セイルークの変化とカリーンのおねだり
私は半透明のプレートに表示された文字を読んでいく。
読み終えると、私はプレートから視線を外して、その場にいる全員の顔を順々に見ていく。
その人は、優しげな笑みの下に、とても心配そうな表情を浮かべている。
その人は、興味ないふりをしながら、誰よりも周囲をみてくれている。
その人は、勝ち気に笑いながら、固い決意を秘めた瞳をしている。
その人は、深く傷つきながら、皆のためにいくらでも傷つくつもりでいる。
私は一人一人と視線を交わし覚悟を決めると、セイルークへのポイントの譲渡の許可を求めるメッセージに、「はい」と書かれた部分を触れる。
「ほら、セイルーク」
そういって、私は左腕を差し出す。
首を伸ばして待っていたセイルークが口を開くと、その牙の一つで優しく私の前腕部を触れる。
腕を走る冷たい感触。すぐにそれは傷のもつ熱さへと変わる。
つーっと、一筋の傷が生まれ、そこから白い光が溢れ出す。
まず、クエスト「古き血の支配者」で獲得していたポイントが、セイルークへと流れ込んでいっているのが、プレートにて示される。
白い光がセイルークの体を変化させていく。
次にクエスト「理を超えし者への祝福」のポイントが私の傷を通して流れだし光となってセイルークへと流れ込んでいく。
今度は不思議なことに、見た目の変化は起きない。全ての光がセイルークの中へ中へと入り込んでいっているようだ。
ずいぶんと長く感じた光の移動がようやく終わる。
すると、プレートの表示が切り替わった。
──ワールドクエスト:運命の車輪を支える七つの輻──
達成6/7
空に眠る太古の意志
契約者の×%℃¥
契約者の献身
迷宮の知恵
理を超えし者への祝福
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管理されし暗黒
古き血の支配者
──ワールドアナウンス──
おめでとうございます。ワールドクエストが最終段階へと至りました。
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その時だった。プレートに、ノイズが走る。
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……システム外からのアクセスを確認
……アクセスが認証されました。
【強制イベント】が発動されます。
現存するプレイヤー一名が魔王候補に昇格されます。
魔王候補:妄執の一席が深海の魔王の称号を獲得。
【強制イベント】「深海の魔王による侵攻」が開始されました。
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「カリーン。ツヴァイが仕掛けてくる。北の海だ。魔族が攻めてくる」
「そうか。ちょうどいい。前から海が欲しかったんだ」
確かに、以前カリーンがそんなこと言ってたなと思いだす。なぜか私はそれで少し笑ってしまった。
【資料】原初の八人と呼ばれたプレイヤー達
妄執の一席
繊細の次席
不義の三席
大愚の四席
悲恋の五席
深遠の六席
最弱の七席
過食の末席




