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【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第六章

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三人の想い

「いや、絶対ダメだ! 感情も記憶もそれ単体で存在しているんじゃない。いくつもの事象について、複雑に絡み合っているんだ。アーリの提案通りにしたら、最悪、三人とも廃人のようになってしまう可能性だって、あるっ!」


 未来視で当然その事を知っているはずなのに、穏やかな笑みを浮かべたままのアーリ。


「ルスト師。これしか手がないのです。他の未来は、全て破滅にしか帰結しません。アレイスラにこの世界にある命も何もかも、貪られるだけです」

「だがっ! ──じゃあせめて、私の記憶と感情を最初に使ってから……」

「それも、成功しません。今ですら、そちらのローズさんの制御に、多大なリソースを使われていますよね、ルスト師。それも、当然です。一つの世界を統べていたほどのローズさんの力を一つに集約され、更には複数の力を不安定な状態で、維持されていますよね?」


 私の左手のなかにあるローズを指差しながらそう告げると、首を振りながらアーリが言葉を続ける。


「ご提案通りにすると、いまのルスト師でも、途中でローズさんの制御に失敗されます」


 完全に論破され、私は言葉がない。


 ──未来視の魔眼、さすがに伝説にうたわれているだけある、ということか。本当に、厄介すぎる……


「往生際が悪いぞ、ルスト。ああ、なんだ。もしかして照れているのか?」

「ちがっ──!」


 にやにやと笑みを浮かべたカリーン。アーリとロアも二人して顔を見合わせると、はにかむように笑いあっている。


「でだ、アーリ。具体的にはどうすればいい?」

「……接触していると、効率が良いようです」


 カリーンの質問。それに澄ました顔でアーリが答える。その視線は、装着したままのカリーンの鎧を見ていた。


「ふん。じゃあ、こうか。ルスト、少し屈め」

「ちょっ、まだ話しは終わってな──」


 怪力によって強制的に引き寄せられ、そのまま抗議を封じられた私に、アーリからの追撃。


「ルスト師、もう本当に時間がありません。お願いです。私たちの覚悟、無駄にしないで」


 ──ああ


 私は間近に感じられる温かさに、一度きつくきつくまぶたを閉じる。

 そしてゆっくりと眼をあける。瞳にうつる、その姿を心に焼き付ける。


 そっと右手を掲げて、私はカリーンの心を受け取った。



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