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【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第六章

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原初の神域

 勇者へと至り、一度は私との契約が解除されたセイルーク。いまは、アンちゃんさんの眷属となったことで、再び私に連なる存在となっている。


 これは、そのことで開かれた可能性。

 目の前の空間の穴は、まさに運命の僅かな綻び。


 ──アンちゃんさんは、もしかしてこの可能性を考えて、セイルークを?


 《ふははは! もっと褒め称えてくれてよいぞ! …………なんだ、年の功やら何やら言うのかと思うたが。覇気がないのー。ほれ。元気を出せ。そんなしみったれた顔をするでない。お主に心を捧げた乙女たちが、今のお主をみて、何というかのー》


 傍目には、恭しい仕草で頭を垂れたアンちゃんさん。しかし、絆を通してから伝わってくるのはいつもと変わらない、そんな自慢とも激励ともつかない言葉だった。


 ──そう、だな。まあ、きつめに怒られる、だろうな。


 《そうじゃろそうじゃろ。ほれ、ローズ殿がお待ちかねじゃ。レディを待たせるものではない。シャキッとして、さっさとゆくがよい》


「……ありがとう、アンちゃん」


 私は思わずポツリと感謝を言葉にする。

 私自身も戻ってこれるかわからないのを考えると、最後は言葉で伝えたかったのだ。


 そしてちらりと背後を確認する。アロマカズラの蔓に包まれた、皆の姿を目に焼き付ける。


 前を向き直ると、私はゆっくりと手の中のローズを掲げるように持ち上げる。

 すでに煌々と放たれていた金色の光。それが収束するように二体のアンデッドドラゴンを照らして、その頭を垂れている先に空いた穴へと光が流れ込んでいく。


 プレートに、すごい早さで文字列が流れていく。セイルークの勇者としての権限と、ローズの得た神の力。それが合わさりプレートによって統合される。

 空間の穴自体が金色に染まる。


 道が、開かれた。


 そうして私は解放された転移先へと一歩、足を踏み入れた。


 ◇◆


「ここ、なのか」


 転移した先。そこは広大な地下空間のような場所。そして、その空間にある、何よりも目立つ存在。


 巨大な金属の塊。


 不規則に増設されたのが一目でわかるほど、古い部品から、比較的新しく見える部品までが渾然一体となって、私の目の前に壁のようにそびえ立っている。


「あなたが原初の(サーバー)なのか」

『ようこそ、勇者を従え神を屠りしものよ』


 私の問いに、機械の神が返事を寄越した。



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