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いとこは聖女様。  作者: 空気鍋
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誰かの他力本願と自己責任1追記

前回は誤って入力途中の物が投稿されていました。

予約投稿をしたものの保存を忘れていたようです。

前回の投稿されていない部分を改めて投稿します。

申し訳ありませんでした。

私の前にいる、頭をかかえた老神と似たような姿の息子神は時折ときおり、頭を上げて私に口をモグモグさせて何かを言いかけては、また頭を抱える、という事を繰り返している。

何をしているんだろう?

私は首をかしげ、世界をつかさどる二柱の神を見ていたが特に何も言ってこないのでの神が存在する世界をしたシミュレーター“みんなの地球創造”略して“みんきゅう”を起動した。

すでに5回、試していてその全てが大失敗。四十六億年の歴史ある地球をベースにしたシミュレーションなのに私がほとんど介入かいにゅうしていない3回目の1302年が最長記録でじつ惨憺さんさんたるありさま。

そう、私は自分の世界を創造する時にある程度完成された地球をベースにしてデータを弄りコピー、ペーストを繰り返して作った。ところが元のデータには無い魔王や魔物が次々と、あらわれ私が思ったような世界が作れなくなってしまったのだ。おまけに創って数十年しか経っていないのに世界がほころび始めている。何故こうなったのか。

私の世界の種族では魔王は倒せなかった。っていうか私の言葉を受け取った神官は、それをネタに金儲けに走り世界を滅亡手前に追い込んだ。

何度も神託を出して言う事をきかせようとしたが無視されて()()()()()()()なって。

親和性の高い地球から私が気に入った人を選んで魔王退治をしてもらった今、世界の補完作戦をする事になり、その前に私のなにが悪いのかを見てみようという話しになったのだけど……。

指導する側がこれじゃあね。

老神はシミュレーターを起動しようとした私を止めた後、壊れた機械のようにうなっていて、息子神は両手をあげて天を仰いぎながら


「これも試練しれんか……父神(「父」)よ。」


なげいていた。


「いえ。乗り越えられない試練はありません。どれほど高く厚く硬い壁であっても打ち破ってみせましょう。」


そして失礼な事を決意している。

老神はそんな息子神を見てから嫌な笑顔になり


わし。……降りてよいか? うむ、任せた。」


息子神が反応する前に背を向けて消えようとした。しかし息子神も流石に老神の服を掴み


「待ってください。私に全てを託されても困ってしまいます。」

「いやぁ、儂には荷が重いようでな。うむむむむ、残念じゃのう。では、な。」

「お待ちください、と言いましたが?」

……越えられない(「こやつ面倒じゃから)試練はないん(後はまかせたのじゃ」)じゃろ?」

「……ええ、これは()()託された試練です(「逃がしませんよ」)。」


不敵な笑い声をあげながら、にらみ合う二柱の神。

その原因は()()()、私。

私、言ってもいいのかしら。伝説の“あの言葉”。

選ばれし強者だけが口に出来るー……。


「わ……私の為に争わないで。」


ビギッ!

少し声が裏返ったが何とか言いきった。

言いきったのだが。

言いきってしまって。

雰囲気(「空気」)を読まない。という言葉がある。場にそぐわない言動をした時に言われる言葉だ。これをヤラカした人間は周りから冷たい目で見られる事を覚悟しなくてはならない。そしてヤラカした人間は後悔する訳だけど。

ビギッビギギギッギリリリッ!

空間が。

薄い紙(「ティッシュ」)を両手で逆に引っ張れば真中に穴が開くように。

にらみ合う二柱の神と私の間の空間が。

縦に裂けていく。

後悔じゃ無かった。懺悔ざんげしなきゃならないレベルだったよ。冗談は時と場合を読んで言いましょう。

巻き込まれたら(「神」)といえども分断され消滅してしまう空間の裂けから、声にならない悲鳴をあげて避けようとした私の肩に、いつのまに近づいたのか老神が腕を置いて動きを封じた。


「のう、ぬしよ。ちぃ~とばかり勘違いしておらんか?」


そして老神が耳元でささやいたドスの効いた低い声に顔がひきつる。裂かれた空間は老神が私の後ろに動いたせいか言葉にしがたい悲鳴じみた音を鳴らしながらゆっくり元に戻っていき、その向こうには息子神が笑顔なのに無表情にみえる、感情の無い笑顔で私を見ていた。


『称号変更』


このままだと二柱の神からどんな責めがくるのか分からない状態の中、唐突にいつか聞いた管理神からのインフォメーション。こんな短い期間に管理神のインフォメーションを聞いたのなんて私が初めてかもしれない。少なくとも私は聞いた事が無い。私の顔から血の気が引くのが自分でも分かる。


『称号変更 絶望振り撒くもの から 雌犬(ビッチ)


管理神の感情のこもらない声が響きわたった。

っていうか……ビッ、ビッチィッ? 人ですらなくなったっ!


「のおぉぉぉぉぉうぅぅぅっ!」


聞いた事が無い管理神のインフォメーションに私は魂の叫びをあげた。

ブハッと吹き出す老神。

顔をひきつらせる息子神。

何がおかしいのよぉっ!

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