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【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第六章

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SS 襲撃と逃走《第四世界》

「あれは、もしや神喰い(かみくい)……レニアスタ嬢! あれと戦ってはだめです!」


 チッタが叫ぶ。


 私たちの背後から迫る神喰いとやらは一見、ただの狼のように見えた。

 そしてその先頭の一頭。ひときわ大きな個体の頭の上に、何やら人形のようなものが乗っている。


 ──あれ、私の家でヒルダちゃんたちに黒き呪いを放ってきたのと同じっ!


 タウラ猊下の託宣を信じるのであれば、あれはアレイスラという邪神の手先、だ。

 私は自ら目の力を、すべて解放する。一切の抑制を、解き放つ。


 世界が、色づく。


 多層的に映し出される風景。

 脳への負荷が一気に上昇する。キリキリと締め上げられるような鈍痛。しかし生まれた時からすぐそばにあった痛み。耐えられないということもない。


 パパは私のこの目のことを『四力(しりょく)の魔眼』と言っていた。

 ママの家系には、魔眼が発現しやすいそうなのだけど、この私の目と同じ魔眼はこれまで現れたことはないと言っていた。


 その私の魔眼による視力で、世界が五重映しになる。

 しかし、私たちを追いかけてくる狼のような姿は、全く変わらなかった。


 それは本当に、異常な存在だということ。


 私は思わず冷や汗が流れる。

 自分の魔眼を信じるのなら、あれは世界を構成する四つすべての力を、その身に内包していることになる。

 チッタの呼んだその神喰いという名の意味が、本能的にわかってしまう。あれは、条件さえ揃えば神すら喰い殺せうる存在なのだと。


 ──だとすると、あれを倒せるのは、たぶん『浄光』、だけだ。チッタさんの言うように、戦っちゃだめっ


 『浄光』、それは伝説上の蒼き光。パパが昔教えてくれた伝承では、神へと至ったとされるホムンクルスの素とされるもの。

 当然、私たちには使えない力だった。


「ヒルダちゃん! 逃げよう!」

「わかったわ! レニーちゃんがそう言うのなら!」


 判断がはやい。私とヒルダちゃんは騎獣を駆る速度を一気にあげる。

 ぎゅんっと、ヒポタが一気に加速する。

 ヒルダちゃんの騎獣、ノコシカはしかしヒポタに比べて速度が出ないようだ。

 徐々にヒポタから遅れ始めるノコシカ。逆に、神喰いとの距離が近づきはじめてしまう。


 ──このままだと、ヒルダちゃんたちが追い着かれてしまう! どうしようっ!?


 私は周囲を見回す。

 王都プタレスクの周辺はかつて辺境の荒れ地だったらしい。

 今では土壌も改善されてきて周囲には徐々に草木が繁り始めている。しかし、避難できそうな場所は見当たらない。


「チッタさん!」


 私は思わず背後に座るチッタさんの名前を呼んでしまう。あの私たちを追う存在の名を知る彼女なら何か手立てを知っているのではという淡い期待を込めて。


「……あまりおすすめは出来ないのですが」

「何か、案があるんですね!?」

「神喰いは、水と闇で惑う、という伝承があります。この先に地下水脈の通る、ダンジョンがあったはず」


 チッタの提案。

 王都プタレスク自体がかつてダンジョンの上に築かれた遺跡の跡地に作られたとは聞いたことがある。ここ周辺には私の知らないダンジョンや遺跡があるのだろう。

 他に手だてのない私はそのチッタの案に飛び付く。


「本当ですか! なら、早速向かいましょう」

「──わかりました。では、私の指示通りにっ!」

「はい! ヒルダちゃん!」

「聞こえてます! 追従します!」


 私が少しヒポタの速度を落としながら、背後に向かって叫ぶと、答えてくれるヒルダちゃん。

 追いすがる神喰いを連れ、私たちは地下水脈ダンジョンを目指して、騎獣を駆るのだった。

本日はコミカライズ第21話②の更新日です!

ついに、リハルザムが!

是非是非ご覧いただけると幸いですー

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