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陰陽師の異世界騒動記〜努力と魔術で成り上がる〜  作者: 月輪熊1200
一章 遥か高き果ての森
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十八話 会議と謎

楽しんでいただければ幸いです。

 

  兎人族と鬼人族のハーフであるヴェルことヴェルメリオを始めとしてレイ、リル、アリィの幼女三人、それに鬼人族のニィシャさんの計5人を保護してからはや一週間が経過した。


  その間にもニィシャさんやヴェルから入手した情報とシリルラの的確なナビゲーションにより何人かの二種族の保護に成功、西部の中のリィスの両親が統治している南部などに送っている。俺は自分と数人程度しか世話できないからな。


  五人からの情報によると彼女達が知っている兎人族と鬼人族の人数はそれぞれ683人と702人、赤ん坊も合わせるとそれに100くらい足した感じなそうだ。二種族を足して大体1500人と言ったところか。


  そのうち、既に半数は保護できたのだが……その保護済みの人たちから聞くと、一緒に行動していたものや家族が追っ手にやられたという場合も少なからずあったのだ。


  ……状況が状況だし、仕方がないとは思う。けれど救えるのなら救いたかった。まあ思ったところでそれは俺の傲慢、もう失われた命をどうこうすることもできない。


  彼らからもたらされた情報を頼りにエクセイザーの配下のミスリルリザードで構成された精鋭部隊とともに西武内を探索したところ、遥か高き果ての森を四分割する大河の近くで多くの亡骸が発見された。


  その数は600近くにもなり、どちらの種族も同じくらいの被害が出ていた。中には子供を庇ったまま嬲り殺しにされたのであろうものもあり、その子供も死んでしまっていた。そのあまりにも非道なやり方に激しい憤りを覚える。


  亡骸を発見することができた殺されてしまった人たちを全体の数から差し引くと、既に生存者のほとんどは見つけて保護することができた。話を聞くだけでわかる東部のやり方から考えるに、結果はいい方だろう。


「……では、これより会議を始める」


  そして今俺は……西部の各区画のリーダー、重鎮が集まっている会議の会場である〝小人の森〟の大樹の頂上にある白亜の石造りの円形のテーブルの席の一つに座っていた。



 ●◯●



  護衛役である何体かの最上位種の魔物が後ろに控える中、そのうちの一人であるガルスさんの工房で作られた木製の椅子に座るのは、俺と隣に人化して座っているエクセイザーを含めて、7人。


  まず、エクセイザー。〝女皇〟と西部の魔物に呼ばれ、数百年の月日に渡って西部を守り抜いて来た、魔物を超え亜神へと至った優しきリーダー。その指揮能力はその身に内包する戦闘能力をも凌ぐと前に聞いた。


  次に俺がシリルラとエクセイザーを抜けば最初に出会った魔物であるハイオークのオグさん。出会った時と変わらない茶色のつなぎを着ていて、会議中なので帽子はとっている。なので、そのおっとりとした端正な顔が露わになっていた。傍らには大銅鑼を鳴らすものとは違う鉄の棍棒が置かれている。金属バットが一番想像しやすいだろうか。


  三人はガルスさん。ドラゴニックアーマードゴーレムである彼は常時ならば常に火事場にこもっている根っからの鍛治職人であるが、しかし毎年来る戦争時には斬り込み隊長として重要な役割を担っているそうで。その剣技は西部随一の力を誇るらしい。


  そして四人目が、始祖たる吸血鬼オリジン・ヴァンパイアであるリリスさん。リィスの母親で、印象はやや落ち着いた天上の麗人といったところか。スレンダーな体を紫のフリルであしらわれたゴスロリドレスに包み、切れ長の両瞳と蠱惑的な微笑がなんとも言えぬ色気を醸し出している。


  五人目は始まりの死騎士ジ・オリジンデュラハンたるディアルさん。こちらもリィスの親で、父親に当たる。リリスさん同様鋭い形の両目は研ぎ澄まされ、赤い瞳はまるで血塗られた月のよう。肌は青白く、体には流麗な装飾の施された礼服を着込んでいる。傍らには3メートルになるかという漆黒の大鎌。戦闘状態に入ると鎧を着込むらしい。


  六人目は西武の西部……なんかややこしいな。ともかく、西部を取りまとめる蜘蛛女皇(アラクネ・クイーン)であるユキさん。その名前の通り全身が白く、ゆったりとしたローブに長い白髪、鈍色寄りの白眼。腰からは白い毛に包まれた六本の蜘蛛足を備え、無表情とその威圧的な見た目から感情に乏しいに見えるがその実、かなりの人情家だ。


