二十話 大異変
気がついたら総合PVが26000を超えていました。
感謝感激でございます。
拙い文章ですが、面白くなるよう努力しますのでよろしくお願いします。
「なっ!?」
ユキさんの言葉を聞いて、思わず声を上げて驚いてしまう。そんな、エクセイザー達と会議の中で最終的に予想され、その準備を始めていたのは一ヶ月後のはずだったのに。予想より半月も早いぞ!?
内心動揺してしまうものの、しかしすぐに思考を切り替えてユキさんに頭を下げてからルフェルを返すと走って退室し、そこかしこにある扉を踏まないように注意しながら壁や天井を蹴ってショートカットして入り口に戻る。
しかし、まさかここまで早く攻撃を仕掛けてくるとは。
この世は予想外の出来事と偶然、そして不条理と理不尽でできている。
そして、俺たち人間もたまたま進化してその結果、神々に近い姿に行き着いたというのは爺ちゃんが言っていたことだが、本当に予想外ってのはいつ起きるのがわかったもんじゃないな。
そんなことを考えているうちに入り口にたどり着いたので、履いている灰狼のブーツ・疾風の靴裏の中に仕込まれた札に霊力を流し込む。灰色の光が可視化するほどに集中させると、屋敷から外に出た瞬間思い切り地面を蹴って跳躍した。
大きな畑を飛び越え、霊力による推進力が減少したところで城門の柱を足場にして再び跳躍。驚いてこちらを見上げているラトさんとレトさんを尻目に、目についた一番近くの橋に着地する。
そのまま橋の上を強大なステータスで破壊しない程度の速度で疾走し、橋の終わりが見えてきたところで再び跳躍。それを繰り返し、来るのに十数分かかった道のりをほんの数分で移動していった。
途中垂れ下がっている太い蜘蛛糸を某ゴリラたちに育てられた人間のように間延びした声をあげそうになりながら経由していくと、やがて西部に入ってきた時の入り口とは違う大きな入り口が見えた。それまで以上に霊力を靴の裏に込め、一気に宙を飛ぶ。
中央出入口の前の地面に着地し、走ってその中へと入っていく。するとそれまで断続的に鳴り響いていた爆発音と地面を揺るがす振動がより大きくなってきた。走る速度を上げて通路を走り抜けると、一気に視界が開ける。
外は来た時と変わらず強くも弱くもないちょうどいいような、そんな雨が降っていた。そしてその中でオレンジ色の鎧を着た〝夕鉄隊〟……後方支援に特化した部隊と思われるゴブリンたちのうち、護衛と思われる少し装飾が派手な白鎧姿のダークゴブリン以外の、鎧の上からローブをまとった部隊が杖を掲げ、大火力の魔法を西部の壁めがけ放っていた。視認できるだけでも数十匹はいると思われる。
俺は雨によって体が濡れていくのもかまわず通路の出口から外へ飛び出し、蜘蛛糸や光線のようにまっすぐに飛び出る毒液、あるいはあちらの護衛部隊と前足を銀色の蜘蛛糸で鎌のようにした白蜘蛛たちに並び、オールスMr.Ⅰを引き抜くと霊力弾に切り替えてつまみの部分に顔を寄せた。
「レベル〝参〟」
……ヴゥン
自動でつまみが動き、五つある目盛りのうち真ん中にセットされる。それを確認すると体内の霊力を練り上げ、地面に叩きつける。すると手をつけた箇所からドロリとした黒い水のようなものが広がり、そしてそれが立ち上がると形が変わっていく。
ものの数秒もしないうちに、不定形だった黒い水は俺と瓜二つの背格好をした真っ黒な影法師へと変わった。
【影舞】で呼び出したその影法師に銃を持たせて援護射撃を命じると、自分はアイテムポーチに手を突っ込む。そしてのっぺりとした某人形のような形をした薄い鉄の板を五枚ほど取り出した。
鉄の板……特別製の札に向かってブツブツと何事か呟くと、足の方を下に向けて勢いよく地面に向けて投げた。全ての鉄札が地面と接触したのを確認すると、胸の前で印を結んで叫ぶ。
「急急如律令!」
俺がそう叫んだ瞬間雨に打たれている鉄札に刻み込まれた紋章が強く輝き、灰色の風を巻き起こしながら地面の土を吸引し始めた。やがてそれは頭となり、その下にどんどん土が集まっていき、体になっていく。
30秒後には、五枚の鉄札だったものは二体はその手に日本刀を握りしめた甲冑姿の武人の土人形に、残りの三体は長弓を携えた軽装鎧の狙撃手の土人形へと変わった。
シリルラ、操作頼んだ!
