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【本編完結】辺境の錬金術師 ~今更予算ゼロの職場に戻るとかもう無理~《コミックス発売!》   作者: 御手々ぽんた
第六章

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同化薬再び

「出来た」


 私の手のひらの上には、最弱の七席の肉片の一部を使わせてもらって作成した、同化薬がのっていた。


 魔族となったリハルザムの根城に忍び込んだ時に使ったものと、ほぼ同じもの。

 違いとしては、あの時は寄生キノコのエキスを元にしていたが、今回は魔族自身の肉片を使っているぐらいだ。


 そういう訳で、効果は今回の同化薬の方が断然強い。


「これなら魔族の側近クラスのモンスターでも、十分に誤魔化せると思う」

「また、こんなものをあっという間に作られて……」

「まあ、作るの二回目だから。それなりには手慣れたから」

「──はぁ。もうっ。これで、戻ることを反対、出来ないじゃないですか。ずるいです。ルスト師は」


 ぷくっとふくれながらも、私の手のひらの上の同化薬を一粒、奪うようにとるアーリ。そのまま飲み込む。

 ごくんと同化薬を飲み下すと、アーリはこちらを見上げて、念おしをしてくる。


「いいですか、ルスト師。最弱の七席の所に戻るのは仕方ありません。でも、少しでも不測の事態になったら無理はせず、その場を離れるのは約束してください。良いですね」

「わかった。約束するよ、アーリ。このメダリオンにかけて」


 私も手に残った同化薬を飲み込むと、錬金術師のメダリオンを取り出し、約束をかわす。


「──ふふ。それ、懐かしいです」

「ギュル?」


 アーリの急に和んだ様子に、セイルークが不思議そうにしている。

 そういえば、アーリ達と初めて会った時、セイルークの意識は無かったんだよなと思い出しながら、私はセイルークに声をかける。


「セイルークは、ここで待っててくれる?」

「ギュルルー」


 セイルークから絆を通して、ぎりぎり近くまで乗せていく、と伝わってくる。

 しばし検討して、結局その言葉に甘えてセイルークの背に乗ろうとした時だった。


 アーリの様子が、おかしい。


 胸元をぎゅっと抑え、険しい顔つきをしている。


「アーリ、どうした?」


 私は努めて冷静に、そして端的にたずねる。


「体が急に熱くて。それに、何かが沸き上がってくるよつな感覚が──あっ」

「どうした!? もしかして、同化薬の副作用かっ」


 私はさっと血の気が引くのを感じながら、急ぎ《転写》のスクロールを取り出す。


「副作用……と言えばそうなのかもしれません。どうやら私、新しいスキルを手に入れたみたいです」


 自らの体を確かめながら、アーリ自身も不思議そうにしながら、そう告げた。


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