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【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第六章

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神域を改造しよう!

「これで、ようやく最後か……」


 最後にプレートに表示された文字。


 それは『神域:フラスコの世界の統括権限を受領しますか』というものだった。

 そのあとに、ずらずらと注意書きらしき物が記載されている。


 それをゆっくりと確認していく。


 私が今ではあまり焦っていないのには、理由があった。じつはツヴァイからインストールされた断片的な知識の中に、ここフラスコの世界と元の世界で時間の流れが異なる、という情報があったのだ。


 正確には、どうやらツヴァイは元の世界に対しての相対的な、このフラスコの世界での時間の流れをある程度、操作出来たようなのだ。


 ──アレイスラに瞬殺されていたけど、そこはやはりツヴァイも亜神とはいえ神だったってことだよね。そんな訳でたぶん、ツヴァイが食べられちゃったあのタイミングに、元の世界へ戻れるはず……。


 そこまで考えながら注意書きを読み終え、私はもう何度口にしたかわからない単語をプレートに向かって呟く。あまりに呟きすぎて、これで最後だと思うと、ある意味感慨深い。


「承認」


 プレートに表示された文字が消える。

 ツヴァイからの、力の受領が完了した。


「──これが神の視点か……」


 私は今自分のいる神域の隅々まで、感じとることが出来るようになっていた。

 表層の真っ白なだけの空間。


 表層には椅子がいくつか点々と置かれている。あとは不義の三席の洞窟に繋がる、時空の穴だけ。


 そしてそれとは別に、地下にはツヴァイが倉庫と呼んでいた広大な空間があった。

 タウラが最初に拐われたときに転移させられたのも、その空間の一部分だ。


「映像」


 プレートに地下の様子が写し出される。

 そこには様々な物が、雑多に詰め込まれている。


「ツヴァイって、生活感無いようにみせて、ずぼらに物を詰め込んで貯めるタイプだったのか……」


 私は神域の作りを俯瞰しながら思わずそんな感想を呟いてしまう。


「ここら辺はモンスターの素材か。すごいな私のストックの何倍もの量と質だ。錬成用の機材もかなりある……これなら」


 私はスクロールを展開()()()に、呟く。


「顕現、ローズ」


 ローズの本体たる一輪のバラが、真っ白な世界にその赤い花を咲かせる。


「ローズ。全制限を解除。構築名、『薔薇庭園』で蔓を展開。プレート、地下にある素材及び機材のリストをローズと共有」


 一輪のバラの根本からいくつもいくつもバラの蔓が溢れだし、真っ白な世界を埋めていく。

 ローズの蔓の一つがするすると私の手元のプレートに巻き付く。


「プレート。ローズの指示に従い素材及び機材の転移配置を開始」


 地下から、いくつもの物品がローズの指示で転送されていく。


「プレート、名称変更。この神域を『フラスコの世界』から、『カゲロ機関分室』とする」


 単なる真っ白なだけだったこの世界。

 そこはあっという間に、見渡す限りローズ製の研究室に、変貌していた。








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― 新着の感想 ―
[一言] フラスコの世界とか言われるとヒーロー戦記を思い出すなあ あれは実験室のフラスコの底とかラスボスが表現してただけだが
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