《お任せくださいね……式神起動、敵を殲滅せよ》
土人形達は事前に札に刻み込まれた俺の魂と繋がっているシリルラの声を認識して命令に従い、武人はゴブリン達に突進していき狙撃銃は影法師とともに白蜘蛛の援護に回る。
全ての人形が問題なく動いているのを確認すると自分も後ろ腰のドラゴエッジを鞘から引き抜いて右手に逆手に握りしめ、左腕に盾代わりの防御魔法陣を展開して特攻を始めた。
いきなり現れた正体不明の土人形二体に魔法砲撃体は困惑し、その隙に武人人形は数体ほどゴブリンを切り捨てる。そこでようやく護衛部隊が再起動して武人人形に襲いかかった。
だが、今の俺の上限まで霊力をつぎ込んで作った鉄札から生まれた自慢の式神達はそうやすやすと倒れない。現に、襲い掛かってきたゴブリンの大半は返り討ちにされており、攻撃に成功したゴブリンも甲冑の表面を少し削るにとどまっていた。
武人人形達が護衛部隊を抑え込んでいる間に、俺は魔法砲撃部隊を殲滅することに専念する。
こちらに向かって飛んで来る魔法のことごとくを防御魔法陣ではじき返し、逆にゴブリンの頭を吹き飛ばしてやる。それだけでドラゴエッジが届く間合いに接近するまでに十体近くのゴブリンの首から上がなくなった。
そしてついに接近することに成功した瞬間、まず切り込んだ場所でドラゴエッジを一閃。三匹のゴブリンの頭を跳ね飛ばす。隠蔽魔法で姿を消している個体を含め、残り47体。
宙に舞ったゴブリンの頭の一つを剣の腹で吹っ飛ばし、五匹のゴブリンをドミノ倒しにする。そこに影法師の霊力弾が飛来し、ゴブリン達を消し飛ばすだけにとどまらず地面ごと抉り取った。残り42体。
それを視界の端に収めながら跳躍、さらに【空歩】で空中でもう一段ジャンプすると、両足でそれぞれゴブリンの頭を蹴り飛ばし、こちらを魔法を展開して狙っていたゴブリン二匹の胸に大きな風穴を開けてやる。残り40体。
そのまま空中で体を逆さにすると左腕の魔法陣を防御術式から破壊術式に書き換えると直径3メートルまで大きくし、地面に向けて腕を振って投げ落とす。それによって地面と魔法陣のサンドイッチになって十匹は潰れた。
さらにその体勢から体を斜めにして【空歩】を使用、わらわらと落下地点に集まってきていたゴブリンを四匹まとめて袈裟斬りで殺す。するりと何かを通り抜けるかのような感触を覚える。
脳天からぱっくりと二つに叩き切られ、ゴブリンの鮮血が舞った。それに動揺しているうちに後ろから飛んできた土の矢で二匹死ぬ。残り24体。
今度こそ地面に降り立つと、なんと一匹のゴブリンがそれまで慌てて魔法陣を構築していたのに手に持った杖で殴りかかってきた。
それを〝透水〟でするりと避け、その首を飛ばす。拙いながらも技術を感じさせる振り下ろしであり、もしかしたら棍術のスキルでも持っていたのかもしれない。
そのゴブリンに倣うように、いかなゴブリンといえどもタラタラと詠唱をして魔法を打って、とやっているとそのうちに殺されるとわかったのか、次々と杖で殴りかかって来る。まだまだ半数近く残っているので、まさに数の暴力という様子だった。
けれど、それで殺されてやる俺ではない。再度左腕に防御魔法陣を展開し、襲い掛かって来るゴブリン達に油断なく構えた。
それからは、ただ一方的な作業だった。
式神達と影法師、白蜘蛛が護衛部隊を全滅させたおかげで近接戦闘に特化したものが割り込んで来ることもなく、せいぜい自衛程度の力しか持たない魔法使いゴブリン達を次々と斬り伏せていく。