  ユキさんは俺のコートを作ってくれた張本人?蜘蛛?であり、代わりに、比喩なしに一晩中自分の管轄地域の魔物たちの自慢を延々と聞かされたのは記憶に新しい。無表情で淡々と魔物たちのことを語るのはどこか微笑ましかった。はるかに年上だけど


  そして俺。今現在、西部地域の守護者の立場をエクセイザーより受け継いだ異世界から来た人間、皇 龍人(すめらぎ りゅうと)。誰も彼もが大層な名前の最上位魔物の集まる中で、腕っ節が強い以外は特に特筆することのない存在だ。一応アイテムポーチ内に装備は入れてある。


  そんなわけで並ぶ顔ぶれに少し気後れしながらも、俺はなんとか会議に望んでいた。議題は……当然、東部のことについてだ。


「この一週間で殆どの避難民を確保、保護することができています。リュート君が尽力してくれたおかげでもありますわね」


  手元の大きな葉で作られた報告書を見ながらリリスさんが言えば、オグさんが頷く。


「だねぇ〜。流石は私が認めただけはあるよ〜。それで……この状況に関して、あちらの反応はどうなのかな〜?」

「数日前使者の〝噂鳥(バード)〟がこちらに来ました。そのバードによると、黒鬼神は『我が領地の民が逃げ出し、それを無遠慮にも掻っ攫っていった西部に宣戦布告をする。今度こそ滅ぼしてやる』と言っているそうです……ふざけるなって感じですね」


  当然のごとくあれだけ派手に先遣部隊を潰して回っていたので目をつけられ、直接送られてきた書面を俺が読み上げれば、全員がギリッと奥歯を噛む音がした。


  少しして、全員の小さな怒りが治ったのを見計らって無表情で怒るという器用なことをしていたユキさんがぽそりと呟いた。


「……あんなゴミ小鬼どものために殺して回ったくせに、屁理屈も甚だしい。相変わらずいけ好かない。今度こそあの顔に毒針をぶち込んでやるべき」

「……いや、俺の鎌が先だ。あの気色の悪い顔を真っ二つにしてやる」

「……みんな物騒だなぁ〜。そこは棍棒でどたまカチ割るのが一番楽でしょ?」

「あなたも物騒ですよ、オグさん……ふむ、四肢を切り落として見世物にするのはどうでしょう?」


 ……みんなバイオレンスすぎない?


  なんだよ毒針を顔にぶち込むとか鎌で真っ二つにするとか棍棒で頭をカチ割るとか四肢を切り落とすとか。みんな怖いって……まあ、俺もニィシャさんや、何より一番奴さんの近くにいたヴェルのことがあるから首を切り落としてやりたいけどさ。


  けれど、これは当然の怒りなんだろう。黒鬼神という極悪非道、残虐極まりない魔物がリーダーとなり、恐怖統制まっしぐらの東部に対して、適材適所を常とするエクセイザーがリーダーの西部はすべてのものが手を取り合い、共生していくやり方。


  真逆であるからこそ、よりその怒りは顕著なものになるのだろう。〝あの時〟やこの世界に来てからしたことを考えても善人と胸を張って言えるかと言われれば疑問である俺でさえ、強い怒りを感じるのだから。


  不気味に笑うメンバーたちを見てエクセイザーがため息をつき、パンパンと手を叩いて諌める。


「そこまでじゃ。奴が弁明の余地もない屑なのはいつものことであろうに。そんなことより、建設的な話をしようではないか」

「……それもそうですね。少し取り乱しました」

「いずれにせよ〜、あいつのせっかちさから考えると〜後一ヶ月以内に戦争が起きるのは間違いないね〜」


  一ヶ月、か……実は俺がここにきてからもう五ヶ月近くたっているが、まさか異世界に来てから節目の半年目が戦争とはな。


  俺がそんなことを考えている間にも会議は進行しており、潜入した魔物や偵察部隊からの情報から見た相手の戦力、考えられる作戦、などなど諸々のことを纏めていく。


「ガルス、装備の方は?」

「……すでに数は揃えてある。後は個々の体に合わせて調整するのみだ」

「よし……こちらも食糧をはじめとした物資やトラップなどの魔道具類は準備を進めている。開戦前には余裕で間に合うだろう。妨害工作も監視している」

「……西部も、回復薬の類はいざというときのため十分以上に貯蓄してある。問題ない」

「では次にーー」


  それからトントン拍子に会議は進んでいき、俺はオグさんのところのゴブリン大隊のうちの一つの指揮官を任され、遊撃部隊として組み込まれた。


  さっきも言ったができることなら俺もその黒鬼神を直接叩きに行きたかったが、元来魔物や人間、亜人に限らずこの世界のあらゆる存在の進化を超えた領域……すなわち亜神へと至った存在には〝Eの理〟というものがあるらしい。


