長めのプロローグ18~番外編 誰かの独り言~
‐ふぉぉぉぉぉ~。
‐違うのよ。ちがうのよぉー!
わたしは広い部屋を転がる勢いで叫ぶ。
‐こんな事になるなんて考えてなかったのよー!
わたしの声を受けた7人が7人とも辛い現実に打ちのめされているのを見て叫ぶ。
‐世界を救うのなら、その世界の住人がすべき。しないのなら救うべきではない。
そう、言われていた。けど、わたしにとって初めての担当した世界だった。何とかしたかった。そして、隣の世界に救ってくれそうな存在が有った。
だから、つい手が伸びてしまった。その存在を含め世界を調整していた隣の世界担当は当然、激怒。
後始末を押し付けられてしまった。
それは、わたしの責任に於いてするべき事で何とか出来ると考えていた。
まさか、流れている時間が違うなんて。
わたしからは瞬きにすら能わない時間は世界を救ってくれた彼等には長い時間だったようだ。
時間は戻せない。いや、最高神なら出来るだろうが救ってくれた世界の時間も戻すだろう。
世界を救うのはその世界の住人と言ったのは最高神だ。
‐あぁ、やるんじゃなかった。
嘆いて。
苦しんで。
辛そうにしている彼等を見ていると、らしくもなく後悔が涌いてくる。
‐違うの。本当に違うの。あなた達にはそんな思いをして欲しくないの。
どうしょうもない出来なくなって漸く気づいた。
禁じていたのは、これだ、と。
直接、言ってくれないし。
影響が大きすぎるなんてぼかすし。
つまり、巻き込んだ救い手を救えない”これ“が言いたかったのだと。
世界を担うわたし達にすら出来ない事が有るんだと、言いたく無いから。
‐のぉぉぉぉぉぉッ! 違うの! そうじゃないの!
元々は担当した世界の声を受けた司祭が都合の良いようにねじ曲げた事が原因なのだから、その歪みを他の世界の住人に正してもらうのはおかしな事だった。
世界を救うのはその世界の住人。
そう、言われていたのに。
無理に世界をまたいで来てもらった救い手を蔑ろにしたのは、わたしの世界の住人。
それなのに戻る場所を作らず今こうしているのは、わたし。
わたしは!今!猛烈に反省してる。
わたしは!今!猛烈に後悔もしてる。
悲しんでいるわたしの救い手を見て心を決める。
‐待っていてね。最高神に掛け合ってくるわ。