「ハッ!」
「グギッ!?」
ある時は杖ごと両断し、
「シッ!」
「ガッ!!」
またある時は足を引っ掛けて宙に浮いたところを顔面にドラゴエッジを突き刺して串刺しにし、
「ギャギャギャ……ッ!?」
「フッ!」
ふりかぶられた杖を腕で防御し、コートの能力で腐食させ驚いているところを斬殺する。
そうして戦い続けること数分、俺の周りには無数のゴブリンどもの死体が転がっていた。手足が切り飛ばされているもの、肘で顔面を抉られ、後頭部から脳髄が飛び出しているもの、一直線に切り裂かれ、臓物をこぼしているもの。色々なやり方で倒していった。
左腕の防御魔法陣を解除し、血と振り続ける雨が混じり合いドラゴエッジを一度振って血を飛ばすと納刀する。それが終わると濡れてぐしゃぐしゃになり、目に入った髪をかきあげた。
するとそこへ、護衛部隊を担当していた武人人形と狙撃手人形、そして影法師が近寄ってきた。彼らは武器を収め、俺の前に黙して並ぶ。
『………』
「サンキューな」
影法師の差し出したオールスMr.Ⅰを受け取り、ホルスターにしまう。それをじっと見ていた影法師は、ホルスターに銃が収まったのを見ると満足したように消滅していった。シリルラが命令を下したのか、式神達も体が崩れていき、鉄札が地面に落ちる。
鉄札を全て回収し、奮闘してくれた人形達に心の中で感謝をしながらアイテムポーチの中に戻す。そうするとこちらを鳴き声をあげながら伺っている白蜘蛛達の方へと歩いていった。
ひとかたまりになっている白蜘蛛の先頭にいる蜘蛛は、八つある目のうちの真ん中のところの毛が黒くなっており、ラトさんやレトさんの体にある模様と同じような証が刻まれていた。知り合いの警護部隊隊長の個体だ。
部隊長は鎌になってる前足の片方を、キィキィと鳴き声をあげながらこちらに差し出してきた。その無機質な複眼には、こちらの健闘を称えるような光が宿っているように見えた。
「キシッ」
「おう、ナイスファイトだったぜ」
その鎌に俺は、笑いながら自分の拳を軽く重ねるのだった。
●◯●
南部からのゴブリン部隊による西部への襲撃から数時間後。俺は気になることがあり、ログキャビンに戻ってきたのも束の間、倉庫にこもってある事をしていた。
それは、倒したゴブリンの解体である。しかし、先ほど倒した〝夕鉄隊〟のものではなく、最初にログキャビンを出た時に襲いかかってきた方のゴブリンだ。
体を覆っている鎧を引き剥がし、少し焦りながらもゴブリンの死体を解体して食べられるところを取るとさっさと穴に死骸の残りを捨てて鎧の方を調べる。
すると、すぐにとあることに気がついた。よく見てみると、鈍く青色に輝く鎧に金色の装飾があしらわれているのだ。そして胸部装甲の中心に、長い二本の角を持った禍々しい形相の鬼のレリーフが刻まれている。
これは……違う。〝青鉄隊〟の鎧じゃない。〝青鉄隊〟の鎧はもっと簡素な見た目をしているし、そもそもここまで滑らかではない。ぶっちゃけ言って使い古しのぼろっちい感じがあるのだ。ただ、金属自体はそこまで錆びていないのでいつもは錆びてるところを取り除いて保管している。
それに対して、こっちはなんていうか……新品というか、どちらかというとしっかりと個体に合わせて作られているものに感じる。
こいつらは、一体何なんだ……?