  これは地球の指数表記に似たもので、あまりに莫大すぎるステータスであるが故にステータスが簡易化され、かつ〝Eの理〟にたどり着いたものは同じ〝Eの理〟に到達したもの、あるいは特殊なスキルを持っていないとダメージを与えることすらままならないらしい。


  そんなわけで、〝特殊なスキル〟に該当する全ての事象を自在に操ることのできる……俺自身の得手不得手は別として……【魔術】スキルをまだ十全に使いこなせていない俺では、黒鬼神に決定打を与えることなど夢のまた夢なのだ。


  だからこそ、同じ亜神であるエクセイザーが毎回一騎討ちをして追い返しているらしい。今回もそれで行くつもりのようで、悔しいが黒鬼神に対して微々たる影響しか与えれない今の俺は敵の軍隊を蹴散らす方に回ったというわけだ。


  その後もいま考え得る相手側の行動やこちらの対策の話についてあらかた話し終わると、解散となる。


  剣に戻ったエクセイザーを背中に背負い、ログキャビンに帰ろうとするとユキさんが近づいてきた。何か用があるのだろうか。


「……リュート」

「あれ、ユキさんどうかしましたか?」

「…先に謝っておく。外から来たあなたを私たちの問題に巻き込んでしまっている」


 ……何を言うのかと思えば。


  最近ようやく少しだけわかるようになってきていた無表情を少しだけ申し訳なさそうなものにしているユキさんに俺は笑い、なるべく元気よく答えた。


「そんなことでしたら、気にしないでください。それにもう…俺はこの遥か高き果ての森の住人だと自分では思ってます。ユキさん達のことも、大切な友人だって。だからそんなこと言わないでください」

「……ん。リュートは優しい。そして強い」

「はは、そんなことないですよ……」


  ……本当に、そんなことない。


  〝あの時〟だって、俺は自分の憎しみを抑えられなかった。あいつのことだってすっぱり割り切れていない。もう半年近く経つのに。


  俺が今強いのは……長年培った実力とこの世界に来てから培ったものだけ。それだって何百年も生きている彼女達には足元にも及ばないだろう。せいぜい、普通の人間より成長の限界が高いだけだ。


  実際のところ、自己鍛錬の他にもエクセイザーに稽古をつけてもらっているが、一部のスキルを俺に吸収されたのに毎回指一本すら触れることができない。それはそれでその卓越した体重や足捌きを目で見て盗み、学ぶこともできるから、悪いことばかりではないが。


  今の俺じゃあ、〝あの時〟の二の舞になりかねない。だからもっと、自分の感情をうまくコントロールできるようにしなくては。あいつも死者に好かれ続けても迷惑だろうし。


《……どうでしょうね。もしかすると逆に、死んでもなお好かれ続けているというのはそれはそれで嬉しいとは思いますが》


  ……そうだといいな。けど、それはあくまで可能性の話だ。


「……?」


  考え込んでしまった俺に首をかしげるユキさんに俺は慌てて笑いを浮かべ、言葉を連ねる。


「…とにかく、俺も西部を守るために頑張りますから」

「…ん、お願いね。それと、コートの調子はどう?」

「バッチリですよ。いつも使ってます」

「よかった。それじゃあ」


  自分の服を褒められて嬉しいのか、やや上機嫌な様子でユキさんは離れていった。俺は蜘蛛足の揺れるその背中を見送りながら、護衛の魔物の一匹である〝カルラ〟というカラス人間のような魔物に手伝ってもらい大樹を降りるのだった。



 ●◯●



  〝小人の森〟の大樹から降りると、雨が降っていた。弱すぎることも強すぎることもない、言うなればちょうどいい雨といったところだろうか。


  俺は運んでくれたカルラにお礼を言うと、アイテムポーチから傘を取り出してそれを差す。実は撥水性の高いゴブリンの皮膚を除菌してなめして作ったものだ。骨は黒鋼で構成されている。


  インターネットを使って構造を調べ上げたそれを肩に乗せ、俺はログキャビンへと向かう。道中は完全な自然の中なので、灰狼のブーツとユキさんに編んでもらったズボンが草木や地面の水たまりによって濡れていった。


  雲が存在している高さより遥か上に存在するこの遥か高き果ての森になぜ雨が降っているのかといえば、この浮島を制御している大精霊の力だそうだ。大精霊が天候に始まる全ての事象が円滑に機能するよう管理しているのだとか。


