戸惑いだらけのメインパート16
申し訳ありません。
本日13時20分に打ち込み途中のものが投稿されてしまいました。
原因は打ち込みしている時にPlay ストアが勝手に何回も開きましてその処理をしているうちに何故か投稿になっていたようです。
更に言えば投稿された話しは来週以降に投稿するはずでした。
先週も間違えて投稿しているのに何回も申し訳ありません……。
とりあえず打ち直しましたが短い話しになっています。
よろしくお願いします。
僕にとって散々《さんざん》だった“お兄ちゃんの彼女さん”との初対決は“彼女さん”の完勝だった。ただ、本来話し合うはずのお兄ちゃんと“彼女さん”の異世界旅行は蒼井さんが壊れた後がグダグダになり過ぎて日にちを改めて仕切り直そうという流れになり僕は落ち込んだ蒼井さんを連れて神殿に帰ってきた。
帰ってきたと言っても部屋に備え付けられた鏡を出入りしただけなので周りからは引き籠りをしているようにしか見えないのが少し笑える。
僕はお兄ちゃんに振られたあの日からずっと神殿の自分の部屋に閉じ籠っていた。信者に愛想を振り撒いたり権力争いするのが面倒になって「もうどーにでもなーれ」って気持ちだったんだから仕方無い。だから蒼井さんが来るまで部屋の外で何が起こっているのか知らなかった。
蒼井さんが言うには今、神殿の外では“聖女”を見たい信者達が神殿の全てと儀式を統べる神殿長と筋骨隆々な実働部隊のトップの大神官の二人を責め立てて大変な状況になっている、との事。
そんな状況の中、“七英雄”の一人であり渉外を担当してくれている蒼井さんがわざわざ領地から会いに来てくれたのは信者の突き上げにまいった神殿長がみんなに泣きついた、というのもあったらしい。
普段は何かにつけて神殿に入れないようにしている神殿長が「どうにか外に出して信者達に会わせてくれ」なんて依頼してきたらしくて嬉しそうに「ざまぁ」って黒い笑みを浮かべていた。
「司君を冷遇してきたつけが回ってきたようね? いい機会だわ。」
“魔女”な蒼井さんはもちろん、“七英雄”はみんな“女神”が嫌いで神殿関係も嫌いだ。“聖女”な僕だってそう。
きっかけさえあれば八つ当りぐらいしたくなる。
「司君、明日は朝だけ信者達に会って来なさい。信者達が何を言っても悲しげにして戻って来なさい。」
落ち込んでいた蒼井さんが復活して嫌がらせにしかならない事を言い出した。
確か神殿長は
「どうにか外に出して信者達に会わせてくれ」
としか言っていなかったらしいから神殿長からのお願いはこれで果たしたっていう事だよね?
信者に会うのにわざわざ笑顔になる必要は無いわけで“彼女さん”に負けてモヤモヤしている僕の鬱憤晴らしには丁度良さそう。
「ま~かせて。」
左手の中指をピンと立てグッと突きだして蒼井さんに笑いかけた。
僕の顔に直接陽射しが当たり目が覚めた。
この元は倉庫だった建物はお日さまが当たる時間が限られていてお昼前には主神殿の影に隠れてしまう。午後には副神殿が陽射しを遮るから夜が一番早い神殿と呼ばれている。因みに“神殿”と言っているのは神殿長と大神官だけだ。信者達には聖女専用の“別殿”として説明しているようだけど、たぶん誰も信じていない。僕は手っ取り早く“掘っ立て小屋”と呼んでいる。
この“掘っ立て小屋”は日の光が直接入って来ることでも分かる通り屋根に穴が開いている。壁もボロくて今にも倒れそうだ。
普段は神殿……主神殿にある“聖女”の間で寝泊まりしているけど蒼井さんが来ていたから、と信者達への影響力を考えて昨日はこちらに泊まった。掃除だけはしているから埃がないのだけが救いだ。身嗜みを整え時間を見計らい“掘っ立て小屋”を出ると驚いた顔の信者達。
僕は“見られたくない姿を見られた”といった顔をしてつらそうな態度を見せると信者達が何かをいう前に逃げた。後は勝手に話しが膨らんでいくだろう。
神殿の自分の部屋に飛び込んだ僕は中で様子を見ていた蒼井さんとハイタッチをして女神から貰った鏡を潜った。




