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【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第六章

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束縛!

 私がカリーンの稼いでくれた時間でやっていたこと。


 それは至極単純なことだった。

 まずは『束縛』のスクロールで、黒呪布のマントの端をツヴァイから見えないように固定。


 そもそも黒呪布のマントは、伸縮自在の黒い布なのだが、さらにまるで意思があるかのように私の都合よく、その形を変えてくれるのだ。

 それは、先ほど黒呪布のマントを引っ張ってカリーンに触れてもらった時、私がこれぐらい伸びて欲しいなと、ちょうど思った分だけ伸びた事で気がついていた。


 多分だが、ツヴァイの存在に振動していたことや、プレートの表示で私が正式な所有者とされたことが、もしかしたら関係しているのかもしれない。

 この不思議な性質は、個人的に探求するのが楽しみな題材ではある。ただ残念ながらツヴァイを目の前にして、そんな研究欲にうつつを抜かしていたことがばれると、またアーリに怒られそうなので、とりあえずは抑えておく。


 そういう訳で、固定自体は簡単な作業だ。


『束縛』のスクロールをマントの内側でこっそりと展開させ、伸ばしたマントの一部を、こちらも伸ばしたスクロールで巻き取るようにして固定。

 例えるなら、あて紙をして、丸めた筒を固定する途中のような形だ。


 そして足元から黒呪布を固定済みのスクロールを床下へ移動させる。

 ちょうどカリーンが踏み抜いた穴を使って。


 そうして、いくつもの『束縛』のスクロールを使って、ツヴァイに気づかれないようにイブの竹製の床の下経由で、部屋の床全体をカバーするように黒呪布を張り巡らせたのだ。


 その時点で、私の背中の黒呪布のマントと床下の黒呪布は、糸一本程度の太さで繋がった状態だった。

 そして、プレートにゆっくりと近寄る振りをして、ツヴァイへと近づく。

 ぎりぎり怪しまれない距離まで近づいたところで、作戦開始だ。


 私の意思にしたがって、床を突き破って『束縛』スクロールを上に。ツヴァイごと、部屋全体が真っ黒な黒呪布で包み込むようにする。


 ツヴァイが両手の指を鳴らす。しかしその音は部屋全体を包む黒呪布の布に吸収されるように消え、何も起きない。


「えっ? なんだ?」


 ツヴァイの唖然とした表情。

 私は再び、告げる。


「『束縛』」


 次は、ツヴァイの足元にも忍ばせておいた黒呪布付きの『束縛』のスクロールだ。

 その見た目は、いくつもの真っ黒なリボンのよう。それがツヴァイの足元から何本も何本も急に飛び出し、ツヴァイを締め上げるようにその体に巻き付いていく。


「な、なんだっ! い、痛い? 痛い!」


 締め上げる動きで黒呪布がツヴァイの浄光製の体と擦れるのだろう。黒呪布のリボンがツヴァイの体に食い込み、体が削られるような痛みがツヴァイを襲っている様子。


「ぼ、僕の存在が、削り取られていく?! い、痛い! いたいいたいいたいいたい……」


 まるで泣き言のような悲鳴。

 あの余裕綽々だった様子は微塵もない。

 だだっ子のように暴れるツヴァイ。ギチギチと黒呪布が音をたてる。


 ──まずい……。黒呪布自体は効果あるみたいだが、予想以上に手強い。黒呪布、このままだとあまり長くは持たないぞ。


 一気に締め上げようか悩むが、急に力を加えるとプツンと黒呪布が千切れてしまいそうな感触。私はぎりぎりのラインで、締め付けを強くしていく。


「お願いだ。やめてくれ、お願いだお願いだお願いだ……。そうだ! ほら、これを返す! そこの女の加護だ。ほら、受け取らないとこれもぐずぐずになって消えてしまうぞ!」


 黒呪布のリボンの隙間から見えるツヴァイの手のひらに、丸く光る塊が見えた。

本日はコミカライズ13話①の更新日です!


書籍化の追記部分にさらにコミカライズのオリジナルキャラも登場です!

ニコニコ静画、コミックウォーカーでご覧いただけますので、是非是非~

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