  実は、俺は割と雨が好きである。なぜならあいつと出会ったのもまた、雨の日だったからだ。またか、と誰かに言われそうなものだが、俺の青年期の記憶はほとんどあいつのもので埋まってるから仕方がないのだ。


  あいつとの付き合いは長く、中学の時からだった。今日と同じような雨の日、たまたま傘を忘れてた時に貸してくれたんだったか。


《普通は逆かと思われますが……》


  それは俺が一番よく分かってるからツッコミは無しだ。


  ともかく、そんなわけであいつとの出会いの日の象徴である雨は俺が好きなものの一つなのである。とはいえ、ログキャビンにはまだ人がいるし、早く帰ったほうがいいだろう。


  足早に森の中を進んでいき、やがていつも通りの木の柵が見えてくる。霊力で結界を通り抜け、〝維持〟の結界で守られている畑の間を通り抜けてテラスを登る。


  前に突き出た屋根の下まで行き、傘を閉じて水滴を飛ばすとドアを開ける。するとふわりといい匂いがしてきた。


「あら?お帰りなさい、リュウトさん」

「今帰りました、ニィシャさん。ヴェルもただいま」

「おーう、おかえりリュート」


  ログキャビンの中に入ると俺のエプロンを着て料理をしているニィシャさんと、それを手伝って食材を調理しているヴェルがいた。


  どうやら、ご飯を作ってくれていたらしい。先ほどまでは雨で消されていたのか、気がつかなかった。


「いい匂いだな…」

「うふふ、便利な道具もあるからはかどっています」

「む、むぅ……あぁっ!?」

「……何やってんだ」


  こちらにすっ飛んできたジャガイモもどきの芽をキャッチして、シンクの近くにあるゴミ入れ用のずだ袋の中に投げ入れる。いつまでたってもピーラーの使い方が上手くならないな。


  二人はこの一週間で、俺の作り出した地球の現代の調理器具をある程度使えるようになっていた。包丁や鍋は彼女を含めた二種族の人達も扱っているらしいし、すでに使えるものもちらほらあったが。


  なるべく精巧に再現するのを心がけたお陰か、結構な質のものが揃っていて二人が驚いていたのは記憶に新しい。


  人化したエクセイザーと俺も何か手伝おうとしたが、自分たちに任せて待っていてくれと念を押されてしまったので手持ち無沙汰になってしまう。


「うーん。自炊が基本だったから、誰かにご飯を作ってもらうのって久し振りなんだよな」

「ほう、そうなのか。料理は誰に習ったのじゃ?」

「爺ちゃんだよ。あとは自分でやり方を調べて作ったりしてた」

「ふむ……母親に習うのが普通と〝神鳥〟に聞いたがな。まあ、そういう場合もあるのか」

「………」


  ふむふむと頷いているエクセイザーに俺は曖昧な笑みを浮かべ、そういえばいつも真っ先に飛びついてくるレイがいないなと思い出した。


  気配を探ってみれば、どうやら寝室で寝ているらしい。これは起こさないほうがいいだろう。寝る子は育つというし。


  レイは他の二人がそれぞれの保護された家族のところに行ったのに対し、まだこのログキャビンに残っていた。


  というのもニィシャさん曰く、レイの父親が娘を溺愛しているタイプならしく、顔を見たら重傷で保護されたのに飛びかかってくるのが容易に想像できるらしい。だから本人の体のためにここに残っているわけだ。


  自分勝手な話だが、俺としては妹のように思っている(本人に聞いてないので多分俺が一方的に)レイがいるのはちょっと嬉しかったりする。


  だが、レイを数に入れるとすると女三人が男である自分と一つ屋根の下暮らしているというのに思わないところがないわけでもない。ニィシャさんは二十代だし、ヴェルはあの体つきと大人びた顔つきなのにまだ俺と同い年だ。


