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【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第二章

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道路事業のお手伝い!!

 ヒポポが、猛烈な勢いで地面を踏み固めていく。

 その姿は非常に力強く、勇壮、と言っても過言ではなかった。


 私たちは道路事業の現場に来ていた。隣の領から野営地に向けて伸びる道。それの、ちょうど辺境に入った辺りだ。


 周囲には隣の領から派遣された、領軍の兵達が忙しげに作業している。

 あちらでは測量らしき事をしたり、こちらでは炊き出しの煙が良い匂いを振り撒いている。


 そんな中で、私の錬成獣達も先方の指示に従って作業に従事している所だった。


「ルスト師! お久しぶりです!」とヒポポの勇姿を眺めていると声をかけられる。


「これは、メメルス殿。この前の魔晶石の取引以来ですね。メメルス殿も道路事業に?」


「ええ、これだけの大事業ですから。私は監査役として参加しております。この度はご助力頂けるとのこと、本当に助かります」


「いえいえ、こちらとしましても、早く流通が安定する事の意義は大きいですから」


「それにしてもルスト師の錬成獣達は素晴らしい働きですね。我が領軍所属の錬金術師達ですら、ルスト師の実力には畏敬の口調でしたよ」とこちらを遠巻きにチラチラ見ている一団を指差すメメルス。


「ああ。お手数をお掛けしますが、そちらの錬金術師殿達にご紹介をお願い出来ますか? 横から入り込んだ身ですので、メメルス殿に取り持って頂けますと助かります」


「喜んでその任、引き受けましょう」と彼らに合図を送るメメルス。

どうやら元々メメルスはそのつもりで私に声をかけてくれたようだ。実際、こう言うときは顔見知りがいると助かる。


 ぞろぞろとこちらへと歩いてくる領軍の錬金術師達。パッと見た感じではマスターランクのメダリオン持ちは居なそうだ。


 すぐに彼らから、口々に大袈裟な挨拶を受けることになる。なぜか、お噂はお伺いしております! と言うような内容が多い。


 一体どんな噂が流れているのか気にはなりつつ、あまり大袈裟にされるとこれから一緒に作業するに当たっても宜しくないかと、努めてフランクに返してみる。


「皆さん、短い間ですがお邪魔させて頂きます。そんなに畏まらないで下さい。私の方がこの現場では新参者。しかもこういった土木事業は専門外です。共に同じ目的を達成するために、色々と教えて下さい」


 私が言い終わったタイミングで、間の悪い事にセイルークが私の肩へと舞い降りてくる。


 それを見た、目の前の領軍の錬金術師達から、どよめきが起きる。


「凄い! ドラゴンだ!」「噂は本当だったのね。伝説の再来──」「真っ白で綺麗。あの鱗、触ってみたい」「数々の新発明の立役者ってだけでも凄いのに、ドラゴンまで使役しているなんて」


 打ち解けかけていた雰囲気が、ガラッと変わってしまう。

 私は内心、苦笑いしていると、当のセイルークが尻尾で軽く私の背中をぺちぺちと叩く。


「キューーー」


 それは、急を告げているような、それでいて、どこか楽しそうな響きがある。


「ルスト師! また来ます! モグラモドキ、今度は大きいです!」とアーリが叫びながら、こちらへと駆け寄って来た。






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