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【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第六章

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ローズとセイルーク

 私の手のなかで、ローズの本体たるその一輪のバラが、金色に染まる。神々しい光が、溢れだす。

 そして花弁を一度小さく震わせると、ローズがゆっくりとその蔓を伸ばす。


 蔓の伸びた先は、宙に浮いたままのプレートだ。プレートの縁を彩るようにして、その蔓が這う。瞬く間に、ローズとプレートが繋がる。


 元から一体だったかのように、妙に馴染んでいるプレートとローズ。


 そのプレートに、文字が現れる。ローズがプレートを通じて文字をつづっているのだ。文字すらも、バラの蔓を模した飾り文字風で書かれていく。


 相変わらず静謐に支配されたままの私は、何かに突き動かされるように、その文字にゆっくりと目を通す。

 心情的には、ただただその場にうずくまり、世界の全てを遮断して殻にこもっていたい。しかし、それをすることは許されなかった。


「……ああ。またなのか」


 ローズの提案に、思わず漏れてしまう呟き。


 プレートに示されたのは、アレイスラによって蝕まれたこの世界の、残り少ない寿命。


 ──アレイスラが滅する前に貪った傷跡が、この世界の根幹まで及んでしまっているせい、か。


 そのアレイスラを神威たる金色の光でひり潰したローズは、どうやらその神の力を取り込んだらしい。

 今やもう、一柱の神と同等となったローズ。そのローズが示すのは、残り時間の少ない世界に対する対処法だった。それがプレートの最後につづられていた。


 ──ローズがアレイスラの力を、か。受け皿たるロールを与えられた、私の錬成獣だからか? ああそうか、ローズは、私の状態をみて、肩代わりをしてくれたのか。


「……ローズ、すまない」


 いいんですよ、と新たにプレートに文字がつづられていく。


 それでも消えずにつづられたままの、根幹を傷つけれた世界への対処法。このまま、手をこまねいていれば早晩起こるのが確実の、大規模な厄災。


 それは、どうしますかという、ローズからの問いかけだ。


「今度は、ローズ。お前が犠牲になるというのか……」


 プレートに綴られた文字は変わらない。それが、ローズの優しさなのだろう。

 私が自分自身で決断を下し、その事で自責する余地を残してくれる、ローズの優しさ。


「──ローズ、実行してくれ」


 私の呟き。

 プレートから光が激しく瞬き始める。

 そこに舞い降りる二体のドラゴン。


 アンちゃんさんとセイルークだ。

 大地に降り立ち、プレートの左右に控えるように並び立つと、その口先をゆっくりとプレートへと近づけていくアンちゃんさんとセイルーク。


 プレートへと口先が触れた時だった。転移用の穴が一つ、私の目の前の空間に現れた。



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