表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第六章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

459/462

SS 地下水脈ダンジョンへ《第四世界》

「レニアスタ嬢! 見えました、あれです! ……あっ」


 チッタが前方を指差して叫ぶ。周囲の大地より数段低くなった窪地。その窪地の一部が崖のようになって、断層が見えている。

 どことなく不吉なチッタの最後の言葉にもならない声。私は思わず前方の窪地の崖を確認して、すぐに状況を把握する。


 ──ダンジョンの入り口、あれよね。崩れている。隙間は、あるみたいだけど。


「チッタさん! ここは鍵の魔晶石は!?」

「すでに、いらなくなってますっ! でも、あれでは……」


 私は後ろを振り向く。

 ヒルダちゃんの騎獣は、必死の様子だ。その後ろに迫る、神喰いたち。開かれた口からは牙がのび、走る度に唾液が辺りに飛び散っている。


 ──ヒルダちゃんたちはもう、限界。長くはもたない。今から、別の手立てを講じてたら、どう考えても間に合わない。ならっ!


「ヒポタっ」

「ブモーっ!!」


 私の声音で、すべてを理解してくれるヒポタ。さすがパパの手による錬成獣と、なぜか目頭が熱くなる。

 しかし、こんなところで感傷に浸る暇はなかった。それに、この状況でそんなことをしていたらママに叱られる。

 私は指先で弾くようにして、目頭の滴を飛ばすと、叫ぶ。


「チッタさん! 突っ込みます。身を低くして、しっかり掴まってっ! ヒルダちゃん」

「はいっ」「どこまでも、ついていきますっ」


 ヒポタが一気に加速する。ちゃうど窪地に入る坂だ。

 すぐ目の前には崖。そして崖に穿たれ崩落によって、わずかな隙間だけが残されたダンジョンの入り口。


 ヒポタが、突っ込む。


 その瞬間、私はひとこと叫びながら、ぎゅっと抱き締めるようにしてヒポタに体を押し付ける。

 衝撃。

 そして岩の破片が降り注いでくる。


 打撲。

 そしていくつかの尖った部分をもつ破片が、私の体を切り裂く。

 しかしその傷は浅い。


 全身にまとわせた魔素が、肉体を強化し、皮膚すらも堅固にしてくれる。

 そしてもう一つ。

 私の衝突の瞬間、地味ながらスキル『(またたき)』を発動していたのだ。

 拡張された知覚で、体へのダメージが最小になるように、自らの体を、そして魔素を、操っていた。


 それらは、戦闘の際にも意識していることだ。


 ほんのわずかな腕の、傾きの変化。

 首を動かし、瓦礫の頭部への打点をずらすこと。

 避けきれないものについては、特に魔素を重点的に該当の部分に覆わせること。


 それだけで、体の受けるダメージは大きく変わってくる。


 最小のダメージだけで、その場を切り抜ける。

 ヒポタと私たちが通過した場所に空く、大穴。

 そうして気がつけば、私は無事に地下水脈ダンジョンへと入り込んでいた。




本日はコミカライズ22話①の更新日です!

ぐんたおさまの華麗な作画で、ルストとリハルザムの取り巻く境遇の落差がとても克明になってますー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