表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第六章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

455/462

SS 夜語り《第四世界》

「レニーちゃん、こんなところにいたの」

「あ、ヒルダちゃん」


 私は大聖堂の屋根の上でヒポタと共に夜風に当たっていた。危険だからと教会の一室に泊めてもらったのだ。


「探したのよ。ベッドに居なかったから。よっと」


 ヒルダちゃんも自分の錬成獣でここまで登ってきたようだ。ただ、暗くてどんな錬成獣かはよく見えない。

 ヒルダちゃんは軽く跳んで、私の隣に移動してくる。


「あっ」

「危ないっ」


 少しよろけたヒルダちゃんの手を私はとっさに掴む。屋根の傾斜は見た目より急なのだ。

 そのまま顔を見合わせて、二人して笑い合うと一緒に屋根の上に腰かける。

 しばらく吹き抜ける風だけが二人の間をうめる。


「──お父さんとお母さんのこと?」

「うん。ねぇ、ヒルダちゃんはいいの? 私と一緒に来ちゃって、本当にいいの?」


 私は昼の話の続きとばかりにヒルダちゃんにたずねる。


 タウラ猊下による大託宣。そして告げられた、訪れし邪神アレイスラの存在。


 王都を襲ったモンスターたち。そして消えてしまった私の両親。

 それらの元凶は主神ローズによれば邪神アレイスラらしい。


 大託宣によれば私は西方にいかないといけないらしい。それもヒルダちゃんとチッタさんを連れて。


 ──西方。お母さんのゆかりの地。でも今は……


「戦乱の地、だもんね」


 私の不安を言い表すように、そう口にするヒルダちゃん。

 いま西方は、いくつもの小国が互いに争い、そこかしこで内乱も巻き起こっている危険な土地だった。


「そうだよ。それにヒルダちゃんだってお父さんの近くにいたいんじゃない」

「そう、ね。それはそう。でも、同じくらい助けてあげなきゃって思うの。お父さん、色々と抜けてるし。だってさ、私の代わりに呪いを受けたんだよ。わざわざ私のスクロールの制御まで奪って」


 ぎゅっと私と繋いだ手を握るヒルダちゃん。


「今度は私がお父さんを助けたい。だからレニーちゃんのお父さんとお母さんを探すの、手伝わせて」

「ありがと」

「うん」


 夜が更けていく。二人はあと少しだけ、そこで夜風を感じていた。


 ◇◆


 翌日、準備と別れの挨拶を済ませた私たちは王都の外周に位置する大門に来ていた。


 旅に同行してくれるヒルダちゃん。それにヒルダちゃんお付きのペンタクルス。なんとペンタクルスも西方の出らしい。私の母の部族とは地域が異なるらしいが、それでも現地の案内は出きるとのことでとても心強い。

 そして教会からは、チッタさん。


 私を入れて四人での旅となる。


 そこへ王城の衛兵らしき装いの兵士が二名、騎獣して現れると声も高らかに宣言を発する。


「鍵とフラスコの守護者、カリーン=ル=アドミラル陛下の御幸!」


 現れたのは武骨な馬車。まさに質実剛健といった雰囲気を漂わせる馬車の扉が、開く。どうやら衛兵の一人が扉を開ける前に、中から開けてしまったのだろう。


 真っ赤な髪をなびかせて、一人の小柄な女性が馬車から降りてきた。




本日はコミカライズ19話②の更新日です!

ぐんたお様の描く素敵な錬成シーンがたっぷりです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