「それは、〝蒼金鉄隊〟の奴らじゃ」
「!?」
後ろから聞こえてきた聞き覚えのある声に振り向けば、そこにはあきれた様子の紫色のドレスを着た美女……エクセイザーが立っており、こちらを見ていた。
「〝蒼金鉄隊〟……?」
「〝青鉄隊〟の上位に位置する部隊じゃ。特に編成に代わりがあるわけではないが、イヴィルゴブリンではなくすべてがダークゴブリンの兵士や魔法使いで構成されておる」
「……そういうことだったのか」
イヴィルゴブリンとダークゴブリンは、見た目上はさして違いがない。あえていうならば背が少し高いのがダークゴブリンだが、そんなものは個体差があるのであてにならないだろう。
では誰にでもわかる違いはといえば、それは言葉を話すこと。それだけの知能があるかどうかでイヴィルゴブリンかダークゴブリンか見分けることができるのだ。
けれど今回の場合、襲いかかってきた時叫び声しか上げなかったからイヴィルゴブリンと間違えたのだ。本当なら霊力の量も違うのですぐに気づくのだが、最近は作業化してきていることもあって、少し勘が鈍っていたのかもしれない。
「しかし、おかしいのう……〝蒼金鉄隊〟は普通少数精鋭じゃから、お主という強者に倒される可能性があるのにそう易々と出されるはずがないのじゃが……」
「けど、そんな強い感じはしなかったぞ?俺の実力云々抜きで、はっきり言って精鋭って感じじゃあなかった」
「とすると………まずいな、これは」
ふむ、と一つ頷いた後エクセイザーは神妙な面持ちでそう言った。どうやらこの不可解なことについて、彼女には思い当たるところがあるらしい。
瞑目して黙って何事か考えている彼女に俺が首を傾げていると、やがて思考に区切りがついたのかエクセイザーが目を開ける。俺は目線でエクセイザーに説明をしてくれるよう頼む。
すると、エクセイザーは頷いてこちらを向いて説明をしてくれた。
「そう鍛錬を積んでいない〝蒼金鉄隊〟のダークゴブリンが現れ、そしていつもより早い時期に〝夕鉄隊〟の襲来……ここから予測される可能性は一つ。それは……」
「それは……?」
「大異変じゃ」
「大異変?」
意味のわからない言葉に俺がおうむ返しに尋ねると、エクセイザーは具体的に説明してくれる。
大異変とは、一定周期で遥か高き果ての森東部で起きる現象らしい。その内容とは……イヴィルゴブリンの突然変異。なんでも、生まれた瞬間ダークゴブリンへと変わるらしい。
通常、経験を積みレベルアップを繰り返し、そして限界に達した時イヴィルゴブリンはダークゴブリンへと進化する。つまりそれまでに蓄えられた実力があるので個体の力が大きいようだ。
だが逆に進化をするほどにまで経験を積むのには長い時間がかかるので、ダークゴブリンの個体数はそこまで多くはない。間違ってもイヴィルゴブリンのように掃いて捨てるほどいるなんてことはあり得ないのである。そもそもの話、訓練がきつくて途中で死ぬのが大体なんだそうだ。
そう、通常時ならば。
だがこの大異変が起きた場合……生まれた時からダークゴブリンとして生きることになる。つまり最初から能力が高い個体が、イヴィルゴブリンの繁殖力で次々へと生まれてきてしまうのだ。
そうなった場合、腐る程生まれたダークゴブリン達は必要最低限の訓練を受け、あとはその高い能力でごり押しするように教育されるらしい。確かに思い出してみれば、俺に襲いかかってきたのも力に物を言わせた武器の使い方をしていた。
そしてそれがダース単位で何十、何百、何千、何万と出来上がっていくので普通ならばありえない状態……つまり大異変と呼ばれるようになったのである。
