これは、まさか…。



「か・わ・い・い~~!!」


マーリンにぎゅうっと抱き締められる。

いやぁ、役得……じゃない!


「ゼロ!鏡!鏡を出してくれ!!」


ジタバタ暴れながら、俺はゼロに必死で頼む。もうなんか予想はついたが、俺は現実を知るべきだ!


「ああん、もう、暴れないの!」


ジタバタしたところで、マーリンの腕から逃げられるどころか、むしろガッチリとホールドされてしまった。


「マーリン!言っとくが俺はハクだからな!?早くも子供扱いは止せ!」


ルリもブラウも爆笑だ。

ちくしょう…!床を叩いて笑ってやがる!


ユキはユキで、「かわいー!かわいー!」と、俺の頭をナデナデする始末だ。


「ゼロ!早く鏡ーーー…」



目の前に召喚された姿見には、マーリンの全身が映っている。


腕の中に抱き込まれているのは、プチドラゴンサイズの、真っ白で可愛い、赤ちゃん龍……。


短い手足。ぴょこぴょこ動かしても、耳も掻けない。届かないからだ。


頭には小さな2つの角。背中には翼。しっぽは意外と長くて、体と同じくらいの長さはある。


「最悪だ…」


がっくりと項垂れる。

心なしか声も高くなってるし…。


確かに「龍幼体」って書いてあった。

でも、だからって…!



そこに、けたたましいアラームが鳴り響いた。


「ただいま~。メシ、出来てっかぁ?」


最悪な時に、最悪なヤツが登場しやがった…!絶対に大爆笑されるに違いない…。


もはや何も言う気がしなくて、俺は黙って項垂れた。


「あれ?そいつは…?」


カエンの視線を痛い程感じる。しかも誰も事情を説明してくれない。笑いを堪えてるあたり、絶対に面白がってやがる!


マジマジと俺を見たあと、カエンはニヤリと笑った。


「ああ、ハクか。クラスチェンジ出来たんだなぁ。良かったじゃねぇか」


……あれ?


「いきなりチビ龍になるから、ビックリするよなぁ。俺様も龍幼体になった時は、軽く落ち込んで引きこもったからなぁ」


そうか!カエンもクラスチェンジで火龍まで進化した、龍幼体経験者なんだった!


良かった…!



「あ!ブレス!ブレス吐いてみな!俺様は飛べたのとブレス吐けたのが、一番嬉しかったぜぇ?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【作者の先日完結作品】こっちもオススメ♪

ここをポチッと押してね(^-^)

『魔法学校の無敵の首席騎士様は、ちょっとコミュ障、大型わんこ系でした』

先日完結しました。首席騎士様が強いのにカワイイとの感想を多数いただいております(笑)

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