  でもニィシャさんにそれを聞いても不変の微笑でかわされてしまうし、ヴェルは二種族が落ち着くまでという約束があるのでどうしようもないというのが現状である。


  そんなことを考えながらぼーっとしていると、ふと先ほどユキさんと話した時のことが頭に思い浮かんできた。次に、一ヶ月後と予想される戦争についても。


  その時俺は、しっかり西部を守れるだろうか。いや、守らなくてはいけない。それがエクセイザーとの約束で、俺の願いだから。


  ……そういや強さって言えば、最近ステータスを確認していなかった。二種族のことで色々と忙しかったし、普段は二週間に一回修行の成果が出ているか見るだけだし。


  考えだすとなんだか気になってきたので、ステータスを確認することにした。


「ステータスオープン」



 ーーーーーーーーーー

 皇 龍人 17歳

 種族:人間

 レベル:113/300

 装備:戒めの髪飾り、灰狼のブーツ・疾風、灰狼のベルト、エクセイザー、銀龍神の上着、オールスMr.I、アイテムポーチ、土短剣、木札、黒鬼の腕輪

 ステイタス

 HP:37700 MP:40300

 体力:37100 腕力:38000

 耐久:36600 俊敏:38000

 精神:38100 知力:38200

 称号スキル

【皇】【守護者】

【創世神の友】【大地を操るもの】【水使い】【獄炎の使者】【風乗り】【幸運者】【彫木士】【彫金師】【銀を倒せしもの】【亜神の弟子】【風の狩人】【大番狂わせ】【解体師】【錬成師】【魔物の友】【努力家】【主夫】【剣聖】【銃士】【格闘家】【殺戮者】【ゴブリンの天敵】【剣人】【拳人】【暗殺者】【極みを目指す者】【救済者】【守護者】【代理人】【異常者】【矛盾者】【苦悩者】【闇を抱える者】【兎に好かれし者】【鬼に好かれし者】

 通常スキル

【身体能力超強化Lv−】【体術Lv−】【爪撃Lv8】【衝撃、打撃、斬撃、魔法、精神、汚染、細菌、魅了、阻害、毒、炎熱、石化、疲労耐性】 【料理Lv−】【投擲Lv−】【射撃術Lv7】【札錬金Lv8】【鉱物錬成Lv6】【瞬歩Lv−】【気配感知Lv9】【魔力感知Lv9】【気配遮断Lv−】【魔力遮断Lv−】【隠密Lv8】【威圧Lv4】【咆哮Lv5】【遠視Lv4】【精肉Lv9】【看破】【思考速度上昇Lv7】【斬撃、打撃、射撃強化Lv8】【探知Lv9】【立体起動Lv7】【魔力障壁Lv8】【女たらしLv5】【暗視Lv5】【再生促進Lv5】

 固有スキル

【魔術】【龍鱗】【空歩】【皇タル者】【皇ノ剣】【皇ノ術】【皇ノ技】【気功法】【龍眼(偽)】【固有剣奥義:龍ノ一太刀】【影舞】

 ーーーーーーーーーー



  ……相変わらず頭のおかしい数値だな。エクセイザーのステータスを知っている今、一般人からすれば、という言葉が最初につくが。それでも【創造神の友】の第2効果でレベル上限も三倍になっているからまだまだ伸び代はある。


  でも、エクセイザーのステータスは前に見せてもらったけど、桁がはるかに違った。彼女に追いつくことも最近の目標の一つである。いつになるか全く見当もつかないがな。


  そんなようなことを思いながらそれぞれのスキルの効力を見たりしてステータスを見ていると、ふと【創造神の友】の説明のところで手が止まった。




【創造神の友】


 第1:ステータスの成長率を三倍まで引き上げ、スキルの成熟速度を速める。


 解放条件:他者の魂を受け入れ、自らの格を上げること。


 第2:レベルの限界を三倍まで引き上げ、魔物を倒した際に手に入れられる経験値を増加する。


 解放条件:平凡な限界に至ること。


 第3:最◾️◾️◾️。◾️◾️の◾️界を超◾️し、所◾️者の◾️◾️へ◾️道◾️を開◾️する。


 解放条件:強◾️を◾️ん◾️時、これは解◾️さ◾️る。


 発動条件:亜◾️を二体以◾️◾️す◾️◾️。




「なんだ、これ……?」


  こんな能力、前に見たときは解放されていなかったぞ……?それに、文字化けしていてろくに読むことができない。解放条件もそうだけど、新たに現れた発動条件とやらもだ。


  いくら目を凝らしても、こすっても、しかしそれがわかることはない。ひたすらに疑問が浮かぶばかりだ。


  俺が【創造神の友】の第三能力について考え込んでいるうちにご飯が出来上がり、俺は疑問を胸中に抱えながらも一旦頭の隅に追いやることにした。


  そしてその疑問はニィシャさんとヴェルの料理に舌鼓をうっている間に奥にしまい込まれ、その日思い出すことはなかった。


  それがとても大切なものであることに気がつくこともなく。



 ●◯●



「……おや?〝あれ〟が解放されたのか。流石は龍人君だ……君が来ることを心待ちにしているよ」


  全ての世界の上にあるそこ……神界にて、イザナギはそう言い意味ありげな微笑を浮かべたのだった。

次回はユキさんの話です。

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