ちなみに何故このような現象が起きるのかといえば、長い年月をかけて溜まったイヴィルゴブリン達の苦痛の念が東部の中に魔力として蔓延して、そしてそれがイヴィルゴブリン達の母体に干渉して一定期間内ダークゴブリンへと突然変異する現象が起こるのだとか。
なぜこのようなことを知っているのかエクセイザーに尋ねると、自分で考えて結論を出したのもあるが、ここ数百年の間に何匹か東部から厳しい生存環境に嫌気がさして逃げてきたダークゴブリンがいるらしい。そういう奴らから情報をもらっているのだとか。やっぱりそんな感じの個体も出てくるんだな。
《……つまり今年が、その一定周期というわけですね。エクセイザー様》
「そういうことじゃ。周期は100年に一度であり、妾は八度ほど経験しているが……あれは恐ろしい。例年以上の凄惨さになる」
へえ。つまり少なくとも、エクセイザーは亜神になってから800年以上たっているってわけか。
前にヒュリス版インターネットで調べたことがある。個体差があるが、エクセイザーの元々の魔物であるミスリルリザードの寿命は50年かそこらならしい。つまり寿命の概念から解き放たれた超越存在である亜神でなければ、そんな悠久に等しい年月は生きられないというわけだ。
「妾も毎回忘れないよう、その年が来るまで年月をオグのところの大樹に刻み、来てしまえばよりいっそう警戒を深めいつもより早めに準備を整えるのじゃが……最近色々あったからのう」
「……俺が来た、か?」
「そうじゃ。まさか倒されるとは思わなんだ……それに、妾としたことがついお主と暮らすのが楽しくて忘れてしまうとは……」
そう言うエクセイザーの顔には本当に楽しそうな表情が浮かんでいる。少なくとも俺が見る限り、それは嘘には見えなかった。
その表情に、不謹慎にも内心ホッとしてしまう。もしかしたら彼女は嫌々俺と一緒にいるんじゃないか、ずっと恨まれてるんじゃないかって不安だったからな。どうやら俺が思っていたよりも、彼女は俺に思うところがあるわけではないらしい。
まあ、それはそれとして。これは俺の失態だ。俺がこの世界に、この遥か高き果ての森に現れて色々としたせいで乱れてしまったことがあるのは確実。その分、戦争では頑張らなくてはいけない。
「ともかく。来てしまったものは仕方がない。すぐに対策を講じなくてはな。妾達は西部を守らなくてはいけない」
そう、エクセイザーの言う通りだ。
俺はこちらの世界に来て、この遥か高き果ての森で色々なやつと知り合った。シリルラに始まってエクセイザー、オグさん、オルスとトロス、ガルスさん、各区画に住まう魔物達。数え上げればきりがない。
俺はこれからその先頭に立ち東部と戦い、全員の命を預からなくてはいけない。それがエクセイザーとの約束で、俺の望みだ。
もちろん、未熟な俺の肩には少し重すぎる。でも、人生ではやらなくちゃけいけない時というのがあるのだ。それが今、彼らの平和と命を背負うことなのである。
その決意を新たに、俺は立ち上がって真剣な目と表情でエクセイザーに言った。
「エクセイザー、俺にできることがあるならなんでも言ってくれ。お前から守護者の立場を預かった以上、やれるだけのことはやる」
エクセイザーは俺の目をじっと見つめ……その覚悟が本物だと悟ってくれたのか、不敵な笑みを浮かべて一つ頷いた。
「……ふむ。なら妾と一緒にあるところに行ってくれるか?」
「あるところ?」
尋ねる俺に、エクセイザーは笑い。
「ああ。遥か高き果ての森。その北部を統治する龍神の夫婦のところにな」
そう言ったのだった。
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