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【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第二章

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空とぶ敵の正体!!

 セイルークに襲いかかっている生き物だが、蛇に何枚もの翼が生えたような姿をしているように見える。


 その羽のある蛇のサイズはセイルークの数倍はある。


「あの羽蛇はねへび! 呪術師の使い魔だっ」


 私たちを追って地上に上がってきたタウラが、上空を見るなり、叫ぶ。


「え、使い魔?! 前にヒポポが倒した?」


「ああ、それの同類のはずだ。もっとたちが悪いらしいが……」


 その羽蛇に向かって、セイルークがくわっとあぎとを広げる。その奥で、魔素が急速に高まるにつれ、光が収束していく。


 放たれる光。前に、空とぶキノコを焼き払ったその光。


 しかし、羽蛇はセイルークの予備動作の段階でその複数の羽を巧みに動かし、まるで空を這うようにして動いていた。するすると光の軌道を外れる羽蛇。

 そこへ放たれたセイルークの光はするりとかわされてしまう。


「え、かわした」とロアの驚きの声。


「ルストっ! 急ぐのだ」とハルハマー師の声。


「はい! 《展開》」


 私は急いで数本のスクロールを展開させると、上空へと向かって飛ばす。

 くるくると広がりながら上昇を始めるスクロール達。しかし、その速度は悲しいことに遅すぎた。


 羽蛇の体から、触手のような物がいくつもいくつも、一斉に飛び出してくる。それは、前にどこかで見たことのあるような見た目をしている。


「《研磨》」


 私はセイルークへと迫る触手へ向けて上昇途中のスクロールから、金剛石の粉入り竜巻を放つ。


 射程ギリギリ。


 それでも何本かの触手は切り裂くことに成功する。

 飛び散る、紫色の液体。バラバラになった破片が落ちてくる。


 その触手の体液の色に、私は嫌な予感が高まる。


 そうしているうちに、スクロールで防ぎきれなかった何本もの触手が、そのままセイルークへと絡み付いてしまう。


「ピギャッ!」


 触手に絡まれ、急にぐったりとした様子を見せるセイルーク。


 遠目でもわかる。

 セイルークのつぶらな瞳が、助けて、とこちらを見ているのが。


 それは私とセイルークとのはじめて出会った時の事を、嫌でも思い起こさせるような姿だった。


「《研磨》《研磨》《研磨》!」


 羽蛇へと迫る竜巻。


 しかし、羽蛇は触手を巻き取るようにしてセイルークを確保する。そのまま、ドラゴンブレスをかわしたのと同じ巧みな身のこなしで、私の放った竜巻達も、全てかわされてしまう。


 そのままセイルークを触手で束縛し、羽蛇は飛び去って行ってしまった。


 東へと向かって。





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