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【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第六章

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敬虔なる者

「逃げるつもりだ! ロア、アーリ、阻止するぞ。続けっ。リットナー、あっちは任せた!」


 丘から下りきったところでカリーンが叫ぶ。

 もぞもぞとした動きを見せる妄執の一席へ回り込むようにレッサーヒポポを駆るカリーン。ロアとアーリの乗ったレッサーヒポポもそれに続く。

 牽制するように振るわれたカリーンの大剣が、移動しようと動いた妄執の一席の足の一つを跳ね上げる。旋回するようにして距離をとってカリーンに続くロアとアーリ。二人も妄執の一席の動きにあわせてそれぞれの槍を振るう。

 変幻自在のロアの錬成獣の槍。

 威力抜群のアーリのスキルを加算した槍。


 三者三様のそれぞれの攻撃が、妄執の一席の動きをとめ、その表面に生えた人の上半身を模した『妄執』を刈り取っていく。


 一方、アドミラル領軍の指揮を一時的に任されたリットナーは、残存する半魚人を押し止めようと、タケノコアーミー達と肩を並べる。レッサーヒポポを操り半魚人を蹴散らしていくアドミラル領軍。

 負けじと、押されぎみだったタケノコアーミー達も最後の力を振り絞るようにして、奮戦し始める。


「これはまた、大きいな。魔族になったリハルザムより大きいんじゃないか、あれ。それにしても妄執の一席自体の動きは鈍い、よな」


 周囲に『研磨』と『束縛』のスクロールを複数展開させながら、私は間近にみた妄執の一席に偉容とその不思議な行動に、思わず呟く。

 カリーン達が徐々に攻勢を強めても目立った反撃すら無いのだ。


 しかしその一方で、カリーン達がつけた傷からは、泡のような物が吹き出し、あっという間に妄執の一席は回復しているようだ。


 ──もしかしたら配下を戦わせることに特化して、自身は高い回復力を持つ魔族なのか。だとすると、決定打には欠ける……


 皆の本気の一撃もすぐに回復してしまい、何事もなかったようにうごめく妄執の一席。


「ルストォ──」


 その時だった。

 背後から聞こえたタウラの声。それは戦場に似つかわしくない、どこか敬虔な響きがした。


 私が振り返ってみると、タウラは濃厚な魔素に包まれていた。どうやらその魔素は、タウラの手にした経典から、渦巻くように溢れだしているようだ。


「どうした、タウラ。もしかして……?!」

「『天より放つ一撃』『目に見えぬものを射よ』『火は水に勝つゆえに』」


 タウラの口より紡がれたのは、託宣の言葉だった。



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― 新着の感想 ―
[一言] 水に対抗するなら土か木・・・(五行思想感
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