戸惑いだらけのメインパート21
まずはお詫びから。
大変申し訳ありませんでした。
戸惑いのメインパート 17から20まで最後まで打ち終わることなく投稿した事をお詫びいたします。
本来は17から19まで一つの話しだったのですが打ちこんでいた時は
「やっぱり現実ってクソゲーだよな」
という出来事が次から次に襲いかかってきていた時で……。
すいません。言い訳でした。
打ち終わっていない話しにオチをつけました。
今も「クソゲー」状態は継続中ではありますが今後はこのような事の無いようにしますので、これからも何卒よろしくお願いします。
m(_ _)m
タクシーは何か恐ろしい者を見たかのように急いで走り去っていく。
今は、夏本番な8月。天気予報では今日も真夏日になると出ていた。注意報は紫外線と熱中症。確かにもう3時になると言うのに立っているだけで汗が出てくる。
……頭から被っているショールというのだろうか、俺には綺麗な風呂敷にしか見えない薄い布を顔を隠すように巻き付け目を見せないようにしているのか真っ黒なサングラスをかけている。頭と顔が隠されている他は着ている服も普通で、いくら薄い布とはいえ暑いのだろう、汗でショールの色が代わっていく。その姿は首から上ならショールの色が白だったなら昭和のヒーロー、ムーンライトマスクそっくりだ。
こんな怪しい人を乗せたタクシーの運転手はなんて器の大きい人なんでだろう。何かに追われるように走っていったけど。
怪しい仮面が苺さんなのは間違いがない。着ている服は苺さんが気に入ってよく着ている服だし顔が見えなくても意外に個人は特定できるものだし。
苺さんをお出迎えしようとしていた俺と司が玄関で騒いでいたせいで親と蒼井さんまで玄関に来ていた所にタイミング良く家に来たおかげで全員集まってのお出迎え。
「!」
顔は見えなくても動揺したのが分かる。あの薄い布っ切れの下では苺さんは驚きのあまりひきつった笑顔になっている筈だ。まあ、インターフォンを鳴らして普通に入ってきたら彼氏の両親が目の前に立っていたとなれば驚かない方が不思議な感じがする。
とはいえ、だ。
苺さんの怪しい姿に親は勿論、俺まで引いてしまい玄関には固まった老若男女が立ちすくむという、これも怪しい光景が出来た。
“珍百景”になるかもしれない。
「いらっしゃい、なんかすごいカッコだね。」
苺さんと電話でやり取りをしていた司は何事も無かったように苺さんに話しかけた。苺さんも司の言葉で硬直が解けたようで
「ごめんなさい、お世話になるわね。」
枯れた声で司に言うと軽く頭を下げた。
「お兄ちゃん、ちょっとお兄ちゃんの部屋を借りるね。勝手に入ってきちゃ、ダメだよ?」
司も苺さんに会釈を返して2階の俺の部屋へ向かっていく。苺さんは俺の親にも軽く頭を下げて追いかけていき蒼井さんも後をついていった。俺は訳がわからず、仲が良いみたいだから良いのかな? と思っていたのだが様子を見ていたらしい父さんと母さんは大きなため息をついた。
「我息子ながらなんて鈍い……。」
俺の顔を見て何を悟ったか頭を抱えるそぶりをした。母さんは「なにが悪かったのかしら」言いながらため息を何度もついている。
「直樹。司くん達の様子を見に行け。但し部屋の中には入るなよ。司くんもそう言っていただろう?」
しばらく何かを考えていた父さんがたださえ厳つい顔を更に険しくしながら俺に言った。
「無論、これは明らかにマナー違反だ。だが、お前はあんまり暢気すぎる。」
父さんの暴言と言っていい言葉を母さんは聞き流したようでリビングに戻っていった。父さんも早く行けとばかりに俺を階段の方に押してリビングに入って行く。
残された俺は。




