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【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第六章

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二度目

 私がツヴァイの手をとるのは、これが二度目だ。


 一度目はここ、ツヴァイの神域と本人が告げた場所へと強制的に転移させられた。

 そして、二度目の今は、また別の現象が起きたようだ。


 ──これは、過去の映像? いや、記憶か?


 気がつけば私はツヴァイの視点で、妄執の一席の中にいた。


 ──呪術師の力が流れ込んできた時と、似ている。そうか、器というのはそういうことか。……いや、呪術師の時よりも鮮明にツヴァイの意識が流れ込んでくる──


『僕の制御を、なかなか受け付けない──これも、強制イベントにアレイスラが介入したせいだ。どうにか、この妄執の一席だけでも生かさなければいけないというのに。このまま勇者によって最後のプレーヤーたるこの者が倒される訳にはいかない。別世界から転生者を召喚するため、閉じた世界が開いてしまう……』


 ──ツヴァイは妄執の一席を生かそうとしていた? そうか。それで妄執の一席の動きは保身のためあんなに鈍かったのか……


 どうやら妄執の一席自体の意識は、すでにかなり希薄だったようだ。

 ツヴァイの見解では、アレイスラの介入により、強制イベントという物で、妄執の一席は戦いに駆り立てられていたらしい。そして必死にそれにあらがうツヴァイ、と言う構図だったようだ。


 ──まるで妄執の一席という操り人形を、ツヴァイとアレイスラが二人して別々に操ろうとしていたみたいだ。


『しかしこれは! なんという物量だ。なんなのだ、このタケノコどもは。なんと厄介。なんと悪辣。個々の力量では勝つはずの半魚人達が、いいようにやられてしまっているではないか!』


 場面はちょうどタケノコアーミーが地面から現れ、半魚人たちが混戦に突入した所だった。

 ツヴァイの強い驚きが伝わってくる。イブの操るタケノコアーミー達はツヴァイにも印象的だったみたいだ。


『これがルスト=シュトルナ=ハーツニクスの力か。僕の体を削った、あのいまいましい布ばかりか、こんな厄介な者たちを創造し、しかも大量に、そして同時に操っているとでもいうのか。かつてのシュトルナ=ハーツニクスでも、こんなことは出来なかったのに。あいつも面倒な物をたくさん創造していたが……。これは。この悪辣さは、それ以上だ。くっ、増援を呼ばねば!』


 どうやらツヴァイのいう、私の先祖らしき人物と、比較されていたようだ。


 ──実感は沸かないけど、私の祖先というその人物、色々ととんでもない物を作ってたのかー。何を作ったのかは気になるところだ。


 こんな時ながら、好奇心がうずうずしていると場面が変わる。


 巨大なウニが海から大量に現れる。


『よしよし。これであのタケノコを一掃して……な、なんだ! 次は、なんだというのだ。あの魔法陣は! 魔石、いや魔導具を魔法陣に組み込む、だと? あれは過食の末席へと呪術師が誘った者の魔石を使っているのか。ああ。現れたカバどもにやられていく……。なんという──どれ程、世界の常識を塗り替えれば気がすむのだ、あのものは。本当に厄介な』


 妄執の一席の中で地団駄を踏むツヴァイ。狭い場所で器用に動くなーと私はその様子を眺める。


『ドラゴンの契約者とされてしまったことが悔やまれて仕方ない──。ああ、ウニどもがこうもあっさりと倒されていく……。どうする。どうやって妄執の一席を──』


 再び、苦悩するツヴァイの意識が伝わってくる。

 しかしあのときの私たちの猛攻に、結局逃げることも敵わずに、セイルークの二度目のブレスがついに放たれる。

 閃光がついに周囲を満たした。


 そこでまた、映像が切り替わった。


 ──次は、……ここはどこだ?



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