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【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第六章

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スクロール!

「『展開』『研磨』」


 そうツヴァイの声が、漆黒に閉ざされた空間に響く。

 その声にあわせて、細長い筒状のものが、ほどけるようにくるくると伸びる。


「スクロールっ!」


 思わず、私は叫んでしまう。

 タウラの加護とポイントのボックスのかげに隠すようにして、ツヴァイが投擲したもの。それは、私のスクロールだった──しかも私が巨大な浄光をまとったカマキリとの戦闘で奪われた、『研磨』のスクロールだ。


 当然、ツヴァイの加護とは関係のないスクロールは、この漆黒に閉ざされた空間でも問題なく、発動してしまう。


『展開』されたスクロールから、竜巻が現れる。キラキラとした輝きを含んだ竜巻。

 それが部屋を閉ざすために私が展開していた『束縛』のスクロールの一つへと襲いかかる。


「させないっ!」


 私はツヴァイ本体をぐるぐる巻きにしている黒呪符を一気に引き絞る。


 しかし、わずかに遅かった。


 ツヴァイの展開した『研磨』のスクロールによる竜巻によって、漆黒に閉ざされていた空間に、隙間がうまれてしまう。


 私の扱うスクロールのうち、最も頑丈な『束縛』のスクロールは、『研磨』の竜巻によっても、わずかな傷がその表面に刻まれるだけだ。

 しかし、問題はその竜巻によって、『束縛』のスクロールの位置ががずれてしまうことだった。

 隙間なく黒呪布を張り巡らすための起点となっている『束縛』のスクロール。それが、竜巻に巻き取られるように、ずれてしまう。


 結果、差し込む外の光。


 同時に、ツヴァイが手を打ち鳴らそうとその腕を動かしていた。

 わずかに遅れて、私の引き絞った黒呪布が、ツヴァイの体をバラバラに引きちぎる。

 しかし、引きちぎられ、宙を舞うツヴァイの両手の平が、その慣性のままに打ち合わされてしまう。


 ぱんっという音が、響く。


 空間に現れる円形の穴。

 バラバラになったツヴァイの体の一部が、小さなホムンクルスの形に変化したかと思うと、その穴を通って逃げてしまった。